文明の知恵 魔力と思念 時空警察編
野営ちてんにて黒衣衆はだんをとろうとしていた。
『だれぞ!ひだねもっとらんか!』
『火打ち石がのうてひをつけられんのじゃ』
『こまったのぅ。さきのいくさでよびごと紛失したそうじゃ』
兵士たちが生い茂る森林のすきまの空間をかこんで、しとめた猪のちぬきをしていた。
『なまでくうか?』
『そうするしかねぇべ』
深井はとめにはいった。
『やめておけ、あとで臓物が病にかかる』
肝炎のおそれがあるのでとめたのだ。
そういうと特殊部隊マニアの深井は弓のこしきのひおこしどうぐを食物の蔦と木の棒でつくってみせた。
『あの木をけずって火種を落とす火口にしてくれ』
削った木は乾燥しており火がつきやすくなるのだ。
鹿の女性のような悲鳴がこだまするしけった森林でよるをむかえようとしていた一団は深井の火おこしによって一夜を快適にすごせそうだ。
『水は汲んできたか?』
『しっかり煮沸しろ、腹を下してからだの水分が抜けたら頭の働きが鈍くなり戦闘能力も落ちる』
『たのもしいぞあんた!』
『軍曹と呼べ!ことぱづかいにはきをつけろ!』
ビシッと気を付けると、兵士はいった。
『たのもしいであります、軍曹!!』
『よろしい』
兜をなべがわりにして水をいれ血ぬきしてくさみのぬけた猪肉を山菜といっしょにグツグツと煮込む。
麻袋にいれた葉っぱで包んだ味噌を水にとく。
とけだした野生の猪の脂肪分は甘く芳醇でわいるどな肉肉しさのある弾力のある肉質の赤身ははごたえがよく、かむとほぐれながらうまみのアミノ酸とたんぱく質がくちのなかであふれかえった。
くたくたに煮込まれた山菜があぶらっこいにくによくあう。
それをまぜあわすよう飯盒を収納BOXからとりだして米を炊いてだすと炊きたての米をむさぼるようにスープにひたして皆がたべはじめた。
学食の高校生のようにたべつくすと、みなよこになって星空をながめた。
『深井軍曹と天の恵みに感謝じゃ~』
『そうともよ!!』
わいわいとにぎあう喧騒のなかウツロはひとり、ぶつぶつとつぶやきながら今後の方針を練っていた。
歴史通り行けば信長は死ぬ。
それまでささえつづけるのがおれの役目かと呟いた。
魔力とは人の思いと自然界に浮遊する負のエネルギーが融合したものを指す。
つのばやしが飛来するよりずっとむかしから眠っていたエネルギーのひとつなのだ。
不可視でだれにもふれられない物。
それが人の思いと純粋な自然界の殺意という他者を害する負のエネルギーである。
神に反逆した幸運卿がつのばやしを隕石に付着させ摂理をかえようとしたのがはじまりであった。
つのばやしは融合のきっかけであり、人の思念をゆがませ、融合のとっかかりにするために寄生させたのだ。
魔力はかさなると可視になり、質量をもつ。
自然の摂理をゆがませ爆発的なエネルギーをうむのだ。
こうして世界は変化していく。
諸行無常の響きあり。




