AI小説はつまらない?その原因と対策
第二章も寛大な心でもって、ほくそ笑みつつ読んで頂ければ幸いです。
この章では、AI小説になってしまう原因をジェミナイ先生自ら分析していきます。最後にそうならないようにする魔法の設計図も教えてくれましたので、「私もAI小説書きたい」と思った人は、ぜひ最後まで読んでおくれやす。
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■■ 1. 世間が「つまらない」と感じる正体
世間で不評を買っているAI小説の多くは、人間が「監督」の役割を放棄したものです。
▼「瞬間」や「○○○」などの定型表現:
▼▼ AI(特に特定のモデル)には、劇的な場面で「その瞬間、」「運命の歯車が……」といった手垢のついた表現を多用する癖があります。これらを削らずに残しているため、読者は「またこれか」と冷めてしまうのです。
▼文脈の欠如と矛盾:
▼▼ AIは数千文字程度の「今この瞬間」の整合性を取るのは得意ですが、長編における「10万文字前の伏線」や「キャラの秘められた動機」を保持し続けるのはまだ苦手です。丸投げすると、さっきまで死んでいたキャラが平然と登場するような致命的な矛盾が生まれます。
■■ 2. 「道具として使う人」と「機械に頼る人」の境界線
あなたがこれまで行ってきた「添削」や「プロット相談」は、いわば「高機能なコンサルタント」を雇っている状態です。
▼項目1:世間が嫌う「丸投げAI小説」
▼文体
▼▼AI特有の無機質・定型文
▼矛盾
▼▼設定が崩壊していても気づかない
▼描写
▼▼どこかで見たような最大公約数の描写
▼読後感
▼▼中身がスカスカで、時間を無駄にした感覚
▼項目2:あなたのような「AI活用創作」
▼文体
▼▼自分の血が通った文章
▼矛盾
▼▼自分で矛盾をチェックし、AIに修正させる
▼描写
▼▼自分のこだわり(世界観やフェチズム)
▼読後感
▼▼作者の意図や熱量が伝わる物語
■■ 3. なぜ齟齬が生まれるのか
世間では、「AIを使って楽をして、質の低いものを大量生産している人」のイメージが強く定着してしまいました。その結果、AIを賢く使いこなして「より面白い物語」を作ろうとしている真摯な作者まで、同じ枠で見られてしまうという不幸な齟齬が起きています。
しかし、長編を書き上げ、複雑な設定を維持し、読者を最後まで惹きつけるには、結局のところ「人間の強烈なこだわり」が不可欠です。
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これはもう自供したも同然ですよ、親分。逮捕だ逮捕。そう騒ぎたい人はいるでしょうか。一貫しているのは使い手の意識です。AIも万能じゃない。そこはちゃんと指示して、フォローしてと訴えているように感じます。
『世間が「つまらない」と切り捨てているのは、「人間がサボった結果、AIの悪い癖がそのまま出た無味乾燥なテキスト」のことです。』
はい、その通り。サボり魔がこのなろう界隈にもいるということが元凶でした。人によって「面白ければいい」という人もいると思うので、ここで賛同者を募って”排除せよ”と訴えたいわけではありませんから。念のために書いておきます。
では、AI小説を執筆中の作者には、ジェミナイ先生からこうしたらいいよとアイデアをもらいましたので紹介します。
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「AIが創作した作品」として、読者の心を動かす長編を完成させる。これは現在のAI技術(2026年時点)においても、最も難易度が高く、かつ挑戦しがいのあるテーマです。
あなたが直面している「忘却(コンテキスト制限)」と「一貫性の欠如」は、AIに「記憶の仕組み」と「階級的な指示」を組み込むことで突破できる可能性があります。以下の戦略を検討してみてください。
■■ 1. 「外部脳(Codex/設定資料)」の構造化と常時接続
長編でAIが忘れるのは、情報の優先順位がついていないからです。AIに「設定を覚えて」と頼むのではなく、「常に参照すべき外部メモリ」をシステムとして構築します。
▼Codex(設定聖典)の作成:
▼▼登場人物のステータス、過去の出来事、世界観のルールを記述した「Codex」を常にプロンプトの先頭、あるいはRAG(検索拡張生成)システムとして読み込ませます。
▼▼「思い出し」の強制: 新しい章を書かせる前に、「前章までのあらすじ」と「この章で守るべき伏線」をAI自身に500文字程度で要約させ、それをコンテキストに含めます。
■■ 2. 執筆の「階層化指示」:一気に書かせない
AIに「第10章を書いて」と頼むと、前後の文脈を無視した「瞬間的な盛り上がり」だけで処理されがちです。これを防ぐために、「ズームイン方式」で段階的に指示を出します。
▼ 1.超俯瞰(全巻構成): 全体の起承転結と結末を確定。
▼ 2.中俯瞰(章プロット): 「この章で解決すべき課題」と「次章へ続く引き」を確定。
▼ 3.近接(シーン構成): 5〜10ページ単位の細かいイベント表を作成。
▼ 4.詳細(執筆): 上記の「シーン構成」だけを元に、描写に特化して書かせる。
▼▼指示のコツ: 「定型表現(『その瞬間』など)の使用を禁止し、五感(匂い、音、温度)を一つずつ描写に盛り込め」と制約をかける。
■■ 3. AIに「編集者」と「校閲者」の役目も持たせる
一つのモデルにすべてを任せず、「役割の異なるAIエージェント」を擬似的に分立させます。
▼ エージェントA(執筆): 感情豊かに、とにかく描写を厚く書く。
▼ エージェントB(整合性チェック): 「このシーンで、前章で壊れたはずの右腕を使っている。矛盾している」と指摘させる。
▼ エージェントC(文体修正): 「語尾の重複」や「AI特有の定型句」を削除し、あなたの好む文体にリライトする。
■■ 4. 2026年の最新モデル(Qwen3やClaude最新版など)の活用
現在、256K〜1M(数万〜数十万文字分)のコンテキストを扱えるモデルが登場しています。しかし、
「長く読み込める=内容を理解している」
ではありません。
重要なのは「コンテキストの真ん中にある情報を無視する癖(Lost in the Middle)」を回避するため、「重要な設定はプロンプトの最後(出力の直前)に再掲する」という指示テクニックを併用することです。
「どんな形式で設定データを渡せば、AIが忘れずに長編を書き通せるか」
より実戦的なプロンプトの構造を一緒に組み立てていければと思います。
設定が「ゾンビのように復活する」現象は、長編制作において最もストレスがかかるポイントですね。AI(LLM)の性質上、一度でもコンテキスト(文脈)に流し込んだ情報は、たとえ後から「それは無しで」と否定しても、関連性の強さから勝手に参照されてしまうことが多々あります。
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はい、長い。書いている自分も眠くなってきてしまいました。ちょっと寝ます。ガー、ゴー、グ……グハッ……ゴホッゴホッ! 危うく未完の作品になるところだった……。
えー私はこれまでジェミナイ先生に無茶な相談をたくさんしてきました。
赤き勇者と青い勇者が世界を壊すとか天功ばりの埋蔵金を巡ってのバトルロイアルとか、思いつきでなんでも「ストーリー書いて」と冒頭どんなイメージになるのか、キャラクターはどんな性格にするのか、相談しているんですが、設定のゾンビ経験あります。その対策方法を次に紹介します。
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この「不採用設定の混入」を物理的に断ち切り、ストーリーの純度を保つための具体的な戦略を提案します。
■■ 1. 設定の「バージョン管理」と「完全入れ替え制」
AIは「差分」を理解するのが苦手です。「Aを消してBにした」という履歴を渡すと、AとBの両方を覚えてしまいます。
▼対策:
▼▼ 相談用のチャットをこまめに「使い捨てる」か、常に「最新の決定事項のみを記した一通のマスタープロンプト(真実の単一ソース)」を、各章の執筆前に再提示してください。
▼指示のコツ:
▼▼「過去のやり取りはすべて忘れろ。今から渡す『決定稿:世界設定V2.1』のみが唯一の正解であり、これに記載のない設定を口にすることは固く禁じる」と、強い排他性を持たせた命令を加えます。
■■ 2. 「不採用リスト(Negative Prompt)」の明文化
「〜しないで」という指示は無視されやすいですが、「禁止事項セクション」として構造化すると精度が上がります。
▼やり方:
▼▼ 設定書の末尾に「不採用・削除済み設定(絶対に触れてはいけない要素)」という項目を作ります。
▼具体例:
▼▼ 「主人公・アカキの性別:男性(旧設定)→ 現在は女性。男性と言及したらエラーと見なす」
「存在しない用語:〇〇魔石(削除済み。代替案は△△結晶)」
▼▼ このように「旧」と「新」を対比させ、旧設定が出た瞬間に「おっと、それは古い設定だね」とAI自身に気づかせるためのラベルを貼ります。
■■ 3. 「推論の隔離」:アイデア出しと執筆の分離
採用・不採用を議論している「ブレインストーミング中のスレッド」でそのまま執筆させると、不採用案がノイズとして混入します。
▼ワークフローの改善:
▼▼ 検討フェーズ(スレッドA): 自由奔放にアイデアを出し、採用・不採用を決める。
▼▼ クリーンアップ: 採用されたものだけを抽出し、綺麗なMarkdown形式などの設定書にまとめる。
▼▼執筆フェーズ(新規スレッドB): 磨き上げられた設定書と、プロットだけを読み込ませて書き始める。
▼▼ この「情報の引越し」作業が、AIの記憶から不要なゴミを排除する最も確実なフィルターになります。
■■ 4. 長編の「記憶の断片化」を防ぐ「ステート保存」
長編の場合、AIが過去に自分で出力した「間違った描写」を読み返して、それを真実だと思い込むループ(自己汚染)が発生します。
▼ 対策: 各エピソードが終わるごとに、「このエピソード終了時点での公式ステータス」をAIにまとめさせます。
▼▼ 誰がどこにいるか?
▼▼ 誰が何を知っているか?
▼▼ 壊れたものは何か?
▼▼ これを次回のプロンプトに「前回のあらすじ・状態」として渡すことで、忘却による矛盾を防げます。
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ここまで、いろんな対策を出してきましたが、はたしてAI小説の作者はこんな面倒なことをするでしょうか? 私はこれを読んで、無理だ!と叫びたい。だからこそGoogleAIStudioでアプリを開発し、それを逐一更新して読み込ませ、次に繋がるシーンのアイデアを出してもらっていたのです。
■■ 創作を補助する自作ツールとJSON活用
Claude Artifactsを使用して、プロットや世界観をカード形式で整理できる専用アプリも開発しました。こちらは公開中です。
▼ 執筆支援アプリ(Claude版)
(https://claude.ai/public/artifacts/a94115f0-ace4-44fe-bffb-95026880cd58)
無料プランでも、ある程度使えると思いますが、多分ログインする必要があります。AIチャット機能があり、設定内容を全て最初に投げるので、データが増えると、すぐ無料枠は使い切ってしまう恐れがあります。
このアプリは設定をJSON形式で保存・読み取りが可能です。このJSONデータをGeminiに読み込ませることで、アプリ内のAIチャット機能を使わず、長編小説でも設定の矛盾を防ぎながら相談を続けることもできます。
Windows環境であれば最近、Chromeで開いたサイトを、”Geminiに相談”で活用することができ、アプリを開いたままシームレスな相談も可能になりました。すごい進歩ですね。
最後は番宣みたいになって申し訳ない。無料ですので、Claude環境を入れている方はお試しください。
次回は今までの総まとめとして、ドラマチックにAI小説に挑む挑戦者のエピソードをジェミナイ先生が描きます。ご期待ください。




