63.好き
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『ゲーム内の婚約破棄された令嬢に声が届くので、浮気王子を毎日断罪することにした』
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本作『聖女さん追放』を楽しんでいただける読者の方におすすめです!!
ぜひ第1話だけでも読んでみてください!!
「さぁさぁ、今日はお礼だから~。どんどんどーんと食べてね~」
「当たり前のことをしただけですので、大げさですよ」
「じゃあね~、当たり前のように私の命を助けてくれてありがとう~。命の恩人の神聖聖女様、元魔王様に元エルフのお姫様。どうぞ召し上がってください、うふふ~♪」
「うむうむ! これはうまいのじゃ! ほれ、ピオピオもこう申しておるのじゃし、馳走になろうではないか。まじでうまいの!!」
「本当ですね! お肉たっぷりでボリュームがありますけど、さすが薬師なだけあって、薬膳っぽさもあって、しつこさがありません。幾らでも食べられそうですよ」
「あらあら。まぁ、でもお腹がすきましたね。私も頂こうかしら」
「そうして、そうして~。そうしてくれると私も嬉しいわ~♪」
ピオピオさんは嬉しそうに微笑む。
薬師なだけあって、人を癒したり、喜ばしたりすることが好きなのかもしれない。
「ねえ、ところで聞きたいんだけど、いいかしら~?」
「なんですか?」
私はスープを飲みながら言った。
「セラちゃんは~、種族が違ってもお付き合いってうまくいくと思う~?」
「……はい?」
よく分からない質問なので、思わず声が出た。
あれ?
気づくと、ピオピオさんはいつの間にか私の隣に来て、手を握っていた。花の魔族アルラウネさんからは良い匂いがする。
「私って結構包容力っていうのかなぁ。そういうのがあるらしいのよね~。結構尽くすタイプなんだけど、どうかな~」
「どうというのはつまり……」
私は言うのを躊躇するが、
「セラちゃん、気も合うし、人間なのに魔族を差別しないし、怖がらないし、癒し中毒者だから趣味も一緒だから、きっと上手く行くと思うのよね~。どうかしら~。お姉さんと付き合ってみない~?」
まぁ、そういうことですよね。
私はいつの間にか、彼女に抱きすくめられているような状態になっていた。
ピオピオさんは何気ない調子で話しているように思えたが、顔を見ると、真っ赤だった。
どうやら本気の告白のようだ。
ちょっと照れて来た。
真剣に思考してしまう。そもそもアルラウネの付き合うというのはどういう意味なんだろう?
私と一途に愛し合おうというパターンなのだろうか。
それとも、他の女性あるいは男性もいるような感じなのだろうか?
「ど、どうして私なんですか?」
「命を救ってもらったから一目惚れしちゃったの~」
「救ったのは私ではなくて……」
「駆けつけてきてくれた姿かっこよかったわ~。今でもドキドキしてるんだから~。ちょっと触ってみる~」
どこを触ると分かるのだろうか?
人間と同じ位置に心臓があるのかな?
抱きしめられているせいで、私もちょっと照れてしまっていて、思考がまとまらない。
と、その時だ。
「ちょちょちょ、ちょっと待つのじゃ! これは儂のじゃ!!!」
何を思ったのか、リリちゃんが小さな体で、私をピオピオさんから引きはがして、抱きしめて来た。やっぱり顔が真っ赤だった。
「ど、どどどど、どうなのじゃ!?」
「な、何が!?」
突然言われても分からないので、思わず聞き返した。
すると、
「ま、待って下さい。皆さん落ち着いて下さい! 師匠は私の師匠です。だからこれが正解です!!」
なぜか次はミューズさんが私を抱き寄せて来た。
「ううー、師匠~」
恥ずかしいのか涙目で赤面している。
「恥ずかしいならしなければ良いのに……」
と言いつつ、私も照れる。
ミューズさんもやっぱりエルフのお姫様というだけあって、まったくもって奇麗な女性なのだ。近くで見るとドキドキとしてしまう。
「えーっと。そのですね、私の心臓がもちそうにありませんので、とりあえず皆さん落ち着いて下さい」
私の言葉に、ミューズさんが素直に手を放してくれた。
「うーん、二人きりの時にするべきだったわね~。気持ちが先走っちゃったわ~」
「そなたな、順番を守れ順番を。儂が一番なんじゃ。これはもう決定事項じゃからして」
「私は認めてませんよ! し、師匠は私だけの師匠なんですから!!」
「ほ、ほらほら。料理が冷めちゃいますから」
そう言って無理やりこの話題を打ち切ることにした。
やっぱり抱き着かれると、さすがの私も照れてしまうのだなぁと、ぼんやりとした頭で思うのであった。
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