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第14話 プリン

初心者です。

生暖かい目でご覧ください。

誤字脱字等ございましたら、ご連絡ください。

今回、短めです。

「う、うん」


俺は目を覚ました。

どうやら意識を失っていたようだ。


「えっと、何してたんだっけ?」


俺は記憶を探っていく。


「そうか、ミコと摸擬戦してたんだ」


俺は周りを見渡す。

すると、俺の周りは凍っていた。

おそらく、ミコが最後に使った魔法だろう。

俺が「魔力結界」を発動したところ以外がかなりの範囲凍っている。

そしてさらに凍っている外側を見ると大きなクレーターができていた。

恐らく俺が放った。グングニルの余波だろう。

俺の体は傷こそついてないが、魔法の衝撃でかなりダメージを負っているし、周りが寒いせいで体中がかじかんでいる。

だがその体を起こし、クレーターの中心まで歩くとミコが寝ていた。


「あの攻撃を受けて無傷かよ」


この場合シンにもそれが言えることを言うものはいない。


「ミコ、起きろ、ミコ」


俺はミコの体を揺らす。


「ううう、んん」


ミコが体を起こした。


「あら、シンおはよう」


「あぁ、おはよう」


「あれ、私なんでこんなところで寝ているんだっけ?寝ぼけてて思い出せないわ」


「俺との摸擬戦で気絶したんだよ」


「そういえば、そうだったわね」


「ったく、お前の魔法。あきらかに殺しにかかってるとしか考えられない、強力な魔法ばっかでめっちゃきつかったんだけど」


1日で災害級魔法、破滅級魔法、絶望級魔法の3つを見れたものは。

果たして世界でも何人いるのだろうか?


「それ、貴方が言えることじゃないでしょうに。なんなの?あのでっかくて黒い球体を飛ばすやつ」


「あぁ、大砲な。俺がいた世界にあった兵器だ。」


「じゃあ、なんなのあの槍。魔法に集中してたせいで「鑑定」できてないんだけど。絶対ただの槍じゃないでしょ。あれもあなたの世界の兵器なの?」


「あぁ、グングニルことか。そういえば、あれどこいったんだ?」


ミコに向かって投げたから。

てっきりここら辺にあるものだと思っていたんだが。

そういえば、グングニルのスキルに「舞い戻り」ってスキルがあったな。

確かグングニルは投げても帰ってくるはず、ということはこのスキルで戻ってくるかもしれない。

だが、手から離れているのに武器のスキルが使えるのか?

疑問に思いながらも俺は普段通りにスキルを使う感じで「舞い戻り」をイメージする。

すると、、


「戻ってきた」


俺の目の前には俺が投げたグングニルが浮かんでいた。


「この槍ね。「鑑定」してもいいかしら?」


「構わないぞ」


ミコは「鑑定」を発動する。


「神槍、ってことは神の産物。でもオーディンなんて神、私知らないわよ?」


「そのオーディンって神も地球の神話に出てくる神だからな。ミコが知らなくても無理はない」


「なるほどね。これを咄嗟に「創造」で創って。私に投げたわけか」


「そういうことだな」


「神魔と吸魔だけじゃなくて、他の神の神器まで創れるなんて」


「神器ってなんだ?」


「神剣や神槍みたいな、神の加護を受けた産物のことよ」


「神魔や吸魔、このグングニルも神器になるわね」


「なるほどな。さてと、結局二人とも気絶しちまったけどどうする?」


そう、摸擬戦の結果はまだ決まってない。

この摸擬戦はなんとなく始まったもので勝利条件までは明確に決められてなかった。

だが、摸擬戦なのだから普通に考えれば気絶した方が負けだ。

そして今回は二人とも気絶した。

この場合、摸擬戦の勝敗はどうなるのか。


「そうねぇ、普通なら摸擬戦で二人とも気絶したなら。無効試合だけどそれじゃせっかく二人とも頑張ったのにお互い納得できないわよね」


ミコが意味ありげに俺の方を見てくる。

恐らく俺とミコが考えていることは同じだ。

もともとミコが決めかねていたら、俺から提案しようと思っていたし。

乗ってやるか。


「そうだな。せっかくお互い全力で戦ったのに無効試合は後味が悪いよな」


「そうよね。じゃあ、どっちも勝利ってことにしましょうか」


「そうれがいい。ってことは俺とミコは二人ともお互いへの命令権を得たわけだ」

そうこの摸擬戦では。勝った方が負けた方の言うことを聞く。というものだった。そしてどっちも勝利ということは。俺もミコもお互いへの命令権を得たことを意味する。これはすぐに使うのはもったいないな。


「私の命令は今はいいわ。ここぞって時に使いたいしね」


「奇遇だな。俺もだ」


シンとミコはお互い悪い顔をしていた。





摸擬戦の後、グングニルを俺の「ストレージ」に入れて、凍っているところや、クレーターを魔法や俺の「創造」で直して。

家に帰り、順番にシャワーを浴びて俺とミコはソファーに横になっていた。

さすがに俺もミコもくたくただ。

俺は前世で親に剣道をやらされていたが、基本的に一撃で相手が気絶するか降参してしまうので長時間本気で動くという経験はあまりなかった。

しかもこの体は12歳。高校生の体力ならいざ知らず、まだ未発達な体であそこまで動くのはかなりきつい。

ミコのもとの年齢は知らないが。

恐らく、12歳の子供の体になってあそこまで動いたのは、今日が初めてだったのだろう。

疲れ果てているようだ。


「ミコ、何か食べたいものはあるか?」


「食べたいもの?どうして?」


「俺がお腹空いたから何か「創造」で創ろうと思ったんだが、まとめて創った魔法が魔力の消費が少ないからな。ミコが何か欲しいならついでに創ろうと思って」


「まとめて創った方が魔力の消費が少ないってどういうこと?」


「さっきの摸擬戦でわかったことなんだが。俺の「創造」の魔力消費って大きさや、強さ、数は関係ないんだ」


「どういうこと?」


「さっきの摸擬戦で俺が大砲、黒い球体を飛ばす大きいやつを「創造」で創ったのは覚えてるか?」


「えぇ、もちろん」


「俺が今まで「創造」が創ったものは結構あるが、「創造」を使ったときの魔力が消費された感覚はどれも変わらなかった。つまり、「創造」はどれだけ強くても、どれだけ大きくても、どれだけ多くても消費する魔力の量は変わらず1000というわけだ。だからどうせなら一気に「創造」した方が手間もかからないし、魔力の消費も減るから楽ってわけだ」


「なるほどね、じゃあ何か甘いものが欲しいわ」


「甘いものか」


甘いものといえばお菓子だよな。

無難にクッキーとかにするか?でもせっかくなんでも作れるんだから、もっといいものを創りたいしな、、、、、、プリンとかどうだろう?

この世界にあるかはわからないが、俺はあんまり甘いもの食べるタイプじゃなかったけど、せっかくだから食べたいな。

俺は「創造」で机の上に皿に乗ったプリンとスプーンを創る。


「何それ?」


どうやらミコはプリンを始めてみるようだ。

この世界に存在しないのか、ミコが単に知らなかっただけかはわからないが。


「これは、俺のいた世界にあったお菓子でプリンというんだ。口に合うかわからないが、食べてみてくれ」


「分かったわ」


ミコは椅子に座って。プリンを食べる。


「どうだ?」


「、、、、」


「ミコ、どうした?」


「美味しい!!」


ミコは雷が落ちたような衝撃を味わっていた。

ミコは昔から甘いものが大好物だった。

この世界の文明レベルは中世ヨーロッパだ。

甘いお菓子なんてクッキーやケーキぐらいだった。

もちろんどちらもミコの大好物だった。

だが、クッキーやケーキで満足していたミコにとってプリンというのは劇薬に等しかった。

なめらかな舌触り、やわらかさ、プリン自体の甘さとカラメルの苦さの絶妙なバランス。

どれをとってもミコにとっては初体験のものばかり。

異世界の住人はこんなものをたくさん食べることができるのかと。

ミコはしんそこ羨ましくなった。

ミコは一口一口を噛みしめながらプリンを食べる。

シンもミコがとても良い顔をしているのを見て。

安心し、自分の分のプリンを「創造」で創って食べた。

シンは地球にいたころ、食料なんて必要最低限の栄養さえとっておけばいいと思っていた。

それは蓮があるショックで味覚がなかったからである。

しかしシンになってからはそんなことなんて当然なく、実は食事の度に食事の味を噛みしめて食べていた。

しかも今回は前世で知識しては知っていたが食べたことが片手で数えられるレベルしか食べてこなかったプリンだ。

シンも初めてプリンの味というものを知り。

噛みしめながら食べた。外見12歳の少年少女が目を輝かせながらプリンを食べる様はまさに子供だった。

そして二人とも気づいたときにはプリンを食べ終わっていた。


「なくなちゃったわ」


ミコはとても悲しそうだった。

外見が12歳なためとても哀愁が漂っている。

俺もまだまだ食べたかったので。また「創造」でプリンを2つ創り出す。


「ほれ、おかわりだ。魔力はまだまだたくさんあるしおかわりが欲しかったら言え。いくらでも創ってやる」


「ありがとう」


俺とミコは満腹になるまでプリンを食べてから。

部屋に戻り寝た。

余談だが、二人の好物にプリンが追加された日である。

誤字脱字等ございましたらお気軽にご連絡ください。

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