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1話
『速報です。俳優の朝比奈湊さんが、自宅で死亡していた事が確認されました。警察は現場の状況などから、自殺とみて捜査を⋯』
不意にテレビから聞こえたニュースに、出掛ける準備をしていた手が止まる。
「っ⋯湊さんが⋯自殺⋯?」
画面に視線を向けると、昨夜23時頃の文字が目に入る。
「っ⋯そんなわけ⋯」
頭を横に振って、目を擦る。
素早く別のチャンネルに切り替えた。
どのチャンネルでも、ネットでも⋯
朝比奈湊の死亡推定時刻は、昨夜23時頃。
スマホの着信履歴を確認する。
間違いなく、昨夜23時過ぎまで通話をしている。
「⋯電話を切った後⋯すぐに自殺した⋯?」
そんなわけがない。
昨夜の通話に、そんな素振りは微塵もなかった。
『また明日な、おやすみ』
その声は、いつもの明るくて優しい声色だった。
「⋯自殺じゃ⋯ない⋯」
誰も居ない空間に、自分の声だけが虚しく響いた。




