0話 ANKH・0‐傀儡師の帰還 ・ 円卓の領主たちと天空の城
州都 郊外 北東
明方
東の山の向こうに光が見え始めた。
魔女領からANKH領に向かう。
ANKHとwitchery両勢力によって霧は晴らされている。
障害は殆どない。
懐かしい街並みを眺めながらジョギングするように走っていた。
実際の速度は40キロほど出ている。
途中、川辺で
イーヴィーの作品らしき魔導ボートが繋がれているのを見た。
あのゴルフ場では雨が降っていなかったが
途中で水たまりがチラホラと道に見えた。
違和感を感じたのは一つの水たまりが真っ黒だったこと、
そしてまるで湧き出ているように大きくなっているのに気づいた時だった。
「何かがおかしい、何が起きている?」
……
足を速めてANKH領へと向かう。
10分以内には着くはず。Witchery領から
ANKH領に足を踏み入れると、どんどん
水が地面から溢れてきていた。
洪水? 兎に角この黒い水触れてはいけないような気がした。
何故か、ANKH領の方がこの洪水が酷い。
もう自分の足元まで黒い水が来ていた。
建物の壁に霊気を変質させ、接着する霊気を使いながら
張り付く。
何処からか、真っ黒に濡れたネズミが大量に湧き出してきた。
それらはあの災厄の形ではなかった。
ネズミ型エイリアンと、魔獣がこの黒い水から逃げだそうとしていた。
溺れていくネズミたちは、蒸発するように霊気が抜けていき
次第に動かなくなり
黒い水に飲まれていった。
街中の生き物が逃げようとしている。
電線に停まっていた鳥の魔獣を傀儡化しておく。
雨が降り始めた。
幸い黒い雨ではなかったが。
霊糸で水に触れてみると、霊糸の触れた部分が数秒で溶けた。
逃げようと溢れかえるネズミが暴れ、黒い水飛沫がかかる。
かかった場所の霊気が抜けていく。
黒い雨や災厄と性質は似ている、が。
ただし、より濃密でかつ地面の移動を制限してくる。
ダメだ、どんどんひどくなっている。
ルネーたちもankhの配下たちも大丈夫なのか?
このままでは今いる街の道が全て川になってしまう。
急いで引き返し、さっきのボートを貰いに行く。
屋上を飛び移りながら、魔女領へと向かう。
魔女領に入るとankh領よりは明らかにマシな状態。
ANKH領付近だけ、局所的なものなのだろうか。
取りあえず
witcheryは大丈夫だろう。
大雨が降り始め、ボートが繋がれている川の水位は上がっていた。
心の中でイーヴィーに謝りつつ
ボートをハンカチに仕舞う。株を貰っているからなのか
霊的な抵抗はあまり感じられなかった。
仕舞った船を道路に出して確認していくと
動かし方は、思念でアシストできるのが分かった。
先ほど傀儡化した鳥に
後払いで何か払うことと、状況のイメージの思念を持たせてゴルフ場へ飛ばす。
魔導装甲ボート===
屋根付き
定員 6-8名まで
対災厄
時価
====
魔導装甲ボートは黒い水に対してかなり耐性があった。
これを操作しながら街中を進んでいく。
ボートには屋根があり、オープンカーのように
屋根を仕舞うことも出来た。
洪水の濁流がひどすぎるルートを避けていくと、
魔女領からも、ANKH領からも遠ざかっていってしまう。
どこの領土でもないエリアに出た。
霧がうっすらと漂っている。
慎重に進んでいくと、建物の間から
見たこともないような化け物が遠くに見えた。
「何だ、アレは?」
それは遠目からでもハッキリと見えた。
空飛ぶ巨人のゾンビであった。
15mはあるだろうか。
空を飛んでいる、6枚の黒い翼をもち
身体は半ば腐っていた。
何か死物と霊的なつながりを持っているようだった。
空飛ぶ巨人のゾンビ? 死物を指揮している?
霧が濃くなって、それ以上は見えなかった。
あれには見つからないようにしよう。
途中
霧の中の黒いものが、死物の体に入っていくのを見た。
死物が突如として動きが良くなり、陸地に這い上がり
今までの比ではない速度で襲い掛かって来た。
霊気崩壊の槍で突き殺す。
「次から次へとわけのわからん化け物たちが現れる…
世界はもう化け物達の楽園だ…」
ANKH領に入ると、黒い川から墨を被ったような死物達が
陸地に這い上がろうともがいていた。
またあの中に何かが入っている死物じゃないだろうな…
あんなのずっと相手にしてられない。
ただでさえ死物の相手するときは霊気を消費するのがうっとおしい…
鳥の死物が川から舞い上がる。
ボートを攻撃しそうな気配を感じて迎え撃つ。
燕のように速い。
捉えずらい軌道を空で描きながら翼で打とうとしてくる。
背後から突っ込んできた鳥死物を斧槍で打ち払う。
死物特有の妙な固い手ごたえは同じだったが。
今まで見て来た死物よりも明らかに素早く、単純に強い。
死物を迎撃しながら、進んでいると懐かしい気配。
ずっと向こうにクモの巣と子蜘蛛たちが見えた!
あっちも気づいている。
―お-い!
大声を出して手を振る
あちらも飛び跳ねていた。
ANKHの鳥獣部隊が空から
死物達を攻撃し始めた。
@@
ANKH領に入って少し進んでいくと
見えてきた。懐かしい街並み。
帰還。
漸く帰って来た。
ankHゼロ、ホーム。
子蜘蛛や、鳥獣部隊と合流し
ショッピングモール方面へと向かう。
領内の中心地へと向かうと黒い水の色が、普通の水の色になり始めていた。
街は所々水没していたり、黒い水の箇所もあるが概ね問題ない。
さっきよりは全然マシだ。
といってもANKH領の大部分は水深2mくらいの
水路だらけの街になっていた。
ボートに子蜘蛛を一匹乗せ、
迎えに来たようにやってきた連絡役の白いカラスも同行させる。
他の仲間達にはもう思念で帰還を伝えてくれたみたいだった。
領内にも少し魔物がいたが、無視できる範囲。
懐かしいショッピングモールに着到着。
頼もしい仲間たちが勢ぞろいで迎えてくれた。
思念の扱いが最も長けている
白いカラスの魔獣を呼び寄せて情報交換してゆく。
白カラスが恭しく礼をして思念をよこしてきた。
今更だが名づけをしておこう。
ハクの配下のカラス。
カハクでいいか。
カハクのくれた映像。
魔女からだ。
州都付近だろうか。戦闘の記録映像?
ルネーが杖を持ってどんどん
死物を倒していく。かなり速いペースだ。
数百の死物が襲い掛かる中
まるで燕が舞っているような速度でステップを踏んで
杖の先端を死物の頭部や心臓付近にトン、と当てていく。
立ち回りが熟達している。
こんなの真似できるだろうか。
いや、それ以上に気になることがあった。
霊気を殆ど使っていなそうなことだった。
また映像が切り替わる。
死物の頭部や心臓の辺りに、小指の爪ほどの大きさの結晶…
それをルネーの杖が必要最小限の霊気を当てて砕いているのが
伝わって来た。
これは…
死物の倒し方?
これは、この結晶が
死物のコアか。
これを効率よく破壊する
立ち回りが出来るようにしとけってことか…
ありがとう、ルネー。
気付いていなかった。
身体も限界を迎えてきている。
まだ知っただけだが、まるで命拾いしたかのように安堵した。
幸いだったのはANKH領内ではこの呪いは
少なくともマザーなど幹部たちには効果が薄かったこと。
それでも、たまに存在を忘れられそうになったが。
概ね、普段通りに過ごせたのは精神的に救われた。
アムスに呪いも見てもらいたいが、
ここで休憩したい。
しばらく療養しよう。
マザーや、ハク達も宴の準備をしてくれていることだし。
=====
天空の城
続々と人が広間に集まっては椅子に腰を降ろしていく。
皆一様に口数が少なく、同じ空間内にいるはずなのにも関わらず
それぞれの身体が暗く、所々影が濃く見える。
まるで本当はそれぞれが違う場所にいて、ここにいるように映っている
かのようだった。
廊下には矢間のような空間が開いており
窓もないのに何故か風は緩やかにしか入ってこない。
視界を遮るほどではないが
霧のような雲が建物内の足元のそこかしこに立ち込めていた。
広間に最初について腰を降ろしたのは
濁った眼の無表情の中年の男。
ふてぶてしい髭に健康状態がよろしくなさそうな
顔色だった。本人自身も日ごろの不摂生からなのか、精神的なものなのか
分かっていないようだったが。
円卓の周りを少し回りそのうちの一つの椅子が自身の物だと理解したように座った。
一枚のカードが円卓の上に浮かぶ
塔の横に悪魔が描かれているカードだった。
男が最初二つ受け取ったカードは
いつの間にか良くなじんだかのように一枚になっていたことに
気付いたのはごくごく最近だった。
===
悪魔・塔
勢力 悪魔党
大悪党
ゼフ・アドリエル
===
チラホラとここに座ることを許されているメンツが現れては着席していく。
皆それぞれが一様に独特なオーラを持っていた。
見た目のユニークさで言えば群を抜いていたのは
雌雄が一体となったような化け物。
もしユニークさを競うコンテストだったなら
優勝間違いなくこの化け物であった。
2人と呼べばいいか、それとも一体と呼ぶべきか
形容しがたい身体は椅子に座るのに苦労しそうだったが、
女の方が器用にくっついた体を移動し新たな体勢となり、腰を降ろした。
男は今は眠っているようだった。
===
「恋人・節制」
勢力 Sacred species 聖なる種
ミュータント・オリジン
エリー・メイ / カドゥケウス・アンダーソン
===
その横に席を二つ空けて2人組が座る。
一人は煙を身にまとっている男。
煙が薄くなっている箇所から
ガスマスクのようなものを被っていることが伺えた。
もう一方は外套を纏い骸骨の面をした者。
煙に包まれている方は興味ありげに
雌雄一体の異形を見ていた。
対照的に面をした者はまるで興味を示していなかった。
===
「教皇・吊られた男」
勢力 新世界 new world
死神
グラハム・リーパー
スチーム・パンク
ガストン・エマーソン
===
他にも
モジャモジャ頭に無精ひげ、欠伸をしていて
今にも眠り込んでしまいそうな男。
隣に難しい顔をしたいかにも真面目そうな男。
警戒心を隠さずに周りの連中を一瞥する。
「正義・運命の輪」
勢力 自由騎士団
ヒーロー
ルーベン・ナイトレイ
竜騎士
ドレイク・スティングレイ
困り顔の褐色肌の男。。
その横に背筋の通った長身の老人。
その後ろからツインテールのセクシーな
一見メイド服のようにも見えるドレスを着こなしている美熟女。
「魔術師・教皇」
勢力 賢人連盟 ― ワイズマン
星見 マイケル・モス
賢者 ダンカン・ダンヒル
魔法淑女 ヴィヴィアン・ケイト・ダンヒル
そして
「太陽・女帝」
勢力 Witchery
女帝魔女 ルネー・リプリー
ANKH/0
幹部
マザー 大蜘蛛型傀儡生物
種 E・S・S (EMPRESS SPACE SPIDER) 宇宙女帝蜘蛛
型 司令官
技 「SAS」「スカイネット」
形態変化 蜘蛛・戦車・UFO
・光学迷彩 ・夜行 ・溶解糸 ・鋼糸 ・粘着糸
口筒 ・散弾 ・粘着榴弾 ・徹甲弾 ・霊子砲
尾銃 ・機関砲
・生産= ・子蜘蛛 ・属性卵 ・母蜘蛛 ・宇宙蜘蛛
モーゼス ヘラジカ型 大型特殊傀儡生物
型 ヒーラー
技・マナドレイン2・0 ・超ヒール
・タフネス ・死の後ろ蹴り・ホーリーブレス
ハク 狼型 魔獣
型 団長
技 ・連合形成 ・リーダー ・瞬発強化2・0
・雷撃 ・サンダー ・夢の共演ードリームワーク(他種族との連携+)
師団長技能
「Wolfpacks」(配下の速度、回避、反応UP)「忠犬部隊」 (師団が士気を維持)
「電撃戦」 (領土浸透スピードUP)
「狼の狩り方」(包囲時 消耗しずらい)
・インフェクシャス 大型樹人エイリアン
伝染する大樹人
技
・伝染胞子 ・新種創造(植物) ・植林
・感染者苗木化 ・感染抑止の花粉 ・日光浴




