第18話 The girl(どこへ行くの)
楽しい休日は一転!迷子を届ける小さな任務開始——!!
「うーー…………ん……」
「あれ、カロさんおはようございます。時間的には……『おそようございます』ですけど」
「ああカミラおはよう。いやぁ……なんか、起きたら体がダルくって……」
(カロさんが風邪引くわけないしな……。何かで燃え尽きたんだろうな)
「災難でしたね」アイソワライッ
「まあ…………でもなんか、俺以上にダウンしてる人がいるんだけど…………」
「カーラぁ!大丈夫かぁ!」
「うぅうぅうぅうぅうぅうぅ」
「カーラがバグっちゃったですぅ!!」
「カーラさん、高いところがダメだったみたいなんです……」
「へー、意外にも弱点が。どんぐらい高いとこ行ったんだ?」
「上空……」
「上空??」
「1,000m……」
「1,000m??」
「いや、そこまで飛んではないかもです////」
「照れられても…………何事??」
「うぅん……あれ…、なんで皆揃ってるんだ……?」
「ザクス!おいおい、これまた瀕死の奴が増えちゃったな……。こっちは偶々《たまたま》だけど、そっちは……?」
「いやぁ……新しくできたアイス屋さんに行ったら……お腹が…………うっ…!!」
「自殺……?思い詰めてるなら相談してね?にしても、せっかくの休みなのにこのままじゃチーターズ勢揃いしちゃいそうだな!!」
「あれー?丁度良くお仲間発けーん!大事な時に頼りになるなーー」
「はははっ!噂をすれ…ば……」
「えっ…………」
「な、なんっ…………」
「シリトさん…………!?」
「え、何。どうしたってんだよ」
「うぅーーん……まだ頭がクラクラする……。ん……?
キャーーーーーーー!!!シリトさんが少女を誘拐してる!?」
「人聞きの悪いこと言うなっ!!ってちょっと待て、まさかお前らもそう思ってんのか!?」
「違うの?」
「まさかそんなシリトさんがそんな事するわけないです見間違いです勘違いです…………」
「カミラ危ない。近付かないで」
「 “未成年者誘拐罪” は、3ヶ月以上7年以下の懲役」
「おいこらカロォ!!捕まる前提で調べてんじゃねえよ!!あのなぁ……この女の子は…………!!」
「わたしはナイフ!ナイフって呼ばれてるんだよ!!お兄さんたちがちょー強い仲間!?」
---------------かくかくしかじか---------------
「〜〜♪♪♪」ニコニコ
「…………とまあそんなわけで、このウキウキ少女と出会ったってわけだ。……なんでそんなウキウキしてんの?」
「早く強いとこみたいなーーって!!」
「なるほど、つまり大街道を通ってその女の子を親御さんの元に帰したいってことか」
「カロは人がいいなーです。まだガチ誘拐の可能性もあるのにです」
「まだ言うか。まあ、そんなわけだ。休みのとこ悪いんだが協力頼めるか?」
「俺はお腹痛いから…….」
「よし。ザクスは参加確定な」
「カミラたちも協力しますよ。カーラさんも今日はお疲れでしょうし……(苦笑)」
「ごめんねぇカミラちゃん……(泣)
あ、シリトさん、簡単な任務として登録しますか?ギルドから少しなら報酬が出ると思いますが」
「いやいや、そこまでがめつくないですよ。じゃあ……ナイフさん?改めて、ボク達に貴女を安全に届ける重大な役目……任せてもらえますか?」
紳士ぶって膝をつき手を差し出す。
女の子はお姉さん扱いされると喜ぶというシリトの持論だ。
「まあ……!よろしくお願いしますわ!!」
手と手が重なる。
“運命” という名の大きな歯車が噛み合うように。
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「わたしずっと夢だったの!ギルドのパーティーに会ってみたかったの!なんだかお話に聞く限りでは、すっごく強い人たちだそうで!」
「しかしシリト……本当にこんな勝手に動いて大丈夫か?小さな女の子をあてもなく連れ回すだなんて……」
「まあ……お前の心配は分かるよカロ。でも、とりあえずあの子が上機嫌な内は大丈夫だろ。最初会った時と比べて随分と楽しそうだ。楽しそうな子供の体力は無限だからな」
「それならゆっくり探しても問題無いって?俺は早く親に会わせてあげたいけどなぁ……。でもあの子、親について上手く説明出来ないみたいだし仕方ないか」
「是非とも会えたらその強さを見たいなと!でもあんまり欲張ってしまうと怒られてしまうから…………それでも今日は!今日くらいはいいよね!」
「にしても、見違えたなこの街道。こんなに綺麗に整備されて飾り付けられて……完成ももうすぐなんじゃないか?」
「ああ……特にザクス、お前はたくさん迷惑かけたからな〜〜〜……。壊すだけならまだしも凍って工事が進まないってんで……そんでもってカロが駆り出されると、これまた爆発やら何やらで二次災害が……」
「言ってて悲しくならないのか?」
「お前が言うな!!!!」
「ああ!とっても素晴らしい日だと思わない?
夢が叶う時!!
満足を得られる時!!
幸福で満たされる時!!
あはは!こんな楽しい日はね!気の向くままにしたいことしてみるの!歌って踊って跳ねて回って……………………」
「はしゃぐなよナイフーー」
「それにしても今日の大街道は良い雰囲気ですね。静かで心地良いです」
「ほーんと、です。まるで人っ子一人居ないみたいなー?です」
「はははっ。そんなわけないだろ、今日も忙しく働いてる職人たちの、オレたちを見たときの嫌そーーな顔に思いっ切り挨拶をかまして…や……る………ん?
シー……ン……
……ホントにいなくね?」
「そんなわけねえだろです。ここはドブラックで休みなんか滅多にあるはずねーです」
「お姉ちゃんの言うとおり……あっ!ほら、あそこに誰かいますよ」
「あっホントだ。すいませーん!今日の工事のことで聞きたいことが…………」タッタッ…
「……なあザクス、あの人背が高くないか……?」
「ん……?あー…………カロ、ありゃ背じゃねえな。なんか細い柱みたいのが横に立ってる……いや、持ってるのか?」
「いやーすみませんすみません。なんで今日はこんなに人が少ないのかなって…………
(ああそうだ。ついでにナイフのことも聞いておこう。もしかしたら家族のことを知ってるかもしれない。
それにしても今日は休日だってのに災難だな。思えばカーラさんも気絶してたし、ザクスはわざわざ自分からお腹を冷やしに行ったし、カロは呪いにかかってた。
でも皆楽しそうな一日を過ごせてたみたいで何よりだ。そうだ、昔っからそうだったなオレらは。馬鹿みたいに馬鹿やって馬鹿みたいに怒られる。それでもあいつらといると不思議と楽しいんだよな。普段は口に出さないけど、オレは態度に出やすいからバレてるかもな)
あれ…………?
オレ…………
なんでこんなに色々思い出すんだ…………?
「気の向くままに、歌って、踊って、跳ねて、回って、それでね…………?」
「殺すの」
————————ズブ————————
……え?
もしかしてぼくの文章会話文多すぎ……ッ?!




