神様たちとのお茶会
世界の成り立ち。
抱きついてきたトパーズ様をどけて、改めてテーブルを見る。
トパーズ様はそんなあたしの手を引いて、テーブルに向かった。
「改めて自己紹介させてね、キキョウちゃん。
あたしは地の女神のトパーズよ。元人間の魔女。あ、あたしたちに敬語は要らないから。普通に話してね♪」
ウキウキとした感じで、思いっきり爆弾落としてったよ!
テーブルのまわりの4人も立ち上がってこっち見てる。
「我は水神、ラピスラズリ。みての通り、元は魚人だ」
あたしと同じくらいの背丈に手足のうろこ、のど元のエラが種族を現してる。
「妾は風の女神、エメラルドじゃ。よろしくの」
こちらは腕と首もとに羽毛がある。あとは背中のおっきな翼。翼人だな。
「オレは火神、ガーネット。元は豹の獣人だ」
こっちはかなりの長身。黒いネコミミと長いシッポ。なんかかわいいかも。
「そして私が創造神、ダイヤモンド」
……綺麗。まずそう感じた。
種族はおそらくエルフ。年も12、3くらいに見える。だけど存在感は他の4人の比じゃない。中性的で性別も分かりづらいが、おそらくは男性だと思う。
「こちらに。君は私達と同等な者。そのように対してほしい」
……神様と同等って、あたしどこまでえらくなっちゃうワケ?
「そうだな。そもそものこの世界の成り立ちから説明すべきか……」
土産のケーキと配って、お茶を入れてから、ダイヤモンド様は語り始めた。……創造神にお茶入れさせちゃったよ。
「ーーそもそも、この世界の元は君がいた世界なんだ。
君も聴いたことはないかい。魔女狩りや異端の排除といったものを。
一神教の教えにより排除される前に、と生き残った者達で創ったのがこの世界なんだ。
そして、世界中で彼のものに異端とされたものがこの世界に移り、元の世界との接点を断った。
そして強すぎる力で世界のバランスが崩れないよう、魔術においての制約を創った。
ちょうど我々の故郷の反対に位置する国の言葉を利用することでね。
だから君の世界で伝説とされている者達がここにいるんだよ。
我々はその中核となったため、神としてこの世界の維持をしているのだ」
「なるほど。で、なんであたしが同格になんの?」
「それはね。あなたは元々の世界で、神と呼ばれた者の血をひいてたからよ。その力がこの世界に落ちることで活性化したの。その気になれは、キキョウちゃんもあたしたちとおなじ神になれちゃうのよ」
「いや、それは遠慮する」
神様なんてなっちゃったら、今みたいに好き放題できなさそうだし。
「で、あたしをわざわざ呼んだ理由って?」
「……」
神々が顔を見合わせる。
と、ガーネット様がガバッと地面に手を付いた、って土下座⁉
「スマン。オレの不徳のせいだ!」
「……どういうこと?」
「じつはの。おぬしを呼んだのは、ガーネット国の愚か者達なのじゃ100人近くの魔術師の犠牲で呼んだからの。……トパーズ国を攻める為に」
戦争のためだと⁉
……顔が険しくなっているのが自分でも分かる。
「自国を豊かにするためには、トパーズを手に入れる必要があると、王が言い出したようだ。実際は、信仰が失われたせいなのだがな」
「信仰が失われると、国が乱れるの?」
「そうよ。人々の意思を読み取り、適切に魔力を巡回させないと、凶暴な魔獣が増えちゃうの。それが国の乱れにもなる……」
「ガーネットでは、高位の神官でさえオレの声が聴けず、最早神は存在しないとさえしている者達すらいる状況なんだ。火の神の恩恵は、鍛冶師など以外は感じ難いのも確かなんだが」
「……それで、キキョウ。君に頼みがある」
……いよいよ本題か。
「君と共にこの世界に落ちた者を、何とかしてほしい。手段は君に任せる」
あたしと一緒にこの世界に落ちた……?
まさか……。
神々は沈痛な面持ちであたしを見てた。
「あいつ、なのか?」
……無言で頷かれちゃったよ。
「彼も落ちた時に魔力に目覚めている。ただ、君と違って教えられたことしか出来ないようだが」
頭固いから。
「問題は、彼が言葉を教えてしまっていること。こちらの言葉を覚えるのが難しいのか、自分の言葉を教えてまわりと話せるようにしている」
その意味を何も考えてないのか。
「彼は世界に災厄をもたらす。だが我々は直接関与は出来ない」
だからあたしをここに呼んだ。
「スマン。オレの国を助けてくれ」
嫌だけど、あいつに会うことはスッゴク嫌だけど、この憎めない神様たちの力にはなりたいとおもってしまった。
「……わかった。あいつを元の世界に還せば問題ないよな。
元の世界に帰る方法は?」
……コレだけは聞かなきゃなんない。
「必用なのはまず、我々の許可。これは今与えよう」
神々はみんなうなずいてる。これで帰る許可はもらえた。
「次に帰る場所の名前と時間、そこに向かうための魔力。これは問題ない」
場所と時間は忘れるはずない、ってかいちおーメモっといたし。
魔力についても神々と同等ってことは十分だな。
「そして……」
「……そんな、それじゃあたしは帰れない……?」
神々はあたしを見てる。
「望むなら、終えたあと……」
「そんなこと望めない‼」
……あたしはただうつむいていることしか出来なかった……。
”彼”についてはいずれ。
帰れない理由については次回で。
ちなみに、神様たち、ダイヤモンドが説明してる間にケーキを食べて、美味しさに悶えてましたとさ。




