表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
「鷹志とサン・ジェルマン」(セーラー服と雪女 第13巻)  作者: サナダムシオ


この作品ページにはなろうチアーズプログラム参加に伴う広告が設置されています。詳細はこちら

PR
13/13

⑬ ワークシステム

「それでは、そろそろキミの部屋も紹介しておこうかな。」

「⋯…ああ、ハイ。」

 鷹志はやっとのことで返事をして、サン・ジェルマンについて行く。

 そんな二人に、由理子が後ろから元気に手を振る。

「じゃあ、またね〜鷹志君!」


 ついさっきまで、あんな話題を喋っていたのが、ウソのような天真爛漫さを演じる由理子が、鷹志には信じられなかった。


 鷹志がサン・ジェルマンと一緒にエレベーターに乗ると、やはりそれは下降した。

 目的のフロアに到着して、開いた扉から出ると、そこは最初に鷹志が居た部屋のある、あの廊下だった。

 そして彼は、処置室を少し通り過ぎた場所にある部屋に、案内された。


「この部屋を自由に使って下さい。」

 そうサン・ジェルマンに言われた部屋に、彼は入ってみる。そこはバス、トイレ付きで、大学で見慣れた実験器具が、これまた実験用の黒い机の上に、いくつか用意されていた。しかも、傍らには冷蔵庫にカウンターバー、ソファーベッドまでもが置かれていた。

 それはまるで、品質の良い高級ホテルの一室のようだった。


「先程、グレン・ミラー少佐にも言ったように、貴方にも、研究のために足りないモノは、何でも、いくらでも、補充します。遠慮無く、いつでも申し出て下さい。」


 そう言われた鷹志も、グレン・ミラーと同じことを、サン・ジェルマンに尋ねた。

「それで⋯…貴方のメリットは何なのですか?」


「若い才能を育むためになら、私のメリットなど度外視ですよ…⋯と、カッコつけたいところですが⋯。」

「⋯…ですが?」

「⋯…正直に言うと、何か研究の成果があれば、私にも少々分けて頂きたいなと⋯…。」

 そんな控え目な言い方をするサン・ジェルマンは、やはり憎めない男だった。


「了解しました。いいでしょう⋯…いや、むしろありがとうございます。」

「こちらこそ。そしてこれで三度目ですが、改めて交通事故の件は、謝罪します。」

「⋯…ああ、もういいですよ。それは。」

 鷹志は思わずそう言ってしまった。

 やはり自分は彼の術中にハマっているな、という自覚ももちろんあったのだが⋯…。


 そして鷹志は、今は春休みだからここに何度も顔を出せるが、4月からは大学院に戻るので、主に月、水、金曜日の勤務になるが、それで良いのかと確認し、サンジェルマンから了承を得た。


 ここまでが、鷹志とサン・ジェルマンとの出合い…⋯言うなれば馴れ初めの話だ。

 彼はその後、サン・ジェルマンに拘束されることも無く、無事に大学院に戻り、時々名護屋テレビ塔の亜空間に顔を出すようになったのだった。


 ⋯…もちろん、たまには土日にもそこに立ち寄り、由理子との仲も育んで行くのだが⋯…それはまた、別の話なのである。



挿絵(By みてみん)


……以下、第14巻に続く。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ