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告白。


体力、精神力、の減少で何度もシルヴィアに手を引いてもらう場面が多くなりながらアリアは奥へ向かう。もう戻れない。フェニックスとの契約の為。

もう少しで最深部、というところで小休止。


「アリアはよく頑張ってるよ。」


優しく微笑みながら好きでしょ?と、持ってきたという焼き菓子を振る舞ってくれた。

さくり、固くなく柔らかすぎることもない絶妙な匙加減な焼き菓子。ほんのりと甘さが疲れに効く。

美味しいです。と、アリアにも笑顔が溢れた。


この短い休憩で聞くものでもないか、迷いながらアリアはずっと気になっていたことを質問する。


「…何で普通な私を選んでくれたんですか?」


聞きながら、少しの無言に今は不味かったか、と不安に駆られる。

私には滅多に見せない眉間の皺。考え、慎重に言葉を選んで話そうとしてくれているのがわかった。


「何を普通と言うんだろうね。僕にとってアリアは素敵な女性で、努力家で、親切な人。」


そして、かけがえの無いない大切な女性。と、言った。


貰ったペンダントがゆらゆらとデコルテをくすぐる。


「…それって、告白…と、受け取ってしまいます。」


揺れるペンダントを左手でゆるく握り赤面するアリア。

シルヴィアは苦笑い、アリアの右手を両手で握り言う。


「…最初からアピールを何度もしていたよ。」


「勘違いだと、思って…。」



ようやく、二人は目を合わせて会話をする。

アリアも素直にずっと憧れていたこと、二人でのミッションが楽しかったこと、優しいシルヴィアに好意を寄せていることを告白した。

うん、うん、と言葉を噛み締めるようにアリアの緊張で上ずった声に相槌をうつ。


「愛してるよ、アリア。」


左手の薬指に、キスを落とす。


「わ、私も…」


キスに驚きながら幸せを感じるアリア。

チートやスキルが無くたって良いじゃないか、こんな想い人に大切にしてもらえて十分幸せだ、と。


「契約が終わったら婚姻の儀があるからね。」


紅い瞳がまた優しく細められる。

もっと早く告白しておけば良かったと思うアリアだった。

ただ気掛かりなのは身分差だ。

彼は婚約者がいた貴族で、私は街の武器屋の娘。どう足掻いても埋まらない身分。

それを心配していることをこぼすと、だからSランクになる必要があるのだと彼は言った。

冒険者Sランクは貴族の護衛が多い。その為か、貴族の女性が護衛に惚れ込んで婚姻を結ぶこともあった。

そういったパターンを狙い、周りからどうのこうの言われたくないシルヴィアはどうしてもアリアをSランクにしたがったのだ。

簡単ではないのは承知で賭けに出る、という事だ。


「そろそろ最深部へ行こうか。」


少し長めの銀髪を一つ縛り、シルヴィアはアリアの肩に居たリュートに声をかけ、自身の肩に乗るよう指示をした。


「はい、信じてますよシヴァさん。」


「あぁ、僕も信じてる。」


二人は固く握手を交わして最深部へ足を踏み出した。










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