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4話 お風呂の入り方

宿のお部屋は机と椅子、そしてベッドが一つ…他には、お風呂とトイレしかありませんでした。

「それで、お兄ちゃん!ご飯にする?お風呂にする?それとも…」

兄妹に間違われたので"兄ちゃん"と言ってみます……微妙な反応をされました。

「まずは汚いお前を洗う、それにメシの時間にはまだ早い。」

女の子に向かって『汚い』は、ひどいです。

確かに、この前にいつお風呂に入ったか覚えてませんが…

それに洗うって…私はペットではありません!


「とりあえずお湯入れて来るから服脱いで待ってろ。」

「!!」

完全に子供扱いされました、私の羞恥心は無視ですか!

でも、イケメンお兄ちゃんと一緒にお風呂ならここは子供扱いされておくべきでしょうか?


1分後…


お風呂が沸いたみたいです、筋肉相手に魅せた風魔法も凄かったですが、一瞬でお湯を沸かす水魔法?も凄いです。


お風呂です、残念な事に久し振りです。

まずは頭の上からシャワーを浴びます!?

「何故シャワーが…」

上を見上げるとシールド魔法に無数の小さな穴が空いていて、その上に水が貯まっています…

普段使いできない穴空きシールド魔法に温水魔法、更に穴から勢いよく水を押し出す風魔法まで使っています。


…なんと言うか。

「才能と魔力の無駄遣いですね…。」

「うん?まぁ、褒め言葉として受け取っておくよ。」

備え付けの石鹸で全身を洗ってもらいます、泡が黒くてやばやばです。

…3回洗ってようやく白い泡が立ちました、どれだけ汚れていたのよ、私…。


綺麗になった所で湯船(と思われる大きな盥)に浸かります、よく見ると盥の枠がシールド魔法により延長され肩まで着かれるようになってますが、もう驚きません。


肩まで着かって100まで数えます。


「ひー ふー みー よー…

……

ここのそぢあまりここのつ ももち!」

(ザバーン)

「100は長いよ!!」

「いや…なんでその数え方にしたのさ…?」


お風呂から出ると、いい感じに夕食の時間でした、髪の毛を温風魔法で乾かしてもらいます。

魔法はとても便利だと思いました。


「私も魔法が使えたらなぁ…」

「アリスは魔法使えないの?」

「誰も教えてくれる人いなかったし、それに学校に行くお金もないし。」

「だから、お兄ちゃん!魔法教えて!」

「いいよ」

「駄目なのは分かってるけど、そこを何とか…って、いいの!?」

「別にステーキのお金みたいに減るもんじゃないし、カーナビのお礼に?」


「ステーキ…」

お兄ちゃんが私の心を抉ってきます、もう許してください。


心のダメージと引き換えに魔法を教えて貰える事になった私は複雑な心境で宿の食堂へ向かいます。


席に着くともう注文するなり、もう料理が運ばれて来ました。

(早いよ!)

「いただきます」

料理の味はそれはそれは普通でした。


途中で気が付いたのですが、普通に両手でスプーンとフォークを持つ私に対し、お兄ちゃんは、アイテムボックスからでしょうか?何やら短くて細い棒のような物を片手に2本持ち、器用に食事を進めています。

その棒について聞いてみると『箸』と言う名前で、これに勝る食器はないとまで言われました。でも難しそうなので私はスプーンとフォークでいいです。 もぐもぐごっくん


「ごちそうさまでした」


夕食を終えてお部屋に戻ります、窓の外は朝の雨が嘘のような綺麗な星空が広がり、まん丸のお月様が2つ空に輝いていますが、私は図書館でお昼寝をしたおかげで、まだ眠くないので、さっそくお兄ちゃんに魔法を教えて貰う事にします。わくわく


「部屋の中だし危ない魔法は教えないよ?」

「大丈夫!最初に私が教えて欲しい魔法は…」


当然アイテムボックスである。

そう、アイテムボックスである。

アイテムボックスがあれば物を失くす心配も取られる心配もありません。私専用の鍵付き金庫です。素晴らしい。


「よりによって一番難しい魔法を…」

お兄ちゃんは何やら考える込んでいる様子…

やっぱり教えるのも難しいのかな?

アイテムボックスが難しい魔法なのは私も知っているのです、使えるのは優秀な魔法使いの更にその一部のみ。しかもその容量もピンキリで数㌔~数百㌔と様々。

でも、お兄ちゃんは少なくともオーク3体が入るので、もしかしたら1㌧に届く容量があるかもしれません。凄いです。


「うーん、じゃぁ先ずはアイテムボックスに入れる物を決めよう、なるべく小さくて軽い物、そして思い入れのある大事な物がいいんだけど何かあるかい?」

「う~んと…あっ!」しゅるしゅる

「お母さんに貰ったこの髪止めにします!」

髪止めには何の効果があるのか分からない小さな魔石が1個付いています。

「じゃぁ、その髪止めをアイテムボックスに入れる練習をします、まず見本を見せるからよく見ててね。」

「はい!」

まっすぐに手を上げ元気よくお返事します

「まず最初に亜空間を開きます。」

「あくーかん?」

「入れたい物を入れます」

「入れます!」

「亜空間を閉じます」

「閉じます!」

「おしまい」

「!!」


「どう?カンタンでしょ?」

「うん!分からない事が分かった!!」



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