表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
スキル無しゴトーさんは最弱のはずです!~勇者召喚に巻き込まれたモブサラリーマンの異世界冒険記~  作者: 西の果ての ぺろ。@二作品書籍化


この作品ページにはなろうチアーズプログラム参加に伴う広告が設置されています。詳細はこちら

PR
48/48

第48話 神器の説明

「このペンの?」


 ユキタカは驚いて自分の『神器・ペン』を凝視する。


「普通の契約魔法だと、ユキの秘密を明かそうとしたら、その部分だけ言葉に変換できなくなるだけのです。ですが、ダフネ殿やセイ殿の様子を見る限り、身動きを取れなくしたり、聞いた者の記憶を一部消去する能力がそのペンにはあるようです」


「それは凄いね……」


 ユキタカはイリスの説明に、ゴクリと唾を飲み込む。


「あの……。ダフネ殿は大丈夫でしょうか?」


 聖女セイが前後の記憶が飛んで困惑しつつも、ダフネ・サンセッドが動けない状態を心配した。


「「あっ」」


 ユキタカとイリスはそこでようやく慌てた。


 どう解除すればいいのかわからないからだ。


 だが、すぐに誓約書に書かれている誓約違反の条項に気づいた。


『※口外しようとすれば誓約違反と判断し、自身の一切の処遇をゴトー氏に委ねるものとする』


「もしかして、一切の処遇を僕に委ねる事になっているから、身動きが取れなくっているんじゃない?」


「なるほど! ──という事は……、ユキが解除できるという事になるのでは?」


 イリスがユキタカの指摘に、答えを導き出した。


「そうだね。──『解除!』……でいいのかな?」


 ユキタカが自信なさげに告げると、硬直状態だったダフネは力が抜けたようにその場に倒れる。


 それをユキタカが受け止めた。


「……びっくりした。……あれを口にしようとしたら、麻痺したように動けなくなったよ……。なんて怖い契約魔法なんだ……」


 ダフネは想像を超える契約魔法の威力に、タジタジになっている。


 お陰で口にする言葉も慎重になった。


「何となく理解したわ。誓約書を守らないと今のようになるのね?」


 聖女セイは前後の記憶が無いものの、誓約書が原因だという事は、すぐに理解したようだ。


「そういう事みたいです」


 ユキタカも同意するしかない。


「でも、それが本当に《《それ》》なのかの証明にはならないよね?」


 ダフネが大きな胸を撫でおろしながらも、疑問を口にした。


 指摘の通り、口外厳禁になった事と、神器である事はイコールでない。


「それじゃあ、少し、神器の力を見せようか」


 するとユキタカは、魔法収納鞄から、コンビニの袋を取り出した。


 見慣れた袋に聖女セイは、


「ノーソンの袋???」


 と疑問符が頭の中を埋め尽くす。


 一方、ダフネは半透明のコンビニ袋を見た事がないので、不思議そうに見つめている。


 ユキタカは、そのノーソンのコンビニ袋を頭に被ってみせた。


 すると、次の瞬間、ユキタカの姿が消える。


「「え!?」」


 聖女セイとダフネは驚く。


 だがすぐに、二人は目を細めて分析を始める。


「透明化魔法? いや、あの魔法は背景に同化するだけで、触れられるはず……」


 ダフネはユキタカのいた場所を手で触る素振りを見せた。


 手は空間を素通りしてしまう。


「ならば、魔法解除で」


 聖女セイが透明化魔法対策の魔法をすぐに唱えた。


 だが、何の反応もない。


「「完璧な透明化!?」」


 聖女セイとダフネは、目を見合わせて、改めて驚くのだった。



 ユキタカはその場に立ったままだったが、二人の驚く反応を楽しんだ後、すぐに袋を頭から取り去った。


 すると、透明化していたユキタカがその場に現れた。


「凄い……、凄いけど、これは使用禁止にしてください」


 聖女セイが、疑わしい目でユキタカを見つめた。


「あっ……。──ちょ、ちょっと! 僕はこれを悪い事に使っていないからね!? 使い方がわかったのも、数日前だし!」


 ユキタカは聖女セイが何を警戒したのか、すぐに理解した。


 そう、思春期の健全な少年? なら一度は想像する、透明化して異性の着替えを覗き見するという考えを、だ。


 ラノベ好きのユキタカは、すぐにピンときて言い訳した事が、仇となった。


「すぐに気づくという事は、思いついていたんですね? やっぱり使用禁止です。誓約書を書いてください」


 聖女セイは、ジトっとした視線をユキタカに向ける。


 イリスとダフネは意味が分からず、首を傾げた。


(楽しそうな能力だから見せたのに! 見せるんじゃなかった!)


 ユキタカは後悔するのだったが、知られた以上、誓約書を書く事にした。


『コンビニ袋による透明化は、必要と思われる場面以外での、使用を一切禁ずる。なお、仲間に使用した場合は、同仲間の許可がなければ、痺れが取れない事とする』


 ユキタカは血判を押すと、コンビニ袋を魔法収納付き鞄に戻した。


「面白い能力だったのに……」


 ユキタカは残念がった。


 だが、聖女セイの軽蔑に満ちた視線を感じると、直立して首を振るのだった。



 ユキタカはその後、無限に湧いて、自分の都合に合わせて、名前や肩書が変わる名刺。


 都合よくこちらの世界の身分証に変化する免許証。


 伸縮自在のネクタイ。


 服装を自在に変化させるスーツ上下。


 体の清潔を保ち、濡れてもすぐに乾燥するワイシャツ。


 同じく水を弾き、歩き疲れる事がない革靴などを紹介した。


「なんと……。本当に能力付きの《《アレ》》なんだね……」


 ダフネが改めて驚いた様子で、ユキタカの全身の装備品を見つめた。


 他にも次元魔法収納付きリュックや魔法収納付き鞄などもあるが、それ以外の神器はまだ、丈夫な事以外、性能がよくわかっていない。


「そして、僕が一番のお気に入りなのが、これ」


 ユキタカは、『神器・傘』を魔法収納付き鞄から取り出して二人に見せた。


 ダフネは傘を知らなかったが、聖女セイは、見慣れた傘に驚きはない。


「傘という事は、雨を操るとか?」


 聖女セイは何となく予想した。


「おお! それは試した事が無かった。今度試してみるよ。──で、この傘は──」


 ユキタカは聖女セイの指摘に反応するも、一番役に立っている使用法を見せる事にした。


 それが、武器としての一面である。


 ユキタカが手加減して軽く地面に先端を突き立てると、地面が簡単に抉れた。


 鈍く大きな音が、イリス達のお腹に響く。


「きゃっ」


 聖女セイが驚いて思わず小さい悲鳴を上げた。


「こんな感じで、僕のメイン武器として使用しているよ」


 ユキタカは自慢げに『神器・傘』を見せた。


「傘が武器って子供の遊びじゃないのに……。でも、ゴトーさんの言う事が本当なのはわかったわ……」


 聖女セイは、しおらしくつぶやく。


 ここに来たのは、ユキタカを守るつもりでいたからだ。


 だが、自分の方が非力で、役に立てる存在でない事を、残念に感じたのだった。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ