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猫はいいぞ

※ゆるふわな気持ちでお読みください。

 猫たちとグリフォン専用の小屋は開発小屋の程近くにある。

 壁にはキャットウォークを付けて、キャットタワーもいくつか置いてあって、外を眺められるように大きめの窓も設置。

 グリフォンも入るから、入り口も中の空間も広く取ってある。

 ちゃんとそれぞれの寝床も用意してあるのに、何故かグリフォンの寝床が猫に取られてたりする。

 グリフォンが一番新参だから仕方ないかな。

 猫だしね、うん。

 一番お姉さんでしっかり者、自ら新人教育係をしてくれて大助かり、黒猫のさくら。

 おっとりのんびり愛想良しお姉さん、魅惑のもふもふ毛皮が堪らないラグドールっぽい猫のすみれ。

 いつもご飯を取られがち、おっとりだけど身体能力は高いぞ、ちょい長毛のサバ白オス猫のあおい。

 マイペースツンデレ女子、兄を見て世渡りを学んでるけど結構好き勝手やる縞三毛猫のかえで。

 知能が高く人の言葉も理解していて攻撃力も高い、なのによくさくらに上に乗られながら寝ている心優しきオスグリフォンのひいらぎ。

「こら、すーちゃん、あっくんのおやつ取らないの。かっちゃんもダメ。あっくん早く食べな」

 うーん、やっぱり味集中カウンターとか必要?

「姉上、味集中カウンターとは何ですか?」

「ありゃ? 声に出てた?」

「はい、しっかり喋ってました」

「ありゃりゃ、恥ずかしい」

 猫小屋の入り口で合流した弟のセオくんに――セオドア・ディールっていうよ!――おやつ準備を手伝ってもらったんだ。

 セオくんは勉強後の癒しに猫と戯れに来たみたい。

 あっくんがおやつ取られないようにディフェンスしながら、味集中カウンターについて説明するよ!

 あ、ちなみにルディとレオンも付いて来てるよ。

 さっちゃん撫でたり、かっちゃん撫でようとして猫パンチされたり、ひーちゃん撫でたりしてる。

 かっちゃんはうちの人以外には結構塩対応なんだよね。

「味集中カウンターっていうのはねー、隣が見えないように木の板なんかで遮って、自分のご飯に集中出来るようにしたやつだね。構造は簡単だから、今度木工工房にお願いしてみようかな」

 それでもおやつ取られたら、もーしゃーないってやつかも。

 強くなるんだ、あっくん!

 ゆったりゆったり食べてるから横取りされるんだぞ!

「なるほど、あおいには良いかもしれませんね。そうだ、工房といえば、父上が“花と猫”の新作アイディアはないかって言ってましたよ」

「えー、新作かぁ……」

 花と猫っていうのは、私が考えたアクセサリーブランドのこと。

 元々は家族でお揃いの桜と黒猫デザインのチャームを作ったんだよね。

 桜と黒猫からわかるように、さくらがモチーフで。

 そしたらそれを見たお姉さまのご友人たちから欲しいと声が上がって、あれよあれよと販売が決定した。

 幅広い猫好き層にヒットして、プチブームなのだそう。

 社交界とか全然行ってないからよくわかんないけど。

 販売に関してはお父さまに丸投げで、製作に関しては宝飾工房に丸投げしてて、時々デザインとかアイディア出しを要請される。

「うーん、花じゃないけど、そろそろかえでを登場させるかぁ……? 後はアクセサリー以外にも商品を広げるとか……」

「アクセサリー以外ですか?」

「うん。刺繍を入れたハンカチとか、ブックカバーとか、そういう気軽に使える日用品があると、なんか楽しいじゃん? あとレザー小物とか、陶器やガラスで作った小さい置物とか……。あ! ペーパーウェイトとペン置きなんかも普段使い出来ていいんじゃない?! かわいいかも!」

 うちの子のかわいさをどんどん広げてしまうなぁーかわいいから仕方ないねぇー!

 今上げた例をセオくんが頷きながら、胸元から取り出した手帳に控えてる。

「ひとまず、僕の方から今の案を伝えておきますね。また夕食時にでも父上から話があると思いますが」

「うん、ありがとー」

 なんて気のきいた弟なんだろうか。

 アホで奔放な私と違って、落ち着いてて大人っぽくて顔も良い。

 婚活市場で引く手あまたなのでは?

 素敵なお嬢さんと結ばれることを祈っているよ、決めるのお父さまだけど。

 手帳をしまって去っていくセオくんをその場で見送り、なんか静かだなーって思って振り返ったら、ルディもレオンも、さっちゃんとすーちゃんのお腹に顔が埋まってた。

 猫吸いは正義だよね。




 夕方になって、レオンは城に、ルディは宿に帰っていった。

 一国の王子が王都とはいえ、街の宿でいいのかって感じなんだけど、ルディの結界魔術がすごすぎる域なんで、大丈夫らしい。

 それでも、国家間の問題やら警備の面やら色々で城に滞在をって言われてるみたいだけど、非公式だからってルディが固辞してるんだって。

 そもそも、もう何度も来てるから、普通に街に馴染んでる。

 本人曰く、屋台の食べ歩きとか楽しいらしい。

 確かに食べ歩きは楽しい。

 私は二人が帰ったあと、夕食に呼ばれるまで、コンロ改良の続きをしたよ。




レオン「コンロ、改良するの?(もふもふ)」

カレン「うん。小型化したいんだー。今のは大きくてテーブルの上とかで使いにくいし(もふもふ)」

ルディ「実現すれば野宿でも使えそうだな(もふもふ)」

レオン「冒険者に売れそうだねぇ(もふもふもふ)」

ルディ「軍の遠征備品にもなるな(もっふもふ)」

レオン「あ、それ言っちゃう?(もっふもっふ)」

ルディ「友好国だし、大丈夫だろう(もふもふー)」

カレン(たまに王子らしい発言出てくるなあ)

猫たち(いつまで撫で続けるんだにゃー)

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