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時間稼ぎ

遅くなってしまいすいません。(諸事情がありまして・・・。)

マジックバッグを開き、細長い円柱状の装置を取り出す。それを地面に突き刺すようにセットして、装置を起動する。


「《ライトスモーク噴出装置》起動!」


クオォォォン!    プシューーー!


モーターが回るような音がしたあと、数秒ほどして円柱の先端から白い煙、《ライトスモーク》が噴出される。


《ライトスモーク》(リリの)服から採取したバレッドスモークを解析し、バレッドスモークとは真逆の性質を持った物質を作り出した。その物質を煙にしたものだ。


装置から噴出されたライトスモークの煙幕はあっとゆう間に広がり、バレッドスモークに吸い付いていく。真逆の性質を持つため、安定した形をとろうとして互いに引き寄せあってくれるのだ。


ライトスモークが次々にバレッドスモークを中和していく。装置が止まるころには回りにあったバレッドスモークは綺麗に無くなり、腐蝕された建物の数々が残っていた。


「よし、ちゃんと消してくれたようだ。」

「旦那様、空間の乱れも解消されたのじゃ。」


やはりバレッドスモークが原因だったみたいだな。


「リリ、クラスのやつらに連絡できるか?」

「大丈夫なのじゃ。」

「なら、予定通り行う。合図にあわせて始める、と伝えてくれ。」

「了解じゃ!」


リリに連絡は任せて、俺はみんなの方を向いた。


「孝介様、時間稼ぎ、始める?」

「あぁ、すぐに始める。クラスのやつらがくるまで持ちこたえるぞ。」

「「「はい!」」」


そこでリリが戻ってくる。連絡を終えたようだ。


「連絡できたのじゃ。次は時間稼ぎじゃな。」

「そうだ。俺、あかり、ミナは接近戦、リリは魔法での援護とクラスのやつらへの連絡、恵はリリの隣にいながら盾役と、異空間固定でベヒモスの攻撃をリフレクト(反射)してくれ。」

「「「「わかった(のじゃ。)」」」」

「やることはあまり変わらないが、こっからはベヒモスの攻撃が一気に激しくなると思う。気を付けてくれ。」


今までのベヒモスの攻撃はほんの序の口だろう。少なくないダメージを受けている今のベヒモスから繰り出される攻撃は一気に激しくなるはずだ。


互いに状態確認をしてから、俺を含む三人、近接組が走り出す。バレッドスモークによる修復をできなかったベヒモスは技後硬直で固まっている、と思ったが現実はそう甘くはなかった。


「っ!《空間遮断円盤》!」


ベヒモスまで半分ほど来たところで四方八方から無数の光線が飛んでくる。急いで円盤を展開するが、少し掠ってしまった。デバフ効果があるのか意識が飛びそうになる。急いで回復ポーションを飲む。・・・他の二人に当たらなかったのは幸いか。


「孝介!大丈夫⁉」

「大丈夫、だ。それより、回避に、集中しろ!」

「わかった。」

「孝介様、気を付けて、ね?」

「あぁ、」


言葉が途切れ途切れになる。空間遮断円盤をみんなの回りにも飛行させ、その上恵の守護とリリが魔法で光線を打ち消してくれているおかげでなんとか持ちこたえられている状態だ。


ベヒモスに近づくにつれ光線の数が異常なほど増えていく。剣で体の主要部分はガードしていくが、それでも徐々にダメージが蓄積している。回復ポーションを飲むスキもなく、このままでは不味いと思っていたそのとき、


「ん?急に光線が消え・・・そうか。」


突然光線の猛攻が止む。一瞬困惑したが、すぐに答えにたどり着いた。


「ベヒモス、近い。」

「うん。至近距離で光線は打てないんだろうね。」


なんとかベヒモスの近くまでたどり着いたようだ。少し見上げると、そこにはベヒモスがいた。


「っ!孝介!足が再生してる!」

「自己再生、できる、の?」

「・・・いや、違う。最初の時より少し小さくなってる。たぶん全体を小さくすることで足の部分を補ったんだ。」


さすがワールドイーターと言ったところか。エネルギー供給がない以上再生はできないが、行動不能状態への対応はできるってわけか。


「面倒な能力だな・・・でもやることは変わらない。いくぞ!」

「「うん!」」


多少小さくなったといってもまだやっと頭の部分が霞まなくなったぐらいのベヒモスに向かって攻撃を仕掛け・・・ようとしたその瞬間、


ブゥゥォォン!


その巨体からは想像もつかないスピードでベヒモスの手が降り下ろされる。

咄嗟に全員が横に飛ぶことで直撃は避けるものの、圧縮された空気の壁と、超音速による衝撃派によって吹き飛ばされる。


「くっ!みんな、大丈夫か?」

「だ、大丈夫だよ。」

「なんとか、大丈夫。」


よかった、みんな大きなダメージはなさそうだな。そう安心するのも束の間、すぐに追撃がきた。


「同じ手はくらうか!《風壁》」


前回同様、横に飛びながら今度は《風壁》を使う。これで空気の壁を相殺する。それと同時に、


「土、解放!あかり、ミナ、消滅を溜めろ!」


付与、土を解放して、すぐに溜めに入る。あかりとミナには消滅を溜めてもらう。

溜め時間2.5秒。十分ではないが問題ない。


「溜め解放!」


溜めを解放した剣で、地面に叩きつけられたベヒモスの手の・・・すぐ横の地面を切りつける。すると、ベヒモスの手を覆うように岩が生えてきた。これぐらいの固定は簡単に壊されるだろう。が、少しでも時間が作れれば


「今だ」

「「はい!」」


あかりとミナに指示を出す。二人はすぐに反応し、高く飛び上がる。


シャヴヴヴン‼


消滅付与独特の音が二つ重なる。あかりとミナから繰り出された剣は、スッパリとベヒモスの手首を切り落としていた。


グォォォゥゥ!!


ベヒモスの怒りのこもった呻き声が響く。その直後、


ゴゴゴゴゴ・・・!


地鳴りのような音がしたと思うと、すぐに後ろにベヒモスの手が迫っていた。


「くっ!まだ片方の手を上げてなかったのか!」


一撃目の手がまだ地面にあったのか、思わぬ方向から攻撃がくる。魔法を使うほどの時間もなく、さらに魔法を使ったとしても防げないだろう。

きたるダメージに備え手をクロスさせ、少しでもダメージを軽減させるために後ろに飛ぶ。


「「孝介(様)!」」


ガァァァン!


想像を絶するであろうその衝撃は・・・来なかった。


目の前には一瞬動きの止まったベヒモスの手と、それに横から直撃する漆黒の球体があった。

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執筆中の二作品目もできれば読んでみてください!

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