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Sランク

眼鏡を何故かけていたのか、何故あの婚約破棄の日と今日はかけていないのか。理由を聞いた。


曰く、見え過ぎる。という答え。あまりにも簡単過ぎる答えだったから更に教えて欲しいと〝お願い〟をすると、本当に嬉しそうに答えた。


「アリアからそんなに求められると考えてなかった。」


ナチュラルに呼び捨てが安定したが不思議と嫌でなかったからそのままに。

それより改めて答えられたものは私が思っていたより過酷なものであった。


紅い瞳で見えているのは相手のレベルやスキル。称号さえはっきりと見えているとの事。集中すると過去を覗くこともでき、時には予知さえ出来ると。

そんな神がかりな瞳を持ちながらCランクで抑えていたのは自分の素性が表に出ないようにと楽だから、と。


アリアは頭が痛くなった。もしも自分がそんな瞳を持っていたら毎日頭痛に悩まされた人生だったろうと。

それと自分の満足のために彼へ親切の押し売りをしていたことに気づいたからだ。眼鏡で見えづらくしていても、何も困ってなどいなかったのだ。


「私が目障りだから今回の騒動に巻き込んだんですか…?」


「……本当に求愛が通じないんだね。」


がっかり、と。肩を落とすシルヴィア。

しかし彼はまたニコニコと笑う。

今回の依頼は最果ての洞窟というSランクがモンスターの討伐に駆り出されるような危険なダンジョンだ。

彼は私をSランクにさせるために今までにいくつもプレゼントしてきた事、度胸をつけさせるための依頼をさせてきたと説明をしてきた。

確かにBランクにしては難しい任務をしてきた、と思い出す。そんな時、私の相棒である魔法銃が大活躍した。弱点属性を突けば苦労はしたがミッションコンプリートしてきた。受付嬢ティアラさんにも討伐に採取に以前より格段にスピードが上がったことで驚かれた。



「今日2人で最果ての洞窟、頑張ろうね。」


シルヴィアはアリアの両手を握りにっこり笑った。

彼は確固たる自信を持ってミッションを用意したのだ。

ひぃっと少し引き笑いをしてアリアも観念し、ミッションに向けて準備をした。いつもより多く弾をポーチに詰め込み、教会へ足を運んで一時的な祝福を受ける。


「僕の方が祝福上手いと思うけど。」


ほんのり妬いている彼に、力みすぎた肩の力を抜き程良い緊張感になる。


彼は私の感情を動かす天才だ。







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