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死刑囚、中ニになる  作者: 凛1129
ナイス・ガイの一学期
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7/7

一章 6今時の文通

「よし!終わった」

「流石は天才A級暗殺者は全てにおいて完璧だ、ガッハッハッハ!」


 俺様は、勝利を確信し酔いしれていた。


 ガチャ


「ん?」

「獅子丸ちゃん、楽しそうね?ハイ、おビール」

「えっ?ああ、どうも」

「早めに寝るのよ〜それ飲んで」


 そう言い残し、部屋を出た。

 とうとうコイツの母親は、部屋にまでわざわざ届けるようになってしまった。美酒まで届けに……


五月一日(月)

【龍馬】

> ナイフは隠した。メモはこれで最後。

 この紙も燃やせ。

 芝岡について知っていることをボイスメモへ残せ。

 あのナイフは芝岡に使うつもりだろ?

 あの手の人間は刺しても終わらん。

 そして俺は澪の父親だ。

 人を殺す仕事をしていた。

 犯罪者なら何千人と見てきている。

 芝岡は俺様が始末してやる。

 お前は知っていることだけ残せ。

 それと、澪がなにをされたかは今日調べた。


五月二日(火)

【獅子丸】

> あなたは誰ですか。龍馬さんて澪のお父さん……だけどこの前。

 本当に父親なんですか。

 ネットでは、三人殺して、無職だと。

 奇数日に入れ替わる理由は?

 芝岡先生を知っているんですか。

 ナイフは返してください。

 あと、ママがビールを持ってきます。

 何故ですか。

 あと、優希さんと豪樹がやたらと話しかけてきます。どうすればいいの?


五月三日(水)

【龍馬】

> 奇数日とは考えなかったな。

 あと質問が多いぞ。入れ替わる理由は知らんし、ビールは、今日はいらないとでも言っておけ!

 優希は適当にケツでも触っておき、豪樹はバカだから気分が乗らんと言ってもふ〜んで終わるだろ? 

 ナイフは街のどこかに隠した。

 お前は澪を守ろうとした。

 そこだけは認めるし、親として感謝もしている。

 そろそろ芝岡のことを話せ。

 俺様は、待つのが嫌いなのだ。


五月四日(木)

【獅子丸】

> ガラス事件の日

 芝岡が澪へ言った言葉

 水樹が言いふらしたこと

 澪が泣いていた意味

 自分は何もできなかったこと

 そして芝岡の被害者は澪だけでは、ないってこと……

  ……だから刺そうと思いました。

 それと姉ちゃんがアイコスがないと騒いでいました。龍馬さんですか?

 


五月五日(金)

【龍馬】

> なるほど。芝岡は犯罪者だな。

 別の被害者の名前は?知っている限り答えてくれ。それと愛羅のアイコスは俺がパクった。

 バレないように、上手いこと誤魔化しておけ。


五月六日(土)

【獅子丸】

> アイコスはやっぱり龍馬さんですね。

 吸うのをやめてください。

 あと、犯罪者って……証拠なんてありません。

 でも、僕の調べた限りですけど、多分水樹さんは芝岡に脅されていると思います。

 あと、学校でなにをしてんですか。

 俺様とか……キャラ変がキモいって言われて、気分悪いんですけど。やめてもらえますか。

 あと、女の子を追っかけ回したりするのも。


五月七日(日)

【龍馬】

  証拠がない?水樹だな!

 充分だ!でかしたぞ。獅子丸。

 あとな?暗いとモテないぞ。

 明るく自信満々な男がモテるのだ。

 ナイフなんて使わなくても、必ず芝岡は俺様が倒してやる。子どもは勉強でもしてなさい。


五月八日(月)

【獅子丸】

> 水樹さん?でも、どうやって。

 まさか溝口くんのようにするんですか?

 僕じゃ勝てないですよ?大人ですし。

 

五月九日(火)

【龍馬】

 俺様の仕事は失敗したことがない。

 明後日から芝岡を狩る。十日はお前の番だ。学校では普通に過ごせ。堂々としていろ。

 聞いたぞ?お前、告白されたんだろ?

 良かったじゃねーか。ガッハッハ。

 二度言うが、十一日から決行する。

 そして明日。恐らくだが、水樹はお前にこう聞いてくる。

「私は被害ないんだよね?」

「本当に終わらせられるんだよね?」

 それに近いことをな。

 時間をかけたくないのは、お前も同じだろ?

 澪のためにも。話しかけられたら、こう言え。

「俺様に任せておけ」

 何かあれば、またここへ指示を残す。

 それと、獅子丸の身体に負担はかけちまうと思うが、若いから大丈夫だろ。

 アラームを午前一時に設定しておけ。

 じゃあな!獅子丸。


「ふぅ……」

 僕はベッドに行き、バサッと身体を倒した。

 時計は○時五十分を指している。


 僕にも、できるのかな。こんな風に。

 ちょっと変だけど……もしかしたら……って思えるような人のように。


 ◇


「ねえ」

 後ろから、女子の声が聞こえる。

 (龍馬さんのように!龍馬さんのように!)

「おお、みっ水樹か?なんだ」

 (うわ〜僕らしくねー)

「昨日の話なんだけど、ちと向こう行かない?」

 (水樹さん?なんかいつもの強いキャラじゃないぞ?)


 屋上の手前の階段にくると、水樹さんは振り返って言った。

「あっあの……件、本当、だよね?」

「あの件?」

「いや、うん。ああ、任しておけ!」

 (俺様なんてハズくて言えないよー)

「ホントだね?」

「あっ」

 (水樹さん……泣いている?)

「私、親にも相談出来なくって」

 (泣いて……あの水樹さんが……)

 手が震えている。心臓の音がうるさい……

「……」

 でも!

 僕は、震える手を止めて、水樹さんの肩をパンッと叩いた。

(龍馬さん……澪のため……)

 僕は、くるりと後ろを向き、両手を腰にあてた。

  

「ガッハッハッハ、俺様に任せておけ!」

 (やっぱ、ハズいよ〜)

 

 ◇

 五月十一日 (木) 午前一時

『テン、テレン、テン、テン♪』


 アラームを止めて、身体を起こす。

 盗撮魔に連絡をする。

「おっ、獅子丸くん、準備オッケーだよ」

「いくつ付けた?」

「二十四個だ!」

「ははっ犯罪者じゃねーか」

「アートって呼んでほしいね」

「分かった。何度も言うが、記録は残すな。連絡はライン通話だけだぞ。これは徹底しろ」

「オッケィ」


 切ったと思ったら今度は優希からすぐにかかってくる。

「優秀だ」

「おう。優希、準備は出来てるか」

「オッケーだよぉ〜。全部じゃないと思うけど、それっぽそうな人は集めておいたしー」

「オーケイ!じゃあ今日学校でな」

「りょ〜かいー!」


 あとはパイナップルか。通話を押してと。

「起きてるぞ」

「ああ、例の順番で頼む……大丈夫か?」

「なにがだ?」

「いや、お前バカだから」

「おまっ!協力者をバカ呼ばわりすんなよ」

「わかった、いざとなったらお前の足が頼りになるはずだ。あのタイプは必ずお前が必要になる」

「わかったよ!事前連絡完了〜!おやすみ」

「ああ」


 芝岡め。澪につけた傷、その身で償ってもらうぞ。

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