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第1回

この物語は、フィクションです。登場する団体や個人は、実在しません。

   また、登場する団体や個人は、実在の物と関係ありません。

この作品の著作権は、相良 凌が保有しており、このサイトの利用者に、何らの権利も与えるものでは、ありません。(要するに、読むだけにして!ということです)


  闇探偵 西園寺 美園2(1)  相良 凌      


   1 美園 謎の依頼(1)


 白亜の三階建てのビル。

 街路樹のある幹線道路に面した入り口は、開け放たれており、晴天の正午、人の出入りがそれなりにある。

 中には、施錠できる銀色の郵便受けが、壁伝いに、ひしめく様に並んでいた。

 同じように郵便受けが並んでいる、そのビルの三階に、身長165センチくらいの若い女性が居た。

 西園寺美園である。

 彼女は、私書箱屋にいた。

 彼女に、

「いつも、ご利用ありがとう御座います!」

 と、言ったのは、70歳は、超えているであろう老人で、あった。西園寺が、応じる。

「ここは、月額利用料が200円、安くて助かります」

「そう言って頂けると・・・こちらも、うれしいです」

 と、言って笑顔を見せた、老人の正体は、なんと下賜宮組の若頭である。

 下賜宮組は、大所帯ではない。

 だが、下賜宮組は、広域指定暴力団にも、水面下で一目置かれている。下賜宮組の団結力と、誠実さが、そうさせるのであろう。

 この私書箱屋も、下賜宮組の表稼業の一つだ。

 下賜宮組の組長、下賜宮辰三は、広告代理店大手、広告通信社の社長も務めた人物である事は、すでに〔特命探偵 御木本麗子 第二巻〕で、すでに述べた。

 さて、話を戻そう。

 西園寺は、自分宛の手紙が来ていないか確認しに、この私書箱屋に来た。

 自分の私書箱の鍵を開けると、中に一通の封書が入っていた。

 西園寺が、その封書を手にとって見る。

 あて先は、〔三反田ビル3F 秋本エージェンシー〕と、なっており、差出人は、〔有栖川 小夜子〕と、なっていた。

 西園寺は、私書箱の鍵を閉めると、その手紙を手に、三反田ビルを辞去した。

 ☆



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