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どこから奇譚 離労デット  作者: 西高 英哉
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愛宕望博士を非難していた奴らは一滴も反省しない

 今日は陸奥六郎がしみじみと後藤三世に話してきた。

「でもよく考えたら、後藤三世さんが今の会社に入るにあたり、完全成果主義のブラック不動産社でインターンしてたんですね。人が立場変われば、百八十度度言う事やる事変わるというのも面白いですね。まあ、自己否定しながら、気持ち良くは暮らせないでしょうから。一般の社築の方々は、職務専念義務と、時間外は爬虫類宗教、どんなマッチングか知りませんが、おめでとうございます、と言わざるを得ないですね。という事は、担当者を教えてもらうという行為も御法度なんですか。それなら、もうお手上げの領域ですね」

「惑星新橋で宮水カツオ氏がいなければ、そういう込み入った話ができたと思いますが。しかし、話は変わりますが、愛宕望博士は、本当に気の毒ですね。実験再現したら殺されるでしょうし。博士の元上司の自殺偽装で警告が出ているわけで、普通の人は殺されるとわかっていて自分の意見を通したり、証明したりしないでしょう。この一件は、惑星アステロイドで、ほとぼりが冷めたらカリメア国の博士が改めて論文を出して、世紀の大発明になるはずです。その時になっても、愛宕望博士を非難していた奴らは一滴も反省しないでしょうから、酷い世の中です。まあ、八百長、イカサマ世界の中で、うまく立ち回らないと、色んな意味で殺される良い事例ですね」と後藤三世がいつもの調子で話してきた。

「なっつリターンは、この事件のあと、マカダミアナッツがめちゃくちゃ売れているそうですから、ナッツ業者が絡んでいるかもしれません。ナッツ業者のこの言葉が気になりました。『本来マカダミアナッツは、高級品なので、銀の皿に入れて出すものです』、銀、シルバーは、奴らが嫌う貴金属です。これは何かありますね。昨日も、昔から『銀』を大量に産出する鉱山で有名な惑星島根の西部で震度五強の地震がありましたが、震源の深さがいつもながら十キロメートル。誰も立ち寄らない古い鉱山の最下層部は、ダイナマイトや核爆弾を仕掛けるのに都合が良いですからね。現アステロイド政権末期の状況から星民の目を逸らそうとするための人工地震に間違いないでしょう。」

 陸奥六郎が反論してきた。「じゃ、これはどうなんですか?『狙われたテノイアマラップ映画社、サイバーテロ、どう迎え撃つ』、『テノイアマラップ映画社は、大規模なサイバー攻撃を受け、トップシークレットを含む大量の内部情報がネット上でさらされてしまった。攻撃者とその目的は不明だが、同社が製作した映画の公開を中止するよう要求。従わない場合にはサイバー攻撃を続けると脅迫している模様』、奴らや陰謀合戦! が本当の中身ですか?」

 後藤三世が冷静にいった。「映画の宣伝にコメントする立場にありませんが、元々、くだらない内容の映画を観る価値を上げているだけのように見えますけど。もちろん、お金をドブに棄てるようなくだらない映画を見ている時間的余裕はありません。ステマじゃないですか? テノイアマラップの映画にしては、予算をかけてないし、内容も興味深くないし、何もなければ、観客動員数が足りなくて一週間で封切り中止クラスの映画に見えますが。そう見えませんか? 先程まで、ユニファウストジュニア時代に懇意にしていた社長と、差しで飲んでいました。衛星大牟田出身だそうで、惑星熊本で四次元地図を売っている友人の話をしておきました。まあ、メインデッシュは、補助金獲得に向けてアイデアを固める話と、上場企業が身売りするので購入の意思の確認でしたが」といつもながらの後藤三世。

「そうですね、客が来ないから北からの圧力サイバー攻撃のせいにして、上映時期ずらすが妥当かな。地図のPRありがとうございます。補助金獲得や上場企業身売りサポートは、職務千年義務に抵触しないんですか(笑)」と陸奥六郎。

「自分の属する会社の情報を漏らすのは禁止なんで―― 補助金支援や知り合いに有益な情報を教えるのは、自分の属する会社の情報以外でかつ、どこか別の組織に属している訳でなく、誰かに雇われている訳でもなく、報酬ももらっていない、まったく副業に当たらない単なる酒を飲みながらのバカ話ですから趣味の範囲でオーケーなのです。と言わなければならない立場です」

「これ、渋! これは、渋過ぎますね。しかも当選! ○ブチ家、爬虫類に属すかも、ですね」

「○ブチ、流石です。これぐらいは誰でもやると思いますよ」

 陸奥六郎がなだめるように話した。「今年は、後半になって、体調回復して良かったですね。ヒフ民と余り絡まなくなって、走馬灯のような一年でしたか。不動産管理会社の総務という立場で、社会の闇を見た感じですか。爬虫類の研究で、愛宕望博士に負けない位の論文発表して、奴らに撤回を求められて和えなく退職に追い込まれる感じでしょうか。命令に逆らわないということが、この惑星における生き残るための鉄則なんですかね。京の都のアビロフ製作所のように、社長の反対を押切り、会社に隠れて新方式のガス測定器を完成させることなど、現代惑星アステロイド社会では完全に御法度ですね。先日、テレビで貧困家庭の子供たちが、この悪辣政権による超格差進行に伴い、酷い虐待や待遇を強いられているのを観ましたが、それらはいつものテレビの『ウソ』なんですか? 後藤三世易学のゾンビゾーンに多少、突入してきた感じですか。そういえば、住宅ローンの十年固定の金利が過去最低の二パーセント、最も優遇受けた場合、一パーセントだそうですね。国債金利低下の連動で。これも奴らのステマですか、住宅ローン販売促進の――」

 陸奥六郎が続けて話した。「テノイアマラップの映画、即反転し、カリメア国で上映でしたね。ニュースで広告するという常套手段だったんですね。ありがちなやり口でしたね。まあ、今週末は客先訪問予定ですが、私は冬休み雪遊びと、ゴルフ練習と映画一本位の、貧乏ミクスくらいして来期の四次元地図ビジネスの案でも考えたいですね。ヒフ民は、建設機械や医療器のリース落ちなどの情報を収集したいみたいですよ。『それは、元社長の不動産ディールブローカーのマージンビジネスに近いね?』と聞いたら、『そうだ!』って答えてました。少し結論が想像出来て、冬の寒さが増した感じがしましたが。さて、来年はどんな年になるでしょう」

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