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 婚約を発表するカップルは少し早めの集合時間に別フロアの部屋に集まる。

 そこで、司会者と簡単な打ち合わせがあった


 二人が入室した際、二組のカップルが座っていた。空いている席は二つ。今日の発表は三組らしい。

 簡単に自己紹介した後、パーティーの流れの説明があった。開始一時間後に発表紹介するのでその直前に司会者のところまで行けば良いらしい。現在座った席順で発表するらしく心優達は一番最後の紹介になった。

 紹介内容の確認をして、お互い発表までは口外しない約束をして解散となった。


 パーティー開始までまだ時間があったので、そのまま三組で雑談をしながら時間を潰すことにした。

 女の子達は同級生なので当然顔見知りだが、男達はお互い初対面。名刺交換をしながらなごやかに過ごした。


 心優達が会場に入ったのは開始時間ぎりぎり、すでに受付を済ませて入口前で待っていた両親と合流して一緒に入った。

 良介は娘を紹介しろという面々の相手に既にうんざりしていた。今ならテーブルは割り当てられているし、すぐに司会者が話し出し、挨拶が続くから私語はできない。

 だらだら続くどうでもいい挨拶に感謝することも珍しい。


 テーブルに置かれたジュースや烏龍茶をグラスに注いでやっと乾杯にこぎ着けた時には開始から30分も過ぎていた。メインは未成年の女の子達なので大人はいてもドリンクは全てノンアルコール。実に健全なパーティーだ。


「「「かんぱ〜〜いっ!」」」


 続くグラスが次々と当たる音が響いて、女の子達のきゃあきゃあ甲高い声が響く。

 篤を同伴したことで、あっという間に付近の女の子に囲まれた。曖昧に笑って誤魔化そうとしていたら、そこに


「みぃ〜ゆちゃん!」


 なんと清水柾(きよみずまさき)が割り込んで来た。

 回りは、美少女心優に近付こうと男達が遠巻きに様子を伺っている中堂々としたもので、女の子集団にものともしない図太さを持ち合わせているようだった。


「何しに来た……」


 篤の低い恫喝にも笑って応える。


「いゃあ〜、こんな楽しそうな催しを俺が見逃すと?

 それより心優ちゃん、お友達紹介してよ」


 親類の女の子の同伴でやって来たと言う柾は彼女は友達とお喋りに夢中とどこかに置いてきて、心優の両端を篤と共に占領した。遠巻きに狙っていた男達もイケメン二人にガードされた心優を見て早々に戦線離脱する者もいるが、それでも隙あらばと伺う。


 柾に促され心優が皆に紹介する。


「清水柾さんと紀井篤さん。二人ともお医者様。

 それから…こちらは、花井宙(はないそら)さん、井芹沙羅(いせりさら)さん、流王絵梨果(りゅうおうえりか)さん、矢吹哉子(やぶきかなこ)さん、柊智尋(ひいらぎちひろ)さん、大路椎菜(おおじしいな)さんです」


 それぞれ皆ペコリと頭を下げる。

 いきなりのイケメン登場に緊張しつつも嬉しげに微笑む。

 柾は柾で調子良い。愛想を振り撒きながらも回りへの牽制を忘れない。いちおうは冷やかしに来たと言いつつ篤のサポートに来てくれたんだろう、たぶん……


 無難にお喋りを楽しんでいる間に時間が経過した。

 篤に促され一旦室外に出て指輪をはめる。前半は目立つので外し、代わりに結納でいただいたお揃いのピンクダイヤモンドのネックレスのみつけていた。これだけでもきらきらしていてとても綺麗で上等な代物とわかる。


「おかしくない?」


 ドキドキしながら問えば


「可愛いよ、とっても」


 にっこり真顔で返してくれる。


「さあ、行こうか」


 篤に手を引かれながら再び会場に入り他の二組のカップルとさりげなく会話しながら、打ち合わせ通り少しだけ高くなった壇上に並んだ。


 テーブル席では柾がニヤニヤしながら、カメラを構えている。

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