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作戦の実行

ブックマークが100を越えました!(パチパチパチパチ‼)

ランキングに載るような人たちやそういった作品には遠く及びませんが、それでも多くの人に読んでいただいて嬉しい限りです。

迫り来るベヒモスの手は、横から衝突した漆黒の球体によって軌道が変わる。そして、俺の少し横を通りすぎていった。


「旦那様!大丈夫かの!」

「大丈夫ですか!横井君。」


ベヒモスの手が起こした土煙の中から現れたのは、魔化状態になったリリと恵だった。


「二人とも、助かった。」

「もっと気を付けてほしいのじゃ!魔化をできるだけセーブしておったと言うのに、咄嗟に使ってしまったのじゃ!」


魔化を解きながら、リリがそう言った。

長期戦になることを考えて、リリには魔化をセーブしてもらっていたのだ。


「そうですよ!もし間に合ってなかったらと思うと・・・。」

「ま、まぁ直撃しても死にはせんだろ・・・たぶん、」


普通に死ぬかも知れんが、まぁ間に合ったみたいだし、いいか。

さっきベヒモスの手が止まったのは、恵が異空間固定をしたから。それでも固定を破って動き始めていたところにリリの魔法をぶつけたわけか。


それでも軌道を変えるだけとは、本気で死ぬところだったみたいだな。


少ししてあかりとミナも戻ってくる。


「二人は大丈夫か?」

「ん、大丈夫。」

「私も大丈夫だよ。ほんとよかった。私、突然のことで全然動けなくて・・・。」


何もできなかったことに罪悪感を感じているのか、あかりとミナがうつ向いている。


「あれは仕方ないのじゃ。横から見えていた妾たちでもギリギリだったわけじゃからの。」

「そうだな。それに今ピンピンしてるし、大丈夫だ。」


リリがフォローしてくれたおかげで、二人も気持ち元気になってくれた気がする。

互いの無事を確認しあったところで、本題に入る。


「それでリリと恵が来たってことは、準備が出来たのか?」

「はい、準備完了ですよ。」

「すぐに始めたらいいかの?」

「あぁ、できるだけ早く方をつけたいからな。俺から指示を出すよ。」

「わかったのじゃ。」


準備は完了したみたいだな。

俺はリリと同じ方法で指示を出す。その先は、天城翔太だ。


「天城、準備できたなようだな。」

『こっちは大丈夫だ。いつでも行けるぞ。』

「わかった。カウントダウンに合わせて一斉にやってくれ。」

『おぅ!』


それから少しばかり向こう側からたくさんの声が聞こえてくる。内容はわからないが、たぶん天城ぐらいが演説して士気を高めてくれてるんじゃないかと。雰囲気でそろそろ終わったかと言うぐらいのところでカウントダウンを始める。


「じゃあカウントダウン始めるぞ!5・4・3・2・1・・・0‼」


カウントが0になったその瞬間空の一辺が白く光り、そこから空を埋め尽くすほどの無数の弾幕がベヒモスへと飛んでいく。赤、黄、青、緑、白、黒とそれらひとつひとつの魔法弾はベヒモスに対しては弱いものだが、ひっきりなしに続くその数で徐々にベヒモスへダメージを与えていく。


「すごく綺麗。」

「ほんと、綺麗だね~。」


その多色に輝く景色はここが戦場であるとは思えない美しさを醸し出していた。


「さて、俺たちもやるか!」

「「「「はい(なのじゃ)!」」」」


みんなが攻撃でべヒモスを足止めしてくれている間に、一気に畳み掛ける。それが今回の作戦だ。クラスのやつらにはありったけのMP回復ポーションを渡してある。そう簡単に魔力切れになることはないだろう。

そして、ベヒモスのほうも作戦通り動けないようだ。


一度切っていた消滅付与をもう一度解放、一気にベヒモスへ間合いを詰める。みんなには顔や腕等を魔法で攻撃してもらっているので、俺たちに当たる心配もない。


リリが魔化を発動し、魔法の準備を終わらせたところで全員がベヒモスに向かって飛ぶ。それにあわせて一人一人に二機ずつ空間遮断円盤を飛ばし、個人で動かせるようにした。これで空中移動が可能になる。


全力で走ったため移動中に溜めができなかったが、飛び上がってからの数秒で溜めた消滅付与を解放。リリは手を前につきだして魔法を放つ準備。同じく恵も片手をつきだして、異空間固定したベヒモスの攻撃を放つ準備をする。


互いに見合せ、タイミングを揃えて・・・。


「「「消滅、溜め解放!」」」

「《神越氷刃》!」

「異空間固定、解放!」


その一瞬だけで、クラスメートたちが放った魔法弾すべての何万倍ものエネルギーがベヒモスの膝の位置へと放たれる。消滅は、溜めたエネルギーを斬撃波として飛ばす。それらが合わさった攻撃は、あっさりとベヒモスの膝から下を切り落とした。切り落とされた足は、煙となって消えていく。そして、それを補うようにベヒモスが変形し、少し小さくなった。


「よし!この調子でいくぞ!」

「わかった!」

「ん、了解」

「分かりました。」

「旦那様、手分けして各部位を破壊していくのじゃ。その方が効率がいいからの。」

「わかった。あかりとミナ、リリと恵のペアで攻撃してくれ。」

「孝介はどうするの?」

「俺はもう少し上のほうに行ってみる。」

「わかった、気を付けてね。」

「そっちもな。」


そこからは手分けして攻撃を開始した。クラスメートの弾幕のおかげでベヒモスから大きく攻撃されることはなく、順調にベヒモスへダメージを与えていく。

そして・・・。


「これでいけるだろ!溜め時間5分、消滅、解放‼」


シュバァァァン!!


そろそろクラスのやつらの魔力がヤバイらしかった。そこで、剣のが耐えられるか分からないが、一か八かみんなには離れてもらって、溜め5分の消滅斬撃を放つ。そのエネルギーに剣が消滅していくが、同時に・・・


ベヒモスは大部分が消滅し、半分に一刀両断されていた。


残された部分も肉体としての機能を果たせないのか煙となって消えていく。


消滅のエネルギーが消えた後に残っていたのは・・・禍々しい色をした、ベヒモスの核だった。

やっとベヒモスが倒された・・・?

物語のクライマックス。ラストスパートです!

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