第19話
学校の課題などが忙しくて更新が遅くなり申し訳ありません。
当分更新ペースが落ちますが、3月には州に戻ります
それから国王の話は、帝国が召喚した勇者の職業や固有スキルなどについてが話された。
召喚されたばかりなのにこれだけの情報をすでにつかんでいることに、王国の諜報員の能力の高さに驚かされた。
「以上が帝国が召喚した勇者についての情報になる。魔王を討伐するには勇者の存在は必ず必要となる。そのため互いに衝突することは、あってはならぬことなのだ。ゆえに、もし帝国の勇者たちと出会ったとしても決して戦闘をしてはならぬぞ」
(帝国の勇者は6人、それに対してこちらは400人もおるのだ。帝国の諜報員が紛れ込んでいたとしてもこれだけの人数全員の情報を集めるのは不可能だろう。これは、帝国との戦争でのアドバンテージとなる。情報を与えないためにも、向こうの勇者との戦闘はできるだけ避けねばなるまいな。それに、魔王のこと気になるからな)
国王は帝国との戦争について悟られないよう注意しながら話した。
「わかりました。魔王を倒すためにも、注意します。みんなもいいね?」
「「はい!!」」
「「おう!!」」
輝光の意見にみんな賛成する。
僕達も周りに合わせるように返事をした。
「うむ、では話はここまでだ。勇者様方は解散してもらって構わない」
国王の言葉にそれぞれの部屋に戻っていった。
僕たちも今日は解散することにした。
♦
国王の話を聞いた一か月後、帝国から勇者を召喚したことが発表された。
人々の間では、過去にない2か国の勇者召喚の話題で持ちきりになっていた。
そんな中、僕たち王国の勇者は帝国の勇者と出会うことなく着実に力をつけていた。
特に輝光君たち勇者パーティの成長がすさまじく、イーダンのダンジョンを30階層まで攻略を完了させ、メンバーも全員がレベル40を超えていた。
他のメンバーも皆レベル30を超えて王国の騎士団の団員よりも強くなっていた。流石に団長には勝てないけどね。
当然だけど、僕たちのパーティもみんな強くなっている。
ちなみに僕は、レベル50を超えたところだ。
本来は職業の特性でレベルが上がりにくくなっているんだけど、半月ほどひたすら迷宮に潜って魔物を借り続けていた結果、何とか50まで上げることができた。ただ、レベル上げに集中しすぎてほとんど屋敷に戻れてないし、鈴華たちとも食事の時くらいしか合えなかった。そのため後日全員と順番にデートすることになった。なぜか、メイド幽霊達ともデートすることになっている。
ちなみに残りの半月は錬金術のスキル上げに集中していた。当分はダンジョンに潜るなってみんなに言われたんだ。
召喚されてから4カ月たった今日までに召喚者の中から死亡者は一人も出ていない。
元々ステータスが高かったことと、王宮から支給された高品質の装備一式、それにアルフレッドさんの指導がいいというのが一番の理由なんだと思う。
ただ、死亡者が一人も出てないってことで、少し慢心気味なものもちらほら出てきたことが少し心配だ。このまま死亡者が一人も出ないで元の世界に戻れたらいいと思う。
「ねぇ悠璃、帝国の勇者ってどんな人たちだと思う?」
那月が唐突に聞いてきた。
「うん?そうだね、どうなんだろう。召喚についての発表はされたけど、勇者自体のお披露目はまだされていないからね。ただ、もし仮に同じ地球からの召喚者だったとして、必ずしも善人であるとは限らないだろうね。地球はもとより日本だけでも、数億人以上の人口がいるんだからさ。当然それだけの人がいれば、善人も悪人も数えきれないほどいるだろうし、召喚者の選択基準もわからないからね」
僕は作業を続けながら僕自身の考えを話した。
「まぁ、この前の国王の話と情報の速さから考えて、王国の諜報員は優秀みたいだし、もしかしたらそういう情報も既に掴んでいるかもしれないけれどね」
もしかしたらフローラならなにか情報を持っているかもしれないね。後で聞いてみようかな。
「ところで、悠璃はさっきから何をやっているの?」
「錬金術のスキルレベルを上げているんだ。スキルレベルが上がれば、いろいろ作れるようになるからね」
そのうち鍛冶スキルなんかも欲しいな。今度鍛冶スキルを持っている奴隷でも見に行こうか。
そんなことを考えながら、錬金術を続けた。




