第2回
SmileyAzazel&九条 蓮十朗 の二人がお送りする、テーマとジャンルを決めて一ヶ月で完結を目指すリレー小説。
【ジャンル】恋愛【テーマ】四季
初回は2話まとめて投稿させていただきます。
今回は【SmileyAzazel】がお送りします。
「ふふふ…、どうだ!すごいだろ!」
そう言って夏丘は当選通知メールをどうだとばかりに見せつけてきた。
一休みしようと思っていた矢先に、暑苦しいひとつひとつの言動。
僕の苛立ちはピークに達しようとしていた。
「で…、僕何も聞いてないんだけど…?」
満面の笑みの夏丘を無視して話を進める。
「なんだよぅ、ちょっとぐらい反応してくれもいいじゃんかよぅ…」
いじけ始める夏丘。こうなってしまうとこちらが譲るまで話がすすまない。
「いいよいいよ…、どうせ俺なんて超絶ツイてる運くらいしか取り柄がないんだ…」
さらっと入っている自慢のような言葉が気になるが、話を進めることにする。
「さっき電話で打ち合わせしようみたいなことが聞こえたんだけど」
「それだよ!秋垣クン!」
ズビシッ!と音がしそうな勢いでこちらに指をさす。
よし、帰ろう。席を立つ。
「わかった!ごめん!ごめん!説明するから!」
レジに向かおうとする僕に夏丘がものすごい勢いですがりついてくる。
「えー、コホン、それでは」
仰々しい身振りをつけて、やっと夏丘が話を始める。
「我々四季オリオリは!C36に挑むにあたって恋愛シュミレーションを制作したいと思います!」
片手を高らかに掲げ、店内に響き渡る声で叫ぶ。
何事かと店内にいた数人の客がこちらを振り向く。
「ちょ、ちょっと夏丘!声が大きいって!」
慌てて、立ち上がった夏丘を止める。
「おう、すまんすまん、興奮がよみがえってきちまって」
そういって、席に座り直す夏丘。
「それで秋垣には、ゲームで使用する素材を集めて貰いたいんだ」
真面目そうな顔で僕に告げる。
「ええ?どうして僕なの?」
なんだか面倒なことに巻き込まれそうだ…。
「ほら!秋垣言ってたじゃないか!最近写真を撮るのが趣味だって!」
確かに僕はこの間、休み時間に夏丘に最近カメラを始めたことを話したばっかりだった。
しまった、余計な事を言ってしまった。
あんなことを言ってしまったばかりに僕の素敵な休日ライフが…。
「な!頼むよ秋垣!お礼はするから!この通り!お願い!」
夏丘が手を合わせこちらに頭を下げる。
「うーん、急に言われ…」
僕が、喋ろうとしていた時。
カランカラン、と音をたて店の入り口に取り付けられたベルが鳴ったかと思うと
「あれ?この店で待ち合わせのはずなんだけど…。」
賑やかな女の子が現れ、僕の意識がふとそちらに向く。
「あ!いたいた!おーい!」
こちらに向かって手を振る女の子。
その視線はどうやら夏丘を捉えているようだ。
「お!きたきた!」
女の子に向かって手を振り返す夏丘。
「参ったわよ、この辺り入り組んだ道だったから迷っちゃったわ」
こちらに向かって女の子が歩いてくる。
「あ!この人がこの間話していた人?」
僕達の机の前に立つと、キラキラとした目を僕に向けてくる。
「そうそう、な!秋垣!」
なにが、な!なのかわからない。
「はじめまして!あたし深山 春よ!よろしくね!」
キラキラとした目をこちらに向けたまま、手を差し出してくる。
印象的なポニーテールが動く。
「は、はぁ…。よろしく」
差し出された手に握手でこたえる。
ふふ、と満足気に笑うと手を離し、今度は後ろに手をさしのべる。
「で、この子が」
賑やかな深山さんに気圧されて気づかなかったが、連れ立ってもう一人女の子が来ていたようだ。
深山さんが、もう一人の女の子を前に立たせる。
「は、はじ、はじめましてっ」
「わ、わたし、遠野 冬花って言います」
長い髪を揺らし女の子が深々とおじぎをする。
「よろしくおねがいします」
きっと人見知りをする性格なのだろう、遠野さんの顔は真っ赤になっていた。
「あ、うん。僕、秋垣 俊って言うんだ。よろしくね」
僕自身も、どちらかというと人見知りをする性格なので親近感を覚える。
「こっち座ってよ」
僕は夏丘のとなりに移動し、二人に席を譲る。
「ありがとう」
「ありがとうございます」
二人同時にお礼をつげ、僕達の対面に座る。
「よっし!これで全員そろった!」
夏丘がやっとサークル活動について説明を始める。




