FILE71:命懸けの復讐『5』
「でも・・・元々悪いのは、高本じゃないか!!」
「あの人・・・自分のやった事が分かってるの!?」
「・・・」
別室
「ったく、人騒がせなジジイだぜ。なるほどね、わざわざオレを呼び出したのは、隙を見てオレからボタンやライターを抜き取り状況証拠をでっち上げる為だった訳だ。悪いな、ボウズ共!そういう訳で、オレぁ無罪なんだよ。それじゃあな、あばよヘボ刑事共!」
高本は、去ろうとする。
「フフフフ・・・」
「アハハハ」
突然、スゥ達が笑い始めたのだ。
それに釣られて、高本も笑い出す。
「ハハハ、フハハハハ!!」
だが、次の瞬間・・・
ガシャアン!!
高本の手に、手錠が掛けられた。
「な、何だ、ボウズ。これは一体何の真似・・・」
スゥは高本に、書類を見せる。
スッ!
「高本行啓!詐欺罪で、逮捕する!!」
「な・・・ん・・・」
「あなたの事、色々と調べさせてもらいました」
「そうしたら、面白い事が分かったんだよな」
「嘉藤稔二さんの工場があった土地。ある不動産会社が随分欲しがってたそうですね?」
「アンタの借金は、全てウソやった。アンタは嘉藤さんに借金を肩代わりさせ、土地を売らせようとしたんや」
「つまりアンタは、不動産屋とグルになって、嘉藤さんの土地を騙し取ったのよ!!」
「詐欺の罪は重い!最高でも10年の実刑がつく!」
「更に今回の件の場合、相手の身内を死に追いやってますからね。さぁて、全部合わせたら何年になりますかね?」
「な、何の事だ。オレは何も知らない。デ、デタラメだ!でっち上げだ!!」
「調べはついてるんです。捜査秘密課に、誤魔化しは通用しねぇんだよ!!」
スゥの一喝に、高本は涙を流した。
「連行しろ!!」
「イヤだ、離してくれ。お願いだ、助けてくれぇ!!」
高本は泣き叫びながら、連行されていった。
プルル・・・
「警視正、お電話です!」
「もしもし?」
「アタシ!篤子と朝霧君よ!」
「こっちはちょうど、不動産屋達を逮捕したところだよ。どう、そっちは?」
「ああ、任務完了。事件は解決した!!」
「だ、そうです!」
「聞こえたかい?オマエの仇を取ってくれたよ・・・若く、頼もしい刑事さん達が・・・」
警視庁前
「フーン、ウチがおらんでも頑張ってたみたいやな・・・漸く、帰って来たで?スゥ、篤子・・・」
スゥと篤子を知る、この少女はまさか・・・!?
次回、遂に『彼女』が復活!!