49/51
ディソシエーションエリカ
あいつはいつも、誰かの後ろに隠れてた。
あいつはいつも、前線には出ない。
“できない”と喚き、陣を上手く描けず、いつも失敗ばかりする。
それなのにどうして…彼は、彼女達は、“風姫 ルキ”を青龍の巫女として選んだのだろう?
この世界が消滅したその先の未来で、どうして廻間の権利者である彼の神獣は、青龍の最期の巫女であるルキと魂の契約を結んだのだろう?
どうして、どうして、何故?
そんな終わることの無い、問いなのか、もはやただの自問自答なのか、オレには分からない。
こんなくだらないことを繰り返して、いったい何になる?
オレは世界の廻間で、もうずっと…長い間1人でいる。そのせいか感覚が麻痺でもしたのか、それともただの暇つぶしか…こんなことばかり考えている。
それに飽きると、オレは廻間の権利者の能力の、“ほんの些細な残骸”で、この真っ黒な空間に亀裂を入れる。
手慣れた、いつもの動作だ。
こんなオレにも、青龍と銀狼がいた時の記憶は魂に刻み込まれている。
今のオレにはもう、いかなる神にも必要となんてされない…否、オレは必要となんてしていない。
「オレの名乗るべき名は光騎。ルキとも琉祈とも光希とも違うオレ。転生・転移を繰り返した無限に存在する奴らの中でも光騎は異質・・・・・」
オレは自分の気の向くままに、独りでこの廻間を放浪する。




