101話 鼻水の作り方
問題です!
8等分にされたケーキを6人で分けた時、私の取り分は?
えっ、なんで6人なのかって?それは途中でサボり魔を探していたメイド長が現れたからです。
はい、正解は2個です。ちなみに内訳は…1人で半分食べようとしていたサボり魔が2個、それを阻止したメイド長が2個、さっきからなにやら考え込んでいる料理長が1個、お兄ちゃんは1個のケーキをリッカちゃんと半分こ、そして私が2個です!
ケーキはクリームの甘さとイチゴの甘酸っぱい感じがなんとも言えず、とても美味しかったです。でも、最後の方はは流石にお腹が苦しかったです。
それに、お腹もぽっこりしています。別腹なのにおかしいですね?
そして皆さんがケーキを食べ終わり、メイドさん達が食器の片付けをしている時、そろそろ出発しようかと言う話になると、先ほどからずっと考え込んでいた料理長が話を始めました。
「なぁ、お兄さん、あなたを凄腕の治療魔術師と見込んで頼みがあるんだが。」
ここでまさかのお兄ちゃん指名です。
でも…。
なぜでしょう…凄く嫌な予感がします…。
話を聞くと料理長の娘さんが病気だから観て欲しいと、かなり濁された説明をされました。
これは、また出発の日にちが伸びそうですね。
料理長は住み込みではなく自宅から領主邸に通いで毎日家に帰るみたいです。
ちなみに今日の夕食の仕込みは終わっていて、後の事は部下に任せて、今日は帰るだけだそうです。
そして、10分程歩き、料理長の自宅に到着しました。
この距離なら通いでも苦じゃありませんね。
「狭い家ですがどうぞ」
「「「お邪魔しまーす」」」
料理長は狭いと言いましたが、ぜんぜんそんな事はないです、むしろ大きいくらいで私の家の倍くらいあります。
「今、娘を連れてきますのでこちらでお待ち下さい。」
そう言って私達を客間に案内すると慌てた様子で娘さんを呼びに行ってしまいました。
そんなに慌てなくても大丈夫ですよ?
そして、すぐに客間の扉が開かれました。
随分と早いですね?
「あら?こんにちは。」
この人が娘さんでしょうか?でも見た感じ病気のようには見えませんね?
「「「お邪魔してます」」」
「主人がお医者さんを連れてきたっていうのでお茶をと思いまして。」
「!!」
主人ですか!?聞き間違いじゃないですよね?…あのおじさん…料理長に、こんなに若い…と言うか幼い奥さんが!?
………流石に犯罪の臭いがしますね…。
「今お茶を入れますね。」
そう言ってなにやら目を瞑って集中している様子の奥様…
「水よ集え、沸き上がりなさい!」
一瞬でお湯が沸きポットに注がれました。
これは凄いですね、水じゃなくていきなりお湯が出てきました!
「流石はエルフさんですわね。」
「いえいえ、それほどでも。」
「えっ?エルフさん?」
「気が付かなかったんですの?」
そう言われてみれば、なんとなく耳がとんがっていますね。
「エルフと言ってもハーフですけどね」
なるほど、いろいろと納得しました。
「すいません、お待たせしました」
いえ、料理長さん。ぜんぜんお待たせされてないので安心して下さい。
「あの…こんにちは…。」
料理長が連れてきた娘さん?は奥さんと同じ顔をしていました。並んだら姉妹にしか見えませんね。
問題なのは娘さんの方が僅かに大きい事ですが…。
そして、何故か娘さんはずっと目を瞑ったままですアレでは前が見えないのでは?
「あー、なるほど…。」
お兄ちゃんが何かに納得しています。…そして頭を抱えてます、なんでしょう?
「どうやら察して貰えたようですね…どうですか?治せますか?」
「お父さん!もういいって言ったでしょ!どうせ治らないのに…お金の無駄だよ!」
「いや。今度は大丈夫だから。」
「無理だよ!!」
…親子喧嘩が始まってしまいましたね…。
娘さんがお母さんに宥められながら連れて行かれた後、私達はお茶を飲みながら料理長…いえ、お父さんから詳しい話を聞いています。
「…なるほど…。つまり光を感じる事もできないと。」
「はい」
話によると娘さんは、目が見えないんだとか。
それで目の前で見たことない魔法で痣を治したお兄ちゃんに治療のお願いをしたみたいです。
「それで…治せますか?」
「うーん。やってみないと分からないですね、目って言うのは人間の体の中でも細い神経が集中しているので、それの異常を見つけるのはかなり難しいと思います。それに、目ではなく脳に異常がある可能性もあります、もしそうだったらお手上げですね。」
「…脳って鼻水を作る器官ですわよね?なんで目と関係があるんですの?」
「…えっ?」
「お兄ちゃん、まさか知らなかったんですか?私でもそれくらい知ってますよ?」
お父さんもコクコクと頷いています。常識ですよ?
「…知らなかった…。」
「「えぇー!!」」
「…まさかそんな古代の知識が常識とされているとは…。」
「「…えっ?」」
地震で起こされ寝れず…そのまま、なぜか執筆作業は進むものの話は進まず…。




