26
10連休だけど身体中痛い。みなさん気をつけましょう
洞窟に入るようになり2週間くらいが経った。
十数回は入っているだろうがやっている事は軍人が制圧したのを狩るだけで代わり映えしない。
なので明確に何回入ったなど気にしなくなった。
人間変わりがない刺激は慣れて日常化してしまうのである。
アリスも2回目に洞窟に入った時に緑の小人を狩ったが狩猟について行っていたということもあり命を奪うという葛藤は無いようだった。
私もアリスも命を奪う事に躊躇いがない事が日常と化した緑の小人狩りに出掛けていく。
「もう少し・・・こう何か変化的なものが欲しいよね。」
「変化って言ったら小冬音の腕にあるじゃない。」
アリスが私の腕を見ながら言ってくる。
昨日の洞窟探索後から包帯をつけている。
怪我をしたとかではない。
これは洞窟探索初日からなのだが探索後私やアリスの血液検査が実施されていたのだが昨日ついに私の皮膚に針が刺さらなくなり1時間かけて無理やり針を刺している状態になっている。
留置針を入れられている為シャワーのみでお風呂好きな私にとっては早く抜いて欲しい。
血液検査はアジア系の軍の人がやってくれていたが3日後に別の場所に刺すとだけ言われている。
彼ら軍の人はどうも私たちと必要以上にコミュニケーションを取る事を禁じられているらしいが単語での返事はしてくれる。
「今日は私達は手を出さない二人だけで狩るように。」
クレア先生が洞窟内で車から降りた直後に言ってくる。
何度も何度も戦闘自体は見せられているので緑の小人の実力はわかっている。
何故かトドメだけは私たちにさせていたが心構えをつける為だったんだろう。
アリスと視線が合うとお互いに頷き合い緑の小人退治に足を向ける。
接敵する前まではいつも通り軍の人が一番前で索敵してくれた。
アメリカ系の軍人がどうやら敵を見つけたようで私たちに前に出るように諭す。
走り出す前にクレア先生の方を見るとビデオカメラでこちらを撮っていた。
これだけ規模がお金がかかりそうな事をしているのだ報告しなければいけない上司でもいるのだろう。
クレア先生の方を向いていると睨まれ口パクで『いけ』と言われる。
私はアリスをチラリとみたあといい所を見せてやると片手を刀に置き最初の一歩を全力で踏み出す。
全力で。
私の体が私の足によってふわりと舞い上がる。
空中にいる私は最初の一足以外の力を受け付けなくなりそのまま・・・。
5mはある洞窟の天井に激突した・・・した。
私は急な出来事とこの体に変わってから初めての激痛に混乱し体勢を整えずに落ちていく。
人間一番重いものは頭。
であるからして落下する時も頭から。
私が踏み出した瞬間に緑の小人も気がつき私を見ていた。
私が移動したところを濁った目で追えていたそれが自身の真上にこようとも。
お互いに不幸だった。
一人の少女は自分の力が飛躍的に上がっている事に気づかなかった事が。
化け物は獲物が急に飛び上がったと思ったら上から落ちてくる事など予想外な事が。
お互いの頭が重なり合い片方は無傷だがもう片方は脳挫滅。
私は地面にうつ伏せに倒れると頭を押さえ転がる。
軍の人達は一瞬焦っていたが私が落下した後に頭を押さえて転がっているのを確認したのち元の場所まで戻っていく。
小さい人影が私に近づいてくる。
「凄く飛んだね。痛そう。」
少し楽しそうな雰囲気で私の頭を撫でてくれようとするが。
「今日の探索が終わるまで近づかないでね。」
アリスの言動を不思議に思い自分で頭を触ると粘液がついた。
倒れている敵を確認しアリスの方を見ると頷いている。
私は背負っていたリュックを地面に下ろしタオルを取り出し顔を拭いたのち頭を拭き使ったタオルをナイロン袋に入れ密封しリュックの中に戻す。
自分の力だけでの初討伐は締まらない内容になってしまった。
そんな内容の戦闘なのにクレア先生はまだビデオカメラを構えているし。
「クレア先生、次の戦闘からにしてもらえません?今の無しで。」
小声でクレア先生にお願いするが首を振っておられる。
クレア先生は今進んでいる方向を指差してきた。
どうやらここから先は索敵もやれと言うことだろう。
本当は今すぐ帰って風呂に入りたい所だが任務続行のようだ。
意識を切り替え足早に先頭に立ち気配を消し進んでいく。
相変わらず代わり映えしない風景でも命のやりとりをしているのだが緊張はしていない。
一昨日あたりから緑の小人の気配というか力というかそういうのが感覚でわかるようになってきていた。
小人を倒した時に私に流れ込んでくる白いものが小人が生きている間も微弱だが包み込んでいる事に気がついたのだ。
少し不安なのが小人だけでなく軍人3人とアリスからもその白いものの気配がすることなのだが。
「いた。」
前方に2体の敵の気配を感じ取る。
今度は力加減を間違えないように2回ほど音を立てずにジャンプして力の調整をして踏み出す。
かなりのスピードで敵の1体目の横を通り過ぎる。
通り過ぎた時には小人のお腹が切れ中のものがこぼれ落ちる。
そんな仲間の状態にもう一体が気がつくが刀を振り切り止まらずにそのまま回転を加えもう1体のお腹を切る。
小人が立っていられなくなり崩れ落ちたのを確認したのち刀身を刀拭紙で拭い鞘に収める。
カメラも回っているしもっとかっこよく倒したかったがアニメでよくある縦に真っ二つとか横に真っ二つをやると刀が折れる。
腕があれば縦は無理でも横はいけるかもしれないが小人の骨の位置などを正確に理解していないと無理だ。
最初の討伐が失敗しているのだ2回目は確実性を取る。
ドヤ顔でアリスとクレア先生を見ると呆れたような顔をしていた何故?
「一回目の失敗の仕方がギャグみたいだったのに今そんな顔されてもね。次は私が行くわ。」
アリスの言葉に落ち込む。
そんな落ち込んでいる私を放置してアリスが進み始める。
アリスを見つめながら進んでいると接敵したようだ。
リュックの横に着けていた長い棒を取り外し構えるアリス。
アリスの得意武器は私と同じ剣なのだが今アリスが持っているのは槍。
狭い洞窟内では槍は取り回しが悪いのだが私と違って耐久力が低いから槍を持たせているそうだ。
私は少し殴られても大丈夫だろうと刀になったようで解せない。
「ふっ。」
アリスは槍を素早くお腹を突き引き抜く。
小人は腹を抑え反射的に頭を下げる。
下がった後頭部に槍を振り下ろし昏倒した所を背中から心臓があるところに槍を突き刺す。
小人が死んだことを確認しこちらに向かってピースサインをしてくる。
可愛いが・・・。
一度失敗した私的には面白くない。
「勝負。」
「いいわよ。負けた方は今日のデザート没収ね。」
いきなりアリスが浮き上がる。
「今日はここまで。」
クレア先生がアリスを持ち上げているがアリスが痛そうにしている。
うなじの部分に力を入れているのであろう。
ゴンっ。
警棒で私が殴られる。
勝手な事をしようとした制裁なのだろうがアリスより体罰キツくない?
「触ると汚れる。」
そんな私の心を読んだように言われる。
小人の血液まみれでしたね私・・・。
アリスへの制裁も終わり車に戻り血液検査を済ませシャワーを浴びてアリスの家に帰る。
アリスと私とアーロンさんとで夕食を食べベッドで眠る間際にクレア先生が来る。
「明日は違うところにいく。」
一言だけ言うとクレア先生は去っていってしまった。
アリスもどこに行くかわからなかったようでお互いに次は何をやらされるのか不安になりながら眠る。




