第二幕 第九場
おっぱい村の外にある森の中では、焼きこげた狼達の死体を目にし困惑する猟師達と猟犬達の姿があった。
「いったいこれはどういうことだ?」猟師コルベスが言った。「真っ黒に焼きこげてやがる」
「誰がやったんでしょうね?」別の猟師が言った。「こんなことができるのが、人間とはとても思えない」
「脅迫状を送りつけてきた輩でしょうか?」猟犬が言った。
「だとしたらそいつは何者だ?」猟師が思案げに唸る。「何匹もの狼を相手にこれだけの事ができるんだ。おそらくは単独犯ではなく、仲間がいるに違いない」
その時だった。狼の咆哮が聞こえたかと思うと、森の木々を縫うようにして猟師達に急接近する巨大な黒い影。それはビッグウルフだった。ビッグウルフは猟師達の前に現れると大きな口を開け威嚇する。猟師達は猟銃を構え警戒した。
「よお、人間ども」ビッグウルフは言った。「お前らおっぱい村の連中だな」
「だとしたらどうした」コルベスがビッグウルフの眉間に狙いを付ける。「それがお前になんの関係がある」
「何の関係があるだと」ビッグウルフは怒りの形相になる。「お前らのやったことは絶対に許さんぞ。今日中におっぱい村の連中を皆殺しにしてやる。楽しみにして——」
コルベスが引き金を引いた。だがしかし、ビッグウルフは素早く身を伏せこれを避ける。
「不意打ちとは汚いぞ人間どもめ。その汚いやり方で俺たちの仲間を——」
「撃て!」コルベスが叫んだ。
猟師達が一斉に猟銃を放つ。コルベスの撃てという言葉に素早く反応し身を翻したビッグウルフであったが、何十発もの銃弾の前に数発被弾してしまう。しかしながら運良く致命傷を免れたビッグウルフは木の陰に姿を隠した。猟師達が素早く弾を込め直す。
「ちくしょう!」ビッグウルフが吠えた。「おぼえていろ人間ども。仲間を集めて貴様らを今日中に一人残らずなぶり殺しにしてやる」そう言うと森の草木にまぎれながら逃亡する。
猟師達が追撃に出るも、ビッグウルフは森の奥へと消えてしまった。
「なんてやつだ。あれだけの銃弾を浴びながらまだ生きていやがる」猟師が言った。
「狼は頭がいい。次は仲間とともに連係プレーを仕掛けてくるはずだ」そう言うとコルベスは猟師の一人を指差す。「お前は村に帰ってこの事を村長に伝えてくれ」
「わかりました」猟師は仲間のもとを離れ、村へ走っていく。
「狼め。絶対におっぱい村には手を出させんぞ」コルベスの目つきが鋭くなった。「娘のリーゼのためにも、おっぱい祭りの邪魔はさせん!」




