無謀、ダメ、絶対!
※ゆるふわな気持ちでお読みください。
「報告に戻ってきて偉いぞ」
「子供じゃないんだから、自分の実力くらいわかってるよ」
何故かギルドにいたルディに褒められました。
ぎゅうぎゅう抱きしめるほど感動したの?
子供扱いが過ぎるくない?
「カレン様、お待たせ致しました。報告頂いた件の報酬がご用意出来ました」
「あ、すみません、ありがとうございますー」
ぎゅうぎゅうされてたら、ギルドの職員さんが報酬持ってきてくれた。
今回みたいな発見報告でも報酬が出るのはいいことだね。
新人さんが無謀に突っ込むことが減るからね。
今回のは集落ってほどでもないけど、数は多めだったから、討伐隊を組むそうだ。
騎士の詰所の方に走っていった職員さんもいたから、合同討伐になるのかな。
ゴブリンは魔物の中でも弱い方に位置付けられてるけど、それでも数は力なのだ。
弱い魔物だからって舐めてかかってはいけない。
とりあえず、今日はもう森には行かない方が良さそうだ。
もっと採集したかったけど、しょーがない。
「ところで、カレン様。何度もお聞きして申し訳ないのですが、その武器の情報をお聞き出来ないかと、上司が」
「お断りしておいて下さい」
「畏まりました。今後もどうぞ宜しくお願いします」
「はい、ではー」
いつでも誰にでも丁寧な職員さんが会釈して去っていくのを、手を振って見送ります。
「その武器の情報は売らないのか?」
「うん。ちょっと殺傷能力高いしね。売るとしても国に制約付けてとかになるかな。でもそれも漏れると恐いから、やっぱりちょっと難しいかなー」
散弾の方は氷礫がいっぱい弾け飛ぶ感じだけど、単発の方は先が尖った形状の氷を風魔法で回転をかけて飛ばしてるから、氷と言えども飛距離と貫通力がある。
銃身に螺旋状の溝が彫ってあるのと同じ仕組みだ。
更に、簡単な魔術式で構成してあって、必要な魔力も少ない。
この世界の攻撃魔法は威力にもよるけど、発動するまでに少し時間がかかる上に、発動前にその大きな魔力が感知出来る。
人を害そうとしたら何秒か前に気付けたりするわけだ。
でもこれは引き金を引くだけで即座に発動して、高速で弾が飛んでいく。
しかも発動魔力が小さいわけだから、感知にも引っ掛かりにくいし、距離によっては感知してすぐに被弾してしまう。
簡単に人を害せて、量産もしやすい。
平和な世の中でこんな武器を広く知らしめてはいかんのですよ。
「そうか。ところで、カレンはこの後どうするんだ?」
「んー? 採集はもう出来ない感じだし、ひーちゃんと一緒に街ぶらぶらする感じかな」
「付いて行っても良いか?」
「うん? 別にいいけど? 面白いかは、わかんないよ?」
「構わない」
そんなこんなで、ひーちゃんとルディと街歩きに行くことにした。
おしゃれめなカフェでちょっと遅めのお昼ごはん。
お昼は持参してたケークサレ二切れとクッキー三枚の予定だったけど、そのままお持ち帰りだ。
ひーちゃんは朝と夜にがっつり食べるのでお昼はいらない感じ。
おやつは食べるけど。
のんびりお昼ごはんの後は雑貨屋や露店をはしごしていく。
久々の街歩きではしゃいでしまって、気がついたら結構遅めの時間になっていた。
薄暗くなってきた中を飛んで帰るのは危ないってルディに言われて、もっともだと思ったので辻馬車で帰ることにした。
女の子だからルディが家まで送ってくれるんだって。
「めめめめちゃくちゃ揺れるるっていうか振動がすごいんだけど!」
ひーちゃんも乗り心地悪そうだよ!
「平民の馬車ならこんなものだ。貴族でも金がないところだと同じようなものだな。衝撃軽減の魔術式を刻むのに結構な金がいる」
マジか?!
うちの馬車もあんまり揺れないから、そこんとこの技術はあるんだと思ってたのに!
振動軽減した馬車、開発してやるからな!
コイルバネとか板バネとか使えばいいのは知ってるぞ!
来たれ! サスペンション!
カレン「とにかく、車体と車軸が一体になってるのを離せばいいんだ」
ルディ「ほう。どう離すんだ?」
カレン「とりあえず間にバネを入れる。板バネでもコイルバネでも、とにかく丈夫なやつを」
ルディ「なるほど。それから?」
カレン「え? それだけ。細かい設計とかはこれから考える」
ルディ「そうか……」




