1-9.アキ、この世界のお酒を堪能する
本日は作者が夜勤なのでこの時間に投稿しております。
「初めまして!ボクはアキって言います。こっちはリオです」
「おう!リオだー!よろしくなー」
「ハハッ!かわいらしいお嬢さんだ!私は商人やってますトルネと言います。こちらは妻のネネ、そして護衛のポポロですよ」
「こんばんは、ネネよ。こんな時間にあなたみたいなキレイなお嬢さんがいるなんて、なにかあったのかしら?」
「あの〜、ボク男なんですけど···」
「ええっ〜!?そうなのかい!?これは本当に失礼なことしてしまったね。···しかし、こんなにかわいいのに男の子とはねぇ〜」
「あらあら、ごめんなさいね!女の子にしても、とてもかわいかったからぁ〜」
うん、もうキニシナイ!って心に決めてたけど、やっぱり心がえぐられる感覚がしてしまうよ。今のうちだけだ!大きく成長したらこんな事もなくなるはずだ!とプラスに考えて気持ちを落ち着けた。
···まさかこれもフラグだとはこの時思ってなかったけどね。
「いや、そんなに気にしないで下さい!よく言われるんでこちらも慣れてますから」
「そうかい、じゃぁ、お詫びに夕食をごちそうしてあげるよ。ついでに、なにかおもしろい話があったら聞かせてくれないかい?」
「いいんですか?ありがとうございます!何から何までお言葉に甘えさせてもらってすいません」
「まだ若いのに言葉つかいが丁寧でよくできてるね〜。感心するよ。じゃあ、一緒に注文口に行こうか!」
「ハイ!よろしくお願いします!」
まぁ、ね?元の世界では38年の人生経験あるし、バイトで商業施設にいたらそれなりの接客技術は身につくから、これぐらいはね。
笑顔で言葉つかいよく対応すれば、相手だって悪い気はしない。しかもコスト0でトラブル回避や商売でお金稼げるんだから、できて損はないしね!
さて、トルネさんのおごりでボクとリオは3品ずつ注文した。さらにトルネさんからお酒を勧められた。
この世界では飲酒の年齢制限はない。ある程度常識的に小さい子には飲ませることはないようだけど、どうもボクの年齢だと特別なことがあった時は飲むようだね。
実はちょっと気になってたんだよね〜、この世界のアルコールって。元の世界ではそんなに飲めなかったから、サワーやハイボールにして飲んでたんだ。
この体は神様が作ったんだけど、アルコールは大丈夫なのかな?と気になってたから、いい機会だし試してみるか!まずはビールっぽいものからだ。
「じゃあ、乾杯しようか!かんぱーい!」
「「「「かんぱーい」」」」
んっ、んっ!おっ!?結構いけるな!のど越しさわやかだ。良かったぁ〜!おいしく飲めるって大事だよね。
「おっ?アキくんは結構いけるクチなのかな?いい飲みっぷりじゃないか」
「ぷは〜!実は初めて飲むんですよ〜!おいしいですね!食欲が湧いてきました!」
「そうかそうか!だったらじゃんじゃん食べなさい!追加オーダーも気にせずにするといいよ」
「ありがとうございます!じゃぁ、遠慮なく!」
そう、ビールって実は胃の調子を整える作用もあるんだよね。効果は個人差あるけど。
ツアーなんかで温泉旅館で宿泊ってだいたい夕食直前にチェックインが多いんだけど、先に温泉入って、風呂上がりすぐの夕食でのビールが最高ッ!なのはこのためなんだよね〜。
いかんいかん、温泉に無性に入りたくなってきたぞ!いつもクリーンの生活魔法で済ませちゃうから、元日本人として味気ないんだよね〜。
リオもお酒を飲んでるね。リオは焼酎?ぽいお酒をチビチビ舐めるような飲み方だ。ドラゴンなんだからそうなるよね。リオも顔が少し赤くなってきた。
ある程度食が進んだところで、トルネさんはいろいろ聞いてきたよ。
ボクたちもアルコール入ったから、それはもう饒舌に話しまくったよ。ボクはあやうく元の世界の話をしかけてしまったし、リオも整調者の時のパーティーメンバーの愚痴を言い出そうとしたところを強引に止めに入ったりして、賑やかな時間を過ごした!
···つもりだったんだ。
そう、途中から記憶がなくなっちゃったんだよ。最初1時間ぐらいまでは記憶があったんだけど、それ以降全く覚えていないんだ。
グロー歴504年9月6日 晴れ
二日酔いっぽい頭痛で目を覚ますと、知らない天井だった。起き上がったら個室だったから、この部屋は昨日借りたシングルルームみたいだね。
頭が痛い···。記憶がなくなるほど飲むなんて、元の世界では一度もなかったのに、よっぽど楽しかったんだろうね。二日酔いで回復魔法を、しかもいきなり朝から使うわけにはいかないので、顔をしかめながら我慢することにした。
「リオ、おはよー···。大丈夫かい?」
「んあ〜、もう朝なのか〜···?もう少し寝かせてくれよー」
「いや、もう起きないと、トルネさんたち出発しちゃうよ?」
「んん〜、あと50分ー」
「もう〜!ダメだよ?早く起きて40秒で支度しなよ」
「ん〜っ、そんなに早くできるわけないだろぉー。まぁ、馬車の中で寝ときゃいいかー」
とりあえず寝ぼけ眼のリオを叩き起こして頭の上に乗せて出発準備だ。支度を整えて注文口兼フロントに鍵を返してチェックアウトしようとした。
その時、カウンター越しにおっちゃんがにこやかにとんでもない事を言ってきた!
「おう!おはようさん!きのうはおたのしみでしたなぁ〜!わっはっは!」
···はっ!?えっ!?ド、ドウイウコトデスカ?
あまりのトンデモ発言で頭の中が真っ白になった。
酒場にいた人たちが穏やかな目でボクたちを見つめていた。トルネさんたちもにこやかに微笑んでるけど···。
イッ、イッタイナニガアッタンデスカ?
これって朝に投稿したらマズくないかな?と思ってしまいました。
しかし、仕方なかったんや~!そこまで考えてないし!
アルコールに翻弄されてしまったアキくんですが、この後驚愕の事実がわかる···、のか?




