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最果ての洞窟


洞窟の中はひんやりとした湿気を帯びた空気で充満している。禍々しい雰囲気に冷や汗をかいた。

自分の能力を過信してはいないアリアは心の中で恐怖と戦っていた。まだまだ序盤にして巨大なオークが四体も現れたのだ。


愛銃をかまえてパン!パン!と連続で撃ち込む。オークの頭を狙った。照準は正しく炎と雷が混ざった魔法がオークを襲う。

瞬間、シルヴィアの魔法も展開された。


「スプラッシュ!」


彼が唱えれば巨大なモンスターも一網打尽。

果たして護衛はどちらなのか。


「ありがとうございます。」


「緊張しすぎだよ。」


シルヴィアはアリアの頬を撫でてリュートを呼んだ。

彼女の肩に居るよう命じる。何でも、契約者ではなくとも側に居るだけでも魔力が増大する加護を得られるそうだ。

キューンと鳴く小さなリヴァイアサン。可愛いく頼もしいリュートによろしくお願いします、と頭を下げる。


「ははっ、リュートはアリアを気に入ってくれたようだ。」


彼女が相棒に認められたことを喜んではぎゅうっと、革の手袋をつけ直した。彼は専ら魔法を使うが肉弾戦も得意なようだ。

他にも剣術や槍術そして体術。細い体に似合わない戦闘能力に長けていた。

貴族らしい佇まいも相まって歴戦の戦士のよう。


「僕も久しぶりに張り切ってみようかな。」


屈伸運動を一つして脚の筋肉をほぐしながら呟きアリアに優しく微笑んだ。

その笑みが残像に変わるとアリアの背後に突如現れた蝙蝠型のモンスターを殴り飛ばす。

どしゃっと岩も砕ける勢いでモンスターが吹っ飛んで行った。


「えぇっ!…ありがとうございます…」


殺気に気づかずシルヴィアの拳に助けられたアリアはヘタリと座り込んだ。これまで、護衛で危なかったこともあったがここまでモンスターだらけだと四方八方に気を配る必要があった。自分にはやはりこのダンジョンは早過ぎたのだと諦め半分で尻込みをした。


「大丈夫最後まで行ける。いや、行かなくてはならないんだよ。」


座り込んだアリアの手を引いて立たせてやる。

俯いたままの彼女の顔を上げさせ、今回の本当の目的を伝える。


「最深部に居るはずのフェニックスと契約をする。」


何て無茶なことを言うのだ。驚きに目を見開くと同時に彼は付け加えて言った。〝君が〟と。










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