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やってきました水着回。
照りつける太陽、光りを反射してキラキラ光る25mプール。
そしてスクール水着の私・・・。
何か女性用の水着は嫌だ。
スカートとかも履いているので何を今更と言われるだろう。
しかし未だ発育していないこの体、女性物の下着等まだ着けていないのである。
そう私自身まだ完璧に女物を着込む覚悟がないのだ。
水着に関しても正直胸など大きくなってきていないので海パンでもいいくらいだ。
海パンで最近まで生きてきたのだ。
胸を隠す事の方が違和感を感じる。
だがトップレスの水着で幼女であろうと動き回っていたらダメなのは理解できる。
何だろうこの女性用水着を着る違和感と着なかった時の恥ずかしさの板挟み。
「何ウネウネしてるの気持ち悪い。」
アリスの声が後ろから聞こえ振り返る。
全体的にオレンジの水着に綺麗な赤い花があしらわれたワンピースタイプの水着だ。
ワンピースといっても上下で分かれており肩が出ていて鳩尾まである靡く布。
下は腰あたりから太ももの半分くらいまでのスカート。
快活なアリスにピッタリの水着である。
「小冬音は地味なスポーツタイプの水着にしたのね。パレオまでつけてるし・・・。ミスマッチよ。」
そんなことはわかっている。
ヘソを出す水着はまだ心の準備ができていない。
そして前世で中学の時にブーメランパンツを卒業しトランクスタイプの水着にしていた。
何が言いたいかと言うと股に食い込むタイプの水着は恥ずかしいのだ。
「えい。」
アリスが徐に近づいてくると私のパレオを奪い取る。
私が何が起こったか分からず呆然としていると笑いながら私のパレオを持ってプールに飛び込んでいく。
「変な着方してたら似合わないよー。」
そしてプールの真ん中あたりまで行くとパレオを掲げていた。
その時アリスがのおじいさんがプールを挟んだ向こう側からやってきた。
「アリス、小冬音ちゃん飲み物を置いておくよ。」
ビーチパラソルで日陰になっているビーチチェアとテーブル、そのテーブルに飲み物を置いてくれる。
「ありがとうおじいちゃん。」
アリスは振り返りお礼を言う。
アリスの視線が私から離れた瞬間気配を消し水音をたてないように着水する。
そこから潜水をしアリスを目指す。
「あれ小冬音は?」
私がいなくなった事に気がついたようだがもう遅い。
「え?ひゃっ。」
アリスの足首を掴み徐々に太もも、腰、脇腹とそれぞれの部分を少し痛い感じになる力加減で掴みながら這い上がっていく。
そしてアリスの顔付近に私の頭が浮上する。
「いたい、いたい、え?怖い。」
私は今水泳のキャップを着けていない。
前髪は水に濡れ顔の半分を隠している。
アリスから見て口しか見えない状態で口角を上げて笑っているのだ。
貞子銀髪バージョンの出来上がりである。
私は何も喋らずに手でアリスの腕を拘束し足でアリスの足を絡めとる。
「ちょっ、ごほ。」
アリスが何か言おうとしたが水の中に引き摺り込む。
私はアリスの右手を脇に抱え込み直し手に持っていた黒いパレオを奪還する。
序でにオレンジの上の水着も奪取していく。
オレンジの水着片手にプール端まで泳いで行きちょうど泳ぎ着いた時にアリスが水面から顔を出す。
「ぷは。小冬音いきなりはやめてよ。怖かったし。」
そりゃあ怖いように見えるよう演出したからね。
私が水から上がるためにプールサイドに手をつく。
私の手に黒い布を持っているのは問題ないがオレンジの布まで持っている。
それに気づいたアリスが水の中にある自分の体を見る。
「ちょっと私そこまでやってないでしょ返してよ。」
胸を左手で隠しながらプールから上がった私に近づいてくる。
その可愛い仕草にやはり生まれついての女の子だなと思う。
私だと胸を隠さずに突撃するだろう。
成長したら心境もかわるのだろうか。
私の足元近くまでアリスが来た。
それを見た私は野球のピッチャーのフォームを取る。
「まさか・・・。やめて小冬音。」
アリスの静止を無視してアリスから一番遠いプールの端に丸めた水着を投擲する。
私も鬼ではない。
プールから出ないと取れない位置には投げない。
「取ってこーい。」
「・・・・覚えておきなさいよ。」
捨て台詞を吐き水着を取りに行った。
私はその間にプールに入る。
浮いていると怒った表情のアリスが近づいてきたので潜水しプールの底に手をつき前方に押すようにして力を加えスピードを出す。
しばらくアリスが追いかけてきていたが諦めたようで追いかけてくる事をやめた。
水面に出て笑顔でアリスに手を振る。
勿論煽っている。
「はぁ。あんたどんな肺活量してるのよ。あと泳ぎ方ヤモリみたいで気持ち悪かったわよ。」
乙女としてあの移動方法はダメだと理解できるがスピードは出るのである。
腕力が有り余るせいか地面を押して移動した方が早い。
「こっちの方が早いのよ。将来的には泳ぎで速くなるけど。」
アリスは疲れたのかプールから上がりパラソルの方に行きビーチチェアに座り飲み物を飲んでいた。
私も水から上がりアリスの近くにゆっくり近づいていく。
「警戒しなくても仕返しなんてもうしないわよ。疲れたし。」
私もビーチチェアに座り飲み物をいただく。
「アーロンさんありがとうございます。」
「いえいえ、どういたしまして。」
アーロンさんは小説片手にビーチチェアに座っていた。
こんな老後を過ごしたいなと見ていると。
「どうしました?お嬢さん。」
「いや素敵だなっと。」
アーロンさんは少し面くらったような表情をしたが笑顔になる。
「ありがとう。」
こういう渋いおじいさんになりたかったな今はもう無理だけど。
「おっとすまないね客人のようだ。」
アーロンさんが立ち上がり玄関の方に向かっていく。
アーロンさんが行く先を見てみると軍服らしきものを着込んだアーロンさんと同世代に見える人が立っていた。
目を凝らしてみると肩の所に4つの黄色い星みたいなのが見えた。
「おじいちゃんの同期で友達みたい。」
私が気になっていた事に気がついたアリスが補足説明をしてくれた。
「アーロンさんも軍人?」
「うん、ママも。」
クレア先生が軍人なのは大体察していたが優しそうなアーロンさんまで軍人なのか。
「アリスも軍に入るの?」
「うーん、わかんない。」
頭がいくらよかろうが6歳児無理もないか。
「国家公務員かアメリカ航空宇宙局に入りたいかな。」
うん、普通じゃ無くて具体的に言ってきたな。
「ごめんごめん、プールで遊びたかったら泳いできても良いんだよ。」
「おじいちゃんいつも上がってもらうのに今日は帰っちゃったの?」
「ああ、様子を見にきただけのようだ。用事もあるようだったし今日は帰ったよ。」
「ふーん。小冬音泳ぎに行こ。」
プールでたくさん泳いだ後夕食をいただきアリスと同じベットで寝る。
「明日からの合宿嫌だね。」
「ちょっと思い出させないでよ。」
「ごめんごめん。」
1時間ほど今日の楽しかった事を話し気がつけば両方ともぐっすり眠っているのであった。
寝ている途中でアーロンさんが布団をかけてくれる。
「国の方針とはいえ・・・。明日から頑張るんだよ子供たち。」
アリスの額にキスをし部屋から立ち去っていった。




