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あの夜を見た者たち  作者: みやび68


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1話

『速報です。俳優の朝比奈湊さんが、自宅で死亡していた事が確認されました。警察は現場の状況などから、自殺とみて捜査を⋯』


不意にテレビから聞こえたニュースに、出掛ける準備をしていた手が止まる。


「っ⋯湊さんが⋯自殺⋯?」


画面に視線を向けると、昨夜23時頃の文字が目に入る。


「っ⋯そんなわけ⋯」


頭を横に振って、目を擦る。

素早く別のチャンネルに切り替えた。


どのチャンネルでも、ネットでも⋯

朝比奈湊の死亡推定時刻は、昨夜23時頃。


スマホの着信履歴を確認する。

間違いなく、昨夜23時過ぎまで通話をしている。


「⋯電話を切った後⋯すぐに自殺した⋯?」


そんなわけがない。

昨夜の通話に、そんな素振りは微塵もなかった。


『また明日な、おやすみ』


その声は、いつもの明るくて優しい声色だった。


「⋯自殺じゃ⋯ない⋯」


誰も居ない空間に、自分の声だけが虚しく響いた。

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