「手紙」
莉紅へ
これを読んでいるってことは、私はもういないんだね。
なんか変な感じだね。こうやって手紙を書いている今は、いつもと変わらない部屋にいるのに。明日も明後日も、これからもずっと莉紅と会える気がしてる。
たぶん、これを読んでいる莉紅は泣いてるんだろうな。
泣かないでって言いたいけど、
莉紅はこういう時、絶対人の言うこと聞かないからなあ。
でも、ひとつだけお願いがあります。
私のことはかわいそうだと思わないで。私は、私の人生をちゃんと生きたから。
もちろん、もっと生きたかった。
もっと莉紅と一緒にいたかった。
来年もお祭り行きたかったし、また海にも行きたかった。
こういうこと書くと、受け入れてたはずなのに、やっぱり死にたくないって思っちゃう。
こんなこと書いても困らせちゃうだけだよね。ごめんね。
でもね、莉紅と恋人になった一週間は、本当に楽しかった。
この一週間、特別なことは何もしてないのに、莉紅と一緒だったから私には全部が特別に感じてたよ。
だから、一週間だけ恋人になってほしいって言ったこと、後悔してないし、むしろもっと早く言っておけばよかったって思った。
莉紅は、私のことどう思ってたのかな。
いや、これは聞かないでおこうかな。
最後まで私のわがままに付き合ってくれてありがとう。
それから、莉紅がプレゼントしてくれたあのブレスレット。
ずっと大切にするねって言ったけど、約束守れなくてごめんね。
でも、莉紅が選んでくれたことは、ずっと忘れないよ。
莉紅。
私のことは忘れなくていいよ。
でも私のために立ち止まらないでね。これからもお祭り行って、新しい友達も作って。
好きな人ができたら、その人にちゃんと「好き」って伝えるんだよ。
私みたいに、一週間だけなんてバカみたいなこと言わないでね。
それに、私は莉紅の笑顔が大好きだから、いつまでも泣いてないで笑った顔も見せてね。
最後に、
一週間。ううん、出会ってから今まで、ありがとう。
私、すっごく幸せだったよ。
優芽
私もだよ、優芽。ありがとう。




