25 そういえば前にそんなことを聞いたような。
とり「うごー」
ねこ「どうしたの、とりさん!」
とり「この作品のブックマークを見たまえ」
ねこ「ぶっくまーく?」
とり「この作品を登録してくれている人の数だよ」
ねこ「ほうほう(ごそごそ)あ、今99だって!」
とり「そうなんだよ!!!!」
ねこ「わあ」
とり「そうなんだよ、99なんだよ!!」
ねこ「どうしたの、とりさん」
とり「100になったらお祝いのメッセージを書こうと思っていたのに! おかげさまでブックマークが100になりました、これからもがんばります、とか言おうと思っていたのに! それなのに99なんだよ!」
ねこ「とりさんは節目の100が好きだもんね」
とり「そうなんだ。ぼくは100がすきなとり」
ねこ「きっといつか100になるよ」
とり「まあそうだな。ドライオなんかお話がいっぱいあっても100にいったことは一度もないそうだからな」
ねこ「どらいおかわいそう」
……いた。
遠くの茂みに、大きな生物反応があった。
今までの経験から、これを外すことは絶対にない。
これは、人間だ。
位置はスケルトンの後方。私の肉眼ではまだ見えないところ。
「アランさん」
私は、剣を構えているアランさんに声を掛けた。
「スケルトンの背後に、操っている術者がいます」
「分かるのかい」
「魔法で生物感知をしました」
「さすがだな」
アランさんは口元だけで微笑む。
「よし、そっちは僕が対応しよう。フィリマはここで援護してくれ」
「分かりました」
「パッスン、人間相手ならお前の弓が威力を発揮するぞ」
「任せろ」
「ドスン、スケルトンは頼む」
「おう」
アランさんの手早い指示が終わると、ドスンさんが鎧をきしませながら、スケルトンに向けて突撃を始めた。
鎧がガシャンガシャンと音を立てる。あの中にとりがもぐりこんでるんだけど、大丈夫だろうか。
重戦士だけあって、ドスンさんの突撃は迫力満点だ。だけど、重い鎧のせいでスピードはそんなに速くない。
その脇を、軽戦士のアランさんが駆け抜けていく。
私が見つけた生物反応のある茂みのほうへと。
二人が目的に近付いた、そのときだった。
「ま、待て待て待て!」
甲高い、子供みたいな声がした。
「ドスン、お前まさか俺のスケルトンをぶっ壊すつもりか!?」
その声を聞いて、ドスンさんが足を止める。
あれ? ドスンさんの名前を知ってる?
アランさんも、なあんだ、と言わんばかりに剣を下ろした。
「お前か、最近見ないと思っていたら」
アランさんは、甲高い声の聞こえてきた茂みの方に声を掛けた。
「こんなところで何やってるんだ、オルカタ」
茂みから、ひょこりと誰かが顔を出した。
くりくりっとした大きな目。耳が長く、肌が浅黒い。
小柄な身体。
あれはフーウ族だ。
トウェンティブラッドでは結構見かけたけど、この辺では珍しい。人間よりも寿命が長く、魔法に長けた種族。
「やっといい感じの骨を見つけたんだよ」
オルカタと呼ばれたフーウ族の少年――とは限らないな、フーウ族は五十歳くらいまで少年の姿のままだから――は嬉しそうに言った。
「常備スケルトンにしたいから、ちゃんと役所で登録番号もらわないとだろ。それで連れ帰ってきたんだ」
がさがさと草を踏み荒らしながら、オルカタさん(一応、さんと呼んでおこう。きっと年上だ)は私たちに近付いてきた。いつの間にか、スケルトンは動きを止めていた。
「丘の上に人がいるのは分かってたから、離れたところを歩かせてたんだけど。よく見付けたなあ」
「ふふふ」
褒められる場面を決して見逃さないとりが、ドスンさんの鎧の隙間からにゅるんと姿を見せた。
「見付けたのはぼくだ」
「わあ」
オルカタさんは目を輝かせた。
「死体の皮のつぎはぎだ。えっ、俺のほかにも死霊術師がいるの!?」
「誰がつぎはぎだー」
とりが手羽を上げて抗議する。
「ぼくはちゃんと決められたところで縫われている」
いや、怒るのはそこじゃないと思う。死体の皮って言われてましたよ……
それはそうと、死霊術師か。
そういえば、リサさんが冒険者ギルドに登録しているマジックユーザーの中に一人、死霊術師がいると言っていた。それがこの人なんだろうか。
ドスンさんのところまでやってきたオルカタさんは、珍しそうにとりを摘まみ上げた。
「なんだ、ただの動くぬいぐるみか」
「動くだけじゃない。喋ることだってできるんだぞ」
摘ままれた体勢のまま、とりは胸を張る。
「でも死体の皮じゃないんだろ」
「ふっこふこの化学繊維だ」
「カガクセンイ? 何だ、それは」
「死体の皮よりもファンシーな素材だ」
変な言い合いを始めている。
オルカタさんは、とりを摘まんだままで私を見た。
肩の上にいるねこを見つけて、にやりと笑う。
「あそこにもいる。そうか、こいつを操ってるのは、あんたか」




