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冒険者学校を振り返って

 お湯を沸かしスープの素を投入しスープを作る。

 それと柔らかいパンを空間収納アイテムボックスから取り出す。

 どちらもハニーウッド製の冒険者向けの携帯食だ。

 現在流通している一般的な冒険者向けの携帯食とは味が雲泥の差である。


 ミームにパンを少しちぎって渡し「いただきます」の後に食べ始める。

 ミームは精霊なので食事の必要はないのだが俺と一緒にというのが嬉しいようだ。


 食べ終わるとミームが魔力をねだってきたので精霊貨と一緒に指を差し出しスキルで「譲渡」を行う。

 ミームはそれを受け取ると満足そうな顔をし「ごちそうさまでした」といって片付けを始めたので俺もそれを手伝う。


 片付けも終わり一息つくとふと数年前の冒険者学校時代を思い出す。


 あれから…あれからというのは俺が死にかけた時のことだ…俺は心を入れ替えた。

 今まではただ好き勝手出来る程度に稼げればよい。そのためにほどほどに強くなる、ということしか頭になかった。

 だが死にかけてからはそれに加え、死なないための努力をするようになった。


 まず目立っていた無明をどうにかするためミームに「擬態」のスキルスクロールを使ってもらいその美しさを抑えてもらった。

 このスキルスクロールはもちろん密林さん経由だ。

 実態を隠すスキルは他にもいろいろあったのだが、物にスキルを覚えさせるという特殊性ゆえか望んだ効果のスキルはあまりなかった。

 俺としては人が持つスキルではない(どちらかと言えば魔物が持つスキル)のでどうかと思ったのだが、ミームは衣装や髪型を変えられるようになっておしゃれが出来るようになったと喜んでいた。


 それと魔物を倒した後に放出される精霊貨をどうにかするために「自動回収」のスキルを購入した。

 精霊貨は精霊系の魔物をパワーアップさせる効果も持つため以前のままでは厄介なことになるのは身にしみている。

 自動回収のスキルは認識した対象を空間収納のようなアイテムボックス系のスキルに手を触れずに転送するという便利なスキルだ。

 もっとも回収する対象が自分のものであると強く認識していないと転送できないという制限もある。

 どうやっているのか理屈は分からないが。


 後は先ほどやっていたように武術の鍛錬を始めたことだろうか。

 今までの敵はほとんど一撃で倒してしまえた。

 そのためわざわざ覚える必要性を感じていなかったのだが、もしも対処できない強力な敵に出会ってしまった時のため技術を磨くことにしたのだ。

 俺はぐぐーるさん経由でそういった武術のことを調べ魔装流という流派を学び始めた。

 だが魔装流は現代に受け継がれているわけではないし、使い手ももちろんいないのでだれかに教えを請うということはできない。

 幸い鍛錬にどういうことをやっていたのかはぐぐーるさんでわかるので、始めた当初は基礎鍛錬をただひたすら行うといった具合だ。

 最も鍛錬だけでなく心構えなどの精神論が当時の俺にはとてもためになったのだが。


 あの二人、リリアとルナーには学校内で親しくさせてもらうことになった。

 しばらくは顔を合わすのを避けていたのだが、2ヶ月ほどした頃にリリアが「迷宮に行くわよ!」といって俺を引っ張りだしたのだ。

 俺としては鍛錬を初めてまだ数ヶ月も経っていないし行く必要性もなかったので渋っていたのだが、理由を聞いてみると「ほしい武器があるのだけどお金が…」なんて理由だった。

 密かに好感度ランキングTOPを走っていたリリアの評価がだだ下がりである。

 もっとも、これをきっかけに常時パーティーを組むようになったのだが。

 普段の行動もそれとなく一緒にいることが多くなり嫉妬の視線がすごいことになった。

 二人は学校の卒業後に地元に帰ることになったらしく卒業後は合っていない。

 もっとも別れるときにちょっとした騒動があったのだがそれはまた別の機会に語ることもあるだろう。


 食後の休息も終わり俺達は今のホームである王都に向かって歩き出す。

 このままのんびり歩いても日が暮れるまでには王都につけるだろう。

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