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⑸『原付狂い』・・・終わりに
⑸『原付狂い』
・・・終わりに
㈠
原付狂いについて述べてきたが、要は、弾丸の様なスピードは出ないものの、それなりの速度で快適な原付に、狂っているという話なのである。また、安定した走りをする、自身の原付を気に入っているし、どれだけ世界が変容し、バイク離れが進んだとしても、自分は原付を手放さないだろう。
㈡
何かに狂えること、これは、人生を楽しんでいる証拠であるが、誰に命令された訳でもない、この原付狂いは、長年の狂いにより、狂気の世界で走るのだ。朝も昼も夜も、日常以上の世界を見せてくれる原付に、これからも期待し、楽しませてくれよ、と思う訳である。
㈢
終わりに、という事で始まったこの最終章も、言ってみれば、自分は原付に狂ってますよ、という事が言いたいだけなのである。しかし、その狂い度は、乗ったものしか分かるまい。子供の頃見ていた風景が、大人になって違って見えた時、自身の観念的感性は、狂った様に、メタファとして、暴走するのである。