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スピンアウト!  作者: スックブ
第三章 セクサロイドは幸せの夢をみるか
28/32

自分の好きなジャンルがごちゃ混ぜになってます。


最終章になります。 今月完結予定!

三章は残りの内容もこんな感じです。おそらく一番短い章になると思います。


週一予定の不定期更新ですがどうぞよろしくお願いします。

以前より投稿ペースは落としています。

 二つの大型二輪車が擦れ違いタイヤ跡を残しながら反転する。

 大助は意識会話でジュニに《ダンデライオン》を左右二つずつのパージを伝える。自分はヘルメット内部の視線パネルを操作し《分子チェーンソーの槍》を展開、スイッチを入れる。

 ゼクサは背中に担いでいた人間の横幅ほどある《(エッジ)チェーンソーの大剣》を左手のみで構える。

《分子チェーンソーの槍》と《刃チェーンソーの大剣》の槍頭と刃の分子が運動を開始し、輝きだした。

 それぞれ左側面が相手側になるようにして加速する。

 槍と大剣が叩き合い火花が散る。

 大助は擦れ違いざまに《マジックロープ》を発射したが大剣に払われたがこれはゼクサの回避を遅らし、空中機雷原の中へ突っ込ませることの布石である。

「……」

 ゼクサは無言のまま大剣を横なぎに振った。刃状のエネルギーが《ダンデライオン》に触れ爆発、次々と誘爆が起こる。

 大助はゼクスが大剣を振りかぶった時点で大型二輪車を別方向に発進させていた。


 大助の後方から爆発音が響く。

「サイキッカーだとッ⁉ アンドロイドじゃないのか⁉」

 意識会話でジュニに確認をとる。擦れ違ったときにゼクサの顔型は把握していた。ジュニはそれを元に検索をかける。

『顔型からアザック社製ZXS型セクサロイドで間違いないです!』

「――まさか“心”があるのか」

『製品に心はありません。おそらく元未確認生物が憑り付いているのでしょう』


 魔法や超能力の使用は人間を始め野生動物や元未確認生物でも確認されている。しかし無機物が行使したという前例はない。

 そのことから生き物にあって機械にはないもの、つまり“心”が影響しているのではないかというのが現在の主流説だった。

 非科学的だと反論しようにもあの災害時に怪物や異能力が溢れ、常識は塗り替えられていたし、国際議会の主流派の学者たちも今では政治力を身に着け、異論を抑え込むことができた。


 ゼクスは小型のガスタンクが一列に並べられた区画を追う。

 精神感応(テレパス)によってタンクの列を挟んで右前方に大助の乗る大型二輪車のエンジン鼓動を捉えていた。

 大剣を背負い直して左腕を伸ばす。念力(PK)によってガスタンクが根元から引き抜かれた。

 自身のアイカメラで玖賀財閥(くがざいばつ)製の機械人間(コールドマン)の位置を確認すると精神感応派を叩き込んだ。大助は頭を鈍器で殴られたように仰け反り、車体に取り付けられていた妨害電波装置から煙が上がる。

(……、……)

 ヘルメットに防がれ回路は焼き切れなかったが相手のバランスを崩すことには成功した。

 大助がバランスを崩した瞬間、空中に待機してあった数十個もの小型ガスタンクを大助に向かって降らせる。

 前方を走る機械人間は壊れた妨害電波装置を後ろ手でゼクサに向かって投げ、滑るように車体を操作し車体の前後を入れ替えた――両者が向かい合う格好となる。

 ゼクスがガスタンクを発射すると同時に大助はバック走行を止め前進した。

 ゼクスは右側面での接触に備えて精神感応を使い自分の大型二輪車から《ティグロンファング》を展開した。右足のステップ下からレーザーの剣が現れる。

(……)

 擦れ違いざまに《ティグロンファング》で切り裂いてガスタンクの雨を念力で止めれば問題ない。


「――‼」


 ゼクサは直感――そう呼べるものに従ってハンドルを切る。ガスタンクの制御は無意識のうちに断線した。

 ゼクサの乗る大型二輪車は回避が間に合わず、後ろ半分を闇の固まりから抜けきれなかった。

 身を投げ出されたゼクサは自分がいた場所を見る。

 そこは半径数メートルが文字通り消滅していた。機械人間側の《重力圧縮砲》による攻撃だ。絶対兵器の威力に慈悲は無い。

 ゼクサは精神感応で守護機械(ガーディアン)を呼び寄せると迷わず逃亡を選択した。


「逃がすか!」

 ゼクサに体制を整えさせるわけにはいかない。

速度でなら大助の方が圧倒的に速い。ただ工場地帯を縦横無尽に逃げる相手を追いかけることに関しては不利だった。

 念力によって飛ばされてくる障害物を左手に持った大型ハルバードで弾き飛ばしながら距離を詰めようとする。

 大助はヘルメット内のモニターで逃げる影をロックオンした。

「ミサイルポッド、全弾発射。後に分離(パージ)

『発射します――分離しました』

 六つの追跡型弾頭が使い捨てミサイルポッドから発射される。

 影に命中し、爆炎が上がった。

「反応は」

『対象は健在です』

「接近せずに煙の周囲をまわる」

 大助がアクセルを捻る――その瞬間、煙幕の中から怪物が飛び出した。

 大助は飛び出してきた物体に《マジックロープ》を命中させ勢いを殺さず建物へと投げた。物体はシャッターを破壊し、建物の中へと飛ばされる。

『反応は先ほどのアンドロイドと同一のものです!』

「……あいつの子供ってわけか」

 建物の中から歪んだシャッターを横に投げ捨て建物から出てきたのはゴリラだった。

 だが最早生物とは呼べなかった。身体のいたる箇所が機械と生身のつぎはぎ(・・・・)だらけだったのだ。両腕の肘から先の部分には鋭い棘が細かく生えており、他にもあちこちが改造されているだろう。

 フランケンゴリラが自分の胸を激しく叩いた。それは威嚇を通り越し、闘争本能の昂りからくる行為のように思えた。

「こいつを倒さなきゃあとを追えないみたいだ」

『気を付けてください。こちらも玖賀財閥の技術が使われている可能性があります』

 大助はアクセルを捻った。

誤字・脱字が多々あるかもしれませんがご容赦お願いいたします。

発見しだい修正しています。

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