あの弟子は何を考える 4
「お嬢さン、まタ1週間後にオイで。」
「わかりました。」
グレッタ様は返事をすると店を出ました。
「…師匠、どうして魔女の約束まで使ったのですか?」
「ふふっ…。 その本、見てみなさい! 彼女みたいな頑張る可愛い女の子が大好きなのよ、私。」
私は師匠に言われた通りにグレッタ様が持ってきた本を読みました。
「…これは、昔、師匠が書いたものと似ています。 師匠がヤード様の婚約者であった時に書いた帝国の税務についての本に。 グレッタ様はなぜこれを知っているのですか?」
「…そうね、私がまだ婚約者であった時に、色々頑張っていたじゃない? その時にこの税金についての対策を思いついたの。 しかし、当時、ヤードに、推進したら鼻で笑われたから、ショックのあまり帝国書籍の1番難読と言われている経済の本の中に隠したのよ。 あんなくらいでショック受けるなんて、私もウブだったのね。 懐かしいわ。」
師匠はグレッタ様がその本に辿り着いたという事実に満足しているようで、ニタニタされています。
「という訳で、悪いけどすぐにジャコモを呼んできてくれるかしら。 私はジャコモが来るまで寝てるわ。 悪いけど入口には「CLOSE」の看板を掛けて来て!」
「師匠、盗聴器は残して置けばよかったのに。今日の予約分がありますから働いて下さい。」
私が師匠に告げるととても不服な顔をされました。
「いや、盗聴器は気持ち悪いしそれに…一日ぐらいどうに」
私はその師匠の言葉を遮ります。
「生活かかってますから、予約の2件はやってください。 もうすぐニールサさんも来ます。」
「! そうね!」
…ニールサさん、ごめんなさい。 師匠はあなたに仕事押し付ける気満々です。
そうして私は開店準備を済ませ、ニールサさんが来ると同時に店を出ました。
勿論、ニールサさんには沢山謝っておきました。 ニールサさんはまだ理解してないでしょうが、これからなんです。 本当に申し訳ない気持ちいっぱいなんです。