運命られた結末
今回の短編は、試しに生成AIにアイディア出しを何回かさせて書いたものです。
ーーーああ、忌々しい。
一族の屋敷の部屋で、いつもいつも布団の中にいるのは私だけ。
だって起きられないし、この体がいうことをきかないのが悪い。
起き上がろうとして布団の中でもがいていたけど、もうやめた。
「ねえ、誰かいないのー?」
少し待っても、返事は無い。
私の生まれた一族は、女性は代々が巫女であり、男性は祓い屋となる。その中でも未来を視ることができる者は数が少ない。
私は何故かその中に入ってしまった。自分で望んだわけじゃない。
おかげで、この体は強すぎる巫女としての能力に…根を上げている。
「本当に誰もいないのー?」
のどが渇いたのに、水を飲みにさえ行けないこの体は…もう末期だろう。
私は自分の未来を、最期の時を夢として視ていた。
ーーー運命なんて、大嫌い。
最期まで私は、この縛られた巫女としての生に抗えない。
私は妖魔を祓って、最期をむかえる。
「ルキ姉?どうしたの?」
部屋の引戸を空けて顔を出したのは年の離れた従妹。彼女もまた、この一族に生まれた未来視の能力を持つ者。
いずれは私と同じような道を歩むだろう。
私は彼女に水を持って来るように頼み、そして少しの間だけ運命を呪う思考をやめた。
★★★
今日は珍しく体の調子がいい。だから、今日の私は一族の巫女としての仕事をする。
布団の中でいつも寝ている分、巫女の仕事をして家のためにお金を稼ぐことでしか…私は自分の生き方も、恩の返し方も知らない。
「ルキ、体の具合はどう?」
「いつもより大分楽だよ?」
周りには私の他に3人のうちの一族の巫女。彼女達とも親戚関係にあたる。
正直、今の時代は妖や妖魔、呪い…そういったモノの存在が大きく、人里に溢れ出て来ているので対応できる人手が足りていない。
祓い屋や巫女、陰陽道の者の中には相場よりも高く金を貰う者もいるくらいなのだから。
「ルキ、そっちに行ったぞ!」
従兄弟や再従兄弟と山の中に隠れている妖を開けたこの場所に追い立てて、私達が巫女の能力で祓う。
いつもと変わらない戦法…ちなみにうちの一族は、依頼者の身分などによって金額を決めているが、私はそれを決めたことはまだない。
「任せて!」
従兄弟達に追い立てられて、まっすぐ私の目の前に突進してくる獣型の妖。毎回、従兄弟達はいい仕事をする。
私はあらかじめ陣に溜めていた巫女の能力で目の前の獣型の妖を祓った。まだ数はいるけど、それほど強い妖ではない。
でも、他の巫女は一瞬で祓ったりなんてできないか…一度陣で拘束してから、その後で祓う。
ーーーこの程度では、私の敵ではない。
彼女達のやり方は、私にとっては非効率過ぎる。前にそう言ったら、怒られた。
誰もがお前のようにできるものじゃないって、言われたの。
「まだ数がいるな…お前達は休んでろ。ルキ、少ししたら今度は東から回って奥から追い立ててくる」
私が返事を返せば、従兄弟達はまた山に入って行った。
少しの間の休憩。でも、次も祓うのは私。私の方が動きが早いから、圧倒的な数を一度で仕止められるのは…この場では私だけだから。
山での妖退治があらかた終わったため、これから山を下りる。そうなった時に、やっぱり私の体は巫女としての己の能力に根を上げていた。
ふらり、と目の前が揺れて足から力が抜けて、体が崩れ落ちる。
ーーーすぐ横は崖だったから、気を付けないと…
そう思って体勢を立て直そうとしたけど、頭からぐらりと傾いた。これは、もうどうしようもないかも…遠くで従兄弟達が私を呼ぶ声がしたような気がした。
そんな瞬間、ふわりと自分の体が浮いた気が…否、浮いていた。
「そなたは巫女か?強い力を感じるが…」
「あなたからもとても強くて、神々しい力を感じる…この山の神か何か?」
空中に浮く、人ならざる存在。
私のすぐ目の前に、超絶イケメンの綺麗すぎる顔があるんだけど!?
「私は山の神ではない。かつての、この山の神につかえていた神獣だ」
何故だろう、彼から目が離せない。何処かで出会ったりしている?そんなはず、ない…どうしてこんなにも彼に惹きつけられるのか理解できない。
これがあなたと私の、初めての出逢いだった。
ーーー否…この時の私は、そう思っていたかった。
★★★
あれから数日。
あの山で出逢った…神獣に類する彼と共に、一族の屋敷に帰ってきていた。
どうしてだろう?何故か懐かれたような感じで…出逢った日とは違う、人の姿ではなく神獣の方の姿で彼は、私に頭を撫でろと頭突きする勢いで布団の中に入ってくる。
「他の誰かに頼んだらどう?私は妖退治で体が動かないし…」
くぅーんと鳴くその姿は可愛すぎて、すごくずるいと思う。この白いモコモコ…自分の売りを理解している。
私は“しょうがないな”と負けて、白いモコモコを自分の腕の中にぎゅっと閉じ込めた。
この白いモコモコのせいで、さらに眠気が襲ってくるのだから…私はそのまま眠りに落ちた。
大粒の雨が大地に降り注ぎ、無数の稲妻が暗黒の空を駆け回っている。
それはまるで、神の怒りのようで…悲しんでいるようにも感じられる。
それを引き起こしている白き神の使いだった神獣は、己の色を完全に変えてしまった。
『ルキ、私を…祓ってくれ。』
ーーーああ、どうしてこんなモノが、ルキの運命だというのか・・・・・
天空に浮く、穢れに侵された黒き妖魔は最愛の巫女に懇願する。
一方、地上から天を見上げることしかできない未来視の巫女は…己の運命を呪い、立ち尽くすことしかできないでいた。
ーーー私はもう、この運命に向かっている。
そんなことを考えたところで、私は障子からもれる夕日の光で目が覚めた。
腕の中には白いモコモコ…この白は神の使い。だけど、黒に堕ちる。
まるで、私みたい。
「この世界でのヒーローは、白桜なんだネ★」
いつかの世界の、しゃべり方。“ヒーロー”なんて言葉は、この時代にはまだ無い。
私は自分が誰なのか思い出してしまった。
あなたを祓って、この世界の私の転生時間は終わる。
生成AIにアイディアを出させたのに、まったくの別物になりました…




