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あの夜を見た者たち  作者: みやび68


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2/2

2話

「⋯おはようございます⋯」


撮影現場に着くと、待機させられる。


「佐伯くん、おはよう⋯」

「っ⋯霧島さん⋯!湊さんが⋯」

「⋯知ってる。ニュース見たから⋯」

「陽向くん、凛ちゃん、おはよう⋯」

「由紀乃さん、おはようございます⋯」

「っ⋯成瀬さん⋯!湊さん⋯」


言葉を遮るように、成瀬さんが静かに頷く。


「⋯ニュース、見たわ⋯自殺だって⋯」

「っ⋯自殺なんかじゃ⋯!」

「何で、自殺じゃないって⋯言い切れるの?」

「っ⋯それは⋯昨夜、電話してたんです⋯湊さんが亡くなる直前⋯」


霧島さんが眉をひそめる。


「⋯亡くなる直前?」

「ニュースでは、23時頃に亡くなったって⋯でも、僕と23時過ぎまで⋯」

「⋯話してたの?」

「⋯陽向くんを責めるわけじゃないけれど⋯」


成瀬さんが、言葉を探すように目を伏せる。


「⋯湊くん、何か悩んでなかった?」


静かに首を横に振る。


「⋯いつも通り⋯っ⋯それに、また明日って⋯」


思わず涙がこぼれる。


「⋯そう⋯陽向くんに、心配掛けたくなかったのよ⋯」

「っ⋯でも⋯!⋯自殺する直前に⋯また明日、なんて⋯」

「⋯それは確かに、違和感あるね⋯」

「でも、警察が自殺だって言うなら⋯認めたくないけれど⋯そうなんじゃないかしら?」

「⋯まあ、警察が嘘を付くとも思えないですからね⋯」

「っ⋯でも、間違える可能性なら⋯」

「⋯陽向くん、気持ちはわかるけれど⋯」


成瀬さんが首を横に振る。

警察の発表を信じろ、ということらしい⋯

納得がいかないまま、渋々言葉を飲み込んだ。


しばらくすると、スタッフに自宅待機を言い渡される。

主演が亡くなったことで、今後どうするか時間を掛けて協議をするらしい。


モヤモヤした気持ちを抱えたまま、自宅へと戻った。

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