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文体練習(仮)

神社が売る開運アイテムとして現金を用意すると実におもしろいのではないか、ということをふと考えた。手元の現金と神社が用意して御祓いも済ませた現金を交換する、というものだ。

とりあえず、お守り代わりに大金を持ち歩けば、大方の“不運な事態”はなんとかなるような気がする。さらに、手数料で神社は儲かるし、非合法組織は資金洗浄がはかどる。

これで全員幸せになれる、ということまで考えたが、案の定どうでもよくなる。こんなことに時間を使ったことが恨めしい。

もし時間泥棒がいるのなら、喜び勇んで作者のところにやって来るだろう。


というどうでもいい話から何かあっと驚くような展開を生み出そうと考えたが、上手くいかないものである。

何か話を書くときには、最後の着地が上手くいくのかどうか、作者の場合は分かっていることが多い。他の人がどうかは知らないが。

なら今回の書き出しは上手くいかないことが分かっていたのか、と聞かれる方がいるかもしれない。

大当り。大正解。ご名答。おめでとう。まったくその通りである。

それならなぜそんなものを採用したのか、という疑問は、至極全うなものだ。

その理由は簡単で、ただひたすらに締め切りが迫っているからだ。


こういったことは、本来なら隠すべきなのだろう。これらを隠してきれいな形に整えたのが、世にある小説というやつの大半を占めている(らしい)。

ただ、このつぶやきはくだらないものであり、普段は隠す内面を晒してみるのも実際はおもしろいのではないか、と思う。

このような『本来ならやらないこと』に目をつけたのが、いわゆるニッチ産業というやつだ。

人類の歴史は長く、ビジネスを新しく始めるのは難しい場合も多い。何せ、自由主義経済のもとでは競争をくぐり抜けなければならないのだから。

成功率を少しでも上げたいのならば、競争相手がなるべく少ないところを選ぶ方がいい。理想を言えば、相手がいない方が嬉しい。

こういったことを考えてみると、誰もやっていない“隙間”を上手く見つけることが、成功の秘訣になりうるのである。

もちろん、誰もやっていないことでも、意図してそうしているのかそれともそうでないのか、見分ける必要はある。

しかし、やってみる価値があることも少なくない。


というように話を続けると、その内に落ちがつきそうな気がする。

気がするが、このまま続けるのではおもしろくない。

なので、別の話を続けようと思う。

思うが、何を書けばいいのか、ということは全く見えてこない。

こんなときにどうするのかと言えば、普段なら丸投げして一旦忘れるものだ。時間というのは便利なもので、解決策を結構な頻度でひねり出してくれる。

ただ、今はそうはいかない。先ほど書いたように、締め切りが迫っているのだ。


というように考えながら文章を書くことも多い。

基本的にぐうたらの作者にとって、締め切りとの戦いは日常茶飯事なのである。

むしろ締め切りの刺激のあかげで良い文章が書けている、というふうに考えたことは、ただの一度もないが。

何にせよ、締め切りというのは功罪両面を兼ね備えた劇薬なのである。



というように書くと、なんとなくまとまったような気もする。

今回は、本来なら隠すべき部分と、そうでない部分を同じ文章の中にねじ込んでみたが、思ったより気味の悪い文脈になった。微視的な文脈と巨視的な文脈の間にねじれが生じているからだろう。

みなさんは、こんなことはくれぐれもなさらないように。



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