前編-10.ラティスでのうわさ
※2026/4/12追記
以下のまえがきは2025/12/24投稿時のものです。
分単位のスケジュールを組んで回ったんですが、引湯配管洗浄作業入ってたりして入湯できずに予定が狂ったんですけど、それでも組み直して予定よりも多く回っちゃいました。ちゃんと予備も考えてましたのでね。
メリークリスマス!
クリスマスイヴですね〜。皆さまはいかがお過ごしでしょうか?
作者は夜明け前から別府八湯温泉道スタンプラリーで10時間で23箇所温泉回りまくってました。ヘトヘトに疲れておりますよ···。
明日で3箇所回り、88箇所回りきって『名人』になります!作者へのサンタさんのプレゼントは『名人』という名誉ですね。自力で回りますが(笑)
「仲は悪くなかったさ。むしろ友好関係だったんだけど···。突然ドナー帝国が宣戦布告してきて、慌てて対抗したってわけさ」
···え?おかしいぞ?宣戦布告したのはアクセプタ王国のはずだぞ?
「え〜!すっごいね〜!向こうが宣戦布告してきたのに撃退できたんだね〜!宣戦布告って奇襲攻撃だと思うんだけどなぁ〜」
「確かに嬢ちゃんの言う通りだろうね。でも、うちはちゃんと訓練してたから、さっと準備して迎撃したってわけだ」
「すっげぇ強い国なんだなぁ〜」
「よその国の人にそう言ってもらえると嬉しいね。そんなわけではあるけども、街中はいたって平和さ。いい仕事があるといいな」
「ありがとよ!おっちゃん!」
さてと···、街中に入ることができた。門番の言う通り、街中は平和だった。戦時中ってイメージがまったくないんだよなぁ〜。
ますますわかんなくなってきたな···。これが演出なのか真実なのか···。おそらく街の人に聞いてもいい情報は得れそうにもないな。
「フー。とりあえず冒険者ギルドに行ってみるか?」
「そだね〜。掲示されてる依頼内容である程度わかるんじゃないかなぁ〜?」
「よし!じゃあ行ってみっか!」
冒険者ギルドはお城の近くにあった。この立地はレオナード王国でも共通だ。行政で対応しにくい内容を冒険者に委託するためだからな。
中に入ると、今は昼前だからほとんど人がいなかった。受付も暇そうにしていたな。
さてと···、さっそく依頼掲示板を覗きに行った。どれどれ〜?
・畑の水やりを手伝ってくれ!(川から畑まで高低差20mあります)
・お掘りの水抜き手伝い(最小催行人員:30名。下回った場合は金額をちょっとボーナス!)
・戦争最前線まで食料輸送用馬車の護衛(道中襲われる可能性はほとんどないですが念の為)
・絵を描くのに必要な材料の採取
・私を海へ連れて行って!
···平和だ。一部兵站がある程度か。
ってか、本当に魔獣いないんだな。そんな事を考えながら依頼掲示板を見ていると、1人の男が声をかけてきた。
「よう。ここじゃ見ない顔だな?旅の冒険者か?」
「おう。おれたちは西にあるボルタニア大陸からやって来たんだぜ」
「ボルタニア大陸だって!?その若さでよくここまで来たな」
「まあな。知り合いのおかげでな」
「そうか···。防具もない冒険者って駆け出しか未経験かと思ったんでな」
「あ〜、おれたちは鍛えてるんでな。そんじょそこらの攻撃なんてかわせるんだよ。当たらなければどうということでもないしな」
「ほう?確かに普通の子じゃねえな。ところで、なにしにここに来たんだ?」
「旅をしてると金が少なってくるだろ?ちょっと稼いで隣のドナー帝国とやらにでも行ってみようかな?って考えてるんだよ」
「ドナー帝国だと!?やめとけやめとけ!あそことは今は戦争中だぞ?死にに行くようなものだ」
「らしいな。戦争中って聞いてびっくりしたぜ。どうしてそんな事になったんだ?」
「なんだ?門番から聞いてねえのか?ドナー帝国が宣戦布告しやがったんだよ」
「へぇ〜。ここがよく無事だったな」
「ここの軍隊は精強な連中ばかりだ。あっさりと返り討ちにしやがったんだよ」
なるほどね。この国じゃあ、そういう風に知らされてんだな。疑いもなくな。
要するに不都合なことは知らされてないってこった。こりゃこの国の住人たちは城が何者かに乗っ取られたって事も知らんだろうな。おそらくギルドにもそういった情報が伝わってないんだろうよ。
「すげえな〜。ここの軍隊ってそんなに強いのか?」
「ああ。ここ最近魔導兵部隊ってのが設立されてな。どいつも一騎当千の強者らしいぞ」
「魔導兵部隊だって?初めて聞いたな」
「そりゃそうだろう。この国の軍が研究してたものらしいぜ。ようやく運用ができるぐらいになったそうで、いきなり実践投入して大戦果を挙げたそうだぜ」
「へぇ〜。そりゃすげえな。ところで、その魔導兵ってどんなんだ?」
「それがわかんねえんだよな〜。誰も見たことねえんだよ。でも、こうやって戦争中でも平和だってのはありがたいもんだぜ」
「やっぱ平和が一番だよなぁ〜。おっさん!ありがとな」
「おう。いい依頼があるといいな」
おれとフーはギルドの外に出た。意外なところで面白い話題が出たな。
「フー?魔導兵って気になるよな?」
「もち!···たぶん、今回の黒幕の手先だね」
「だろうなぁ〜。『ここ最近』とか『軍が研究してた』ってところが怪しすぎだろ。研究してたって事は言葉として過去形にも現在形にもなるしな」
「でっちあげだろうね〜」
「とりあえず街中の情報はこんなもんかね?おそらくどいつに聞いても同じような答えしか出ないわ」
「そだね〜。それじゃあ、お城へ|スニーキングミッション《かくれんぼ》に行こっか!」
「そうだな!これまでで最も難易度が高そうだぜ。ステルスが見破られる可能性も考えて、慎重に行くぞ。敵は思った以上に手強そうだ」
「モンドくん!その前にお昼にしよ〜!」
「それもそうだな。腹が減っては戦はできぬってじーちゃんのいた世界の言葉にあるそうだしな!」
昼食ということで、おれたちは大通りを歩いていた。まだ昼前だから、開店したての店ばっかで空いていた。
「フー?どこに行くよ?」
「ん〜〜。大通りはやめとこっか」
「ん?どうして?」
「いい情報が得られそうにないから。ちょっと裏に行ってみようかな〜?」
「いいぜ。フーの行きたいとこに行くぜ」
そう言ってフーはとことこ歩いていく。そして、狭くて暗い裏路地に入った。そこまで奥に入っていないのに、表の大通りとは雰囲気がまったく異なっていた。
「フー?どこまで行くんだ?」
「ん〜〜。もうちょっとかな〜?」
そう言って歩いていると、道端に無造作に置いてあった木箱の上に酔っ払ったおばさんがいた。両手に酒瓶持ってんぞ···。
「嬢ちゃん。ここはあんたらが来る場所じゃねえよ。わかったらさっさと帰りな」
「フー、こういうところに用事があったの〜」
「···用事ぃ〜?こんな犯罪者がたむろするような場所に、なんの用だい?今から悪さするってかい?」
「そだね〜。確かにある意味では悪さになるね〜。···お城の情報が欲しい」
「···はぁ?お城だって?あは!あはははは!!」
「おい?何がおかしいんだよ?フーは別にあんたが笑うような事言ってないだろ?」
「おかしいに決まってんだろ!?なぜ城の情報をこんな場末の場所で聞こうってんだい?見当違いもはなはだしいよ!あははははは!」
この女、酔っ払ってるのかフーをバカにしやがったな。その時、フーはとんでもない返しをした!
「おかしくないよ。だって···、あなた、スパイでしょ?ドナー帝国の」
「············」
「ちょ!?フー!?」
この女がスパイだって!?どうして見破ったんだよ!?
「···なんでそう思うんだい?」
「お姉さん、うまく隠してるけど体の筋肉がすごいもん〜。まるで潜入するのに適したような体つきだから〜。潜入よくするフーがそう思うんだもん」
「···へぇ〜。あんたら、タダのガキじゃないね。ここじゃ交渉しづらいね。ついてきな」
当たりかよ···。さすがにいつも家族で裏の仕事してるだけあるわ···。
魔獣がほとんどいないので、冒険者ギルドの依頼は討伐系がほとんどなくてお使いやお手伝い系がほとんどでしたね。
ちょっと生計立てるのは厳しいかと思われますが、逆に命の危険はあんまりないという状況です。
冒険者からは『魔導兵』というキーワードが出ました。どうもこれが戦争をやってるようですね。正体はこのあと明らかになりますよ〜!
さて次回予告ですが、フーちゃんが裏路地で出会ったドナー帝国のスパイさん。どんな情報をくれるのでしょうか?
そして遂にお城へ忍び込みますよ〜!無事潜入できるでしょうか?
それではお楽しみに〜!




