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急に婚約破棄してきたうえ失礼な言葉を投げつけてきた彼は、後に勝手に終わったようです。〜そんな人は誰からも愛されないのですよ〜  作者: 四季


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2/2

後編

「もうやめてください」

「やめない! 馬鹿なあんたがカレンの素晴らしさを理解するまで! 徹底的にやる!」

「嫌がらせはやめてください」

「はああ!? 嫌がらせなわけねぇだろ! 親切なんだよこれは! し! ん! せ! つ!」


 いつになったら終わるのだろう、この無意味な時間は……。


「親切で聞かせてやってんだからよ! きちんと聞けよ! 馬鹿でも話くらい聞けるだろ? なぁ? いや、それとも、それすら無理なのか? そこまで馬鹿なのかよ、あんたは?」

「……くだらない女の相手してる暇はない、なのではなかったのですか?」

「うるさいんだよ! そういうところが馬鹿丸出しなんだよ! ふざけやがって……あんま舐めんなよ? こっちは忙しいけど付き合ってやってんだからよ! 女を磨けよ!」


 ラディースはそれからも一時間ほどカレンの話をし続けた。そして、満足すると、やがて「もういいわ」と言って帰っていったのだった。


 段々笑えてきてしまうくらい無意味な時間だった……。


 こうして、私レジーナと彼ラディースの関係はあっさりと壊れてしまったのであった。



 ◆



 あの後ラディースは自滅した。

 カレンへの想いの伝えた方を間違えたようだ。


 私との婚約を一方的に破棄した彼は、即座にカレンのもとへ向かい「俺と結婚しろ!」と結婚を申し込んだそうだが、突然のことに困惑したカレンに「あの……すみません、意味が分かりません。それに、いきなり結婚なんて無理です」と拒否されてしまったそう。

 それが彼としては意外な展開だったようで。

 想定外の出来事にカッとなった彼は「俺を拒むなんて最低な女だ!」などと暴言を吐いたうえ、一発殴ったそうだ。


 幸い直撃したわけではなかったようだが、カレンはすぐにそのことを親へ伝えた。


 話を聞いたカレンの両親は激怒。

 治安維持組織へ通報。


 その結果、ラディースは拘束され、牢屋送りとなった。


 私を傷つけた彼には天罰が下った。


 だがもちろんそれだけでは終わらない。


 送られた先で、ラディースは、いじめを受けることとなってしまったようだ。

 ラディースがなぜそこへ来たのかを知った他の囚人たちから「女殴って牢屋送りとか笑える」と挑発された際に「俺は最強」などと言って暴れたことが、そのきっかけとなったらしい。

 自分勝手の極みのような人間であるラディースは、牢屋の中の犯罪者たちにすら馴染めなかったようである。


 そんな感じで虐められていたラディースは、やがて心を病み、ある日突然自ら命を絶ったようだ。



 ◆



 あれから数年。

 私レジーナは、あの婚約破棄から少し経った頃に知り合った同じような家柄の男性と結婚し、今は平和で楽しい毎日を満喫している。

 ラディースとの婚約はあんな形で終わってしまったけれど、現夫との関係ははじまりから今に至るまで順調そのものだった。


 なので、ラディースとのことも厄落としくらいにはなったのかな、とは思っている。


 そう考えれば、あの無意味な時間にも多少の意味はあったのかもしれない、と……思える気もしないことはない。


 なんにしても、今日があるのはすべての過去があったからこそ。


 過去の自分に、ありがとう、を贈りたい。


 ちなみに、だが。

 ラディースから理不尽に殴られ気の毒だったカレンは、その後とても素敵な人と結ばれ幸せになれたようだ。

 彼女が幸せになれたと聞いて安心した。はじめはそれほど興味はなかったけれど、ラディースに殴られたと聞いてからは可哀想だと思っていた。だからこそ幸せになれたようで本当に良かった。知り合いではないけれど、同じラディースに絡まれ振り回された者として、そう思う。


 すべての罪はラディースにあるのだから。

 周りが不幸になる必要はない。

 彼の罪を償えるのは彼しかいないし、彼の罪を償うのは彼自身であるべきだ。


 ……もっとも、彼はもうこの世界にいないのだけれど。



◆終わり◆

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