【プロローグ】クズの最後
「チッ、また負けやがった」
右手に酒を持ちながら、パチンコ台を叩いて文句を言う。
「お客様……台を叩くのはちょっと……」
まじめそうなオタク店員が注意してきた。
「あ? 俺の金なんだから何したっていいじゃねぇか!」
店員はおどおどしながら口を開いた。
「ですが……」
「文句あんのかよ! お客様は神様、店員はゴミなんだからよぉ! 黙っていればいいんだよクズが」
苛立ちが周囲に隠せないほど出ていやがる。キャバクラにでも行くか。
歩きながらタバコを吸っていた。
「はぁ~、タバコは最高やなぁ」
俺は、借金、恐喝、強姦、ハラスメント、ギャンブル、薬物、犯罪――自分が楽しいことは何でもやってきた。それの何が悪いのか、自分のやりたいことをするのが人間だろ?
そんなことを考えながら歩いていたら。
「お前は……誰だっけ?」
「……あなたがあの子を……あの娘を……虐待したせいであの子は……自殺したのよ!?」
怒りと憎悪のこもった声だったが、逆に笑える。
「アレくらいで自殺するなんてw カスだなw てか逆に今ので傷つけられましたぁ〜。はい、慰謝料」
と手を差し出した。女は鬼の形相になっていやがった。
「こりゃあ傑作w 傑作w 親子もろともカスだったってこ……」
その瞬間、女は俺に刃物を突き刺した。血が抜けていく感じがする。
「何しやがるてめぇ……」
痛い、痛い。そして俺はそこで生涯を終えた。




