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鬼神王覚醒  作者: 森豆太郎
30/109

第30話 ◇お邪魔虫再登場◇ 08/29

29日にモデルナの2回目ワクチン接種し38℃以上の発熱があり30日の仕事を休む。

T課長から31日出勤するには、医師に副作用による発熱だと診断を受けろと指示が出る。

医師の診察でモデルナワクチンの副作用だと診断を貰う。

PCR検査も10分で出来るから受けますか?と聞かれたので、受けた結果は当然、陰性だった。

この流れをT課長に報告したら、何という事でしょう。

医師の診断結果だけだったら出勤できましたが、”PCR検査を受けて陰性だった”というだけで、対策本部にお伺いを立てるから明日と明後日は出勤するな。だってよ。

なんだよそれ、念のためにPCR検査受けた俺が悪いというのかよ!!ふざけるなT課長

そんなの対策本部にT課長が、確認すれば良いだけなのに、それすらできない本当に役立たずなんですよ。困った困った。という事で緊急リリース。

◇お邪魔虫再登場◇ 08/29


 4人に挨拶して正面玄関から外に出て新橋駅ではなく、日比谷公園に向かって歩き始めると周辺に居た監視者たちが2-3人ずつスーツ姿だったりラフな服装だったりのグループとなり前後を挟むように付かず離れず、付いてくるのが確認できた。


 瘴気の数を数えてみると丁度20個だった。


 気が付かないふりをして、そのまま内幸町の交差点を渡って日比谷公園に入り日比谷公会堂の脇を抜け監視者5名を残して、残りが速足で左右に散って行くのが分かった。


 奴らの体制が整うのを待つために公会堂前の売店で、缶コーヒーを買って第二花壇のベンチに座ってゆっくりと飲んでから空き缶をゴミ箱に捨てると、時刻は15時30分過ぎだった。


 ゆっくりと秋の10円カレーで有名なレストランの前にある首賭けイチョウを過ぎて石橋まで進むと、前後で挟む形で瘴気が四方から集まって来たので、どうやら、周囲から一般人を排除してここで、動くことに決めたようだ。


 石橋の前後であれば、道が複数方向に延びているが、石橋の上で挟まれたので、前後を押さえれれると橋の下を流れる水路に飛び降りて逃げるしかなくなる。


 よく考えている。

 と言うか、こうなるように移動してきたんで、こちらの思惑通りに奴らが動いただけだ。


 「この先の雲形池に行きたいんで、通していただけますか。」


 と丁寧に前方をふさいでいる男たちに声をかけてみると、


 「スコシ、オジカンイタダケマスカ?」


 と背後からスーツ姿の初老の男性がイントネーションがおかしな日本語で声をかけてきた。


 「どういう事でしょうか?」


 「アナタノコトハ、フクシマニイルトキカラ、ワタシノナカマタチガ、カンシシテイマシタ。

  アナタハ、イッタイナニモノナノデスカ?」


 「私は、極々普通の日本人ですよ。」


 「ソンナハズハ、アリマセン。

  アナタガ、フクシマダイイチゲンパツニ、アラワレタトタンニ、ゲンシロタテヤヤ、ホウシャセイハイキブツガ、キエサッテ、ホウシャセンモ、ケンシュツサレナクナリマシタ。

  ワタシタチノカンシインガ、ハイジョサレタリ、トバシタドローンガ、ショウメツシタリ、モグリコマセテイタスパイガ、ハワイデハッケンサレルナド、アリエナイコトガオコッテイマス。

  フクシマダイニゲンパツデモ、アナタガアラワレタトタンニ、ゲンシロタテヤヤ、ホウシャセイハイキブツガ、キエサッテイマス。

  ワガクニハ、ソレラスベテニアナタガ、カカワッテイルト、ハンダンシテイマス。

  ソウデナケレバ、アナタノナマエスラデテコナイホド、ジョウホウガ、マモラレテイルコトガ、オカシイ。」


 ソンナコトナイヨと言いたいんだが、守秘義務契約と関係者を絞った事が仇となって、疑われてしまったようだ。


 「名前ですか?

  私の名前なんか聞いてどうするんですか?

  そもそも日本人は、小学生でも人に名前を聞くときは、先に自分の名前を名乗ると知っているのに、良い歳をしたあなた方は、いきなり人を取り囲んで、半ば強制的にこの状態と言うのは、如何な物でしょうかね。C国一等書記官の()さんとそちらは、K国書記官の(キム)さんですよね。」


 「ナッ!!ナンデ、ワタシタチノ、スジョウヲシッテイル」


 「ワタシノコトマデ、シラベタノカニダ」


 そりゃこんな状態になるのが、分かっているんだから事前に【思念分析】で、一通り調べるに決まってるでしょ。

 C国が12名でK国が8名だとか、動かしてる人間の名前とかをさ。


 「お二方とも有名ですよ。

  大使館を隠れ蓑にしてスパイ行為を働いている。ってね。」


 「「ソンナコトハナイ、イイガカリダ。(イイガカリダニダ。)」」


 この状態でそんなこと言っても誰も信じないと思うけど一応


 「そんなことあるでしょ。この状態でそんなことを言っても誰も信じないと思いますよ。

  それで、李さんに金さんは、一体何の用があるんですか?」


 「オマエノツカッテイル、ギジュツヲ、ワレワレニヨコスンダ。」


 「技術?とか言われても何のことだか、わかりませんね。」


 【異能】は技術じゃないから正直に答えてあげたらとんでもないことを考えるもんだ。

 俺を拉致してから、治外法権の大使館に運び込み、地下にある秘密の拷問部屋で、拷問器具や自白剤を使って技術とか言うものを吐かせようと考えてやがる。


 「イイカラ、ギジュツヲヨコセ。

  サモナイト、ワガクニノタイシカンニレンコウシ、オマエノカラダニ、キクコトニナルゾ。

  ワレワレハ、ニホンノカンケンミタイニアマクナイゾ。」


 はい、アウト!!敵対行為と認定しまーす。

 残りの18人を【念動力】で足を地面に固定して動けなくしてから


 「へえ、大使館に連れて行くってどうやって?

  やれるものならやってごらんよ。」


 こちらが強気に出たので、二人とも戸惑っているようだが、C国の李の方が部下に向かって


 「オマエタチ、コイツヲコウソクシロ」


 どうやらC国がK国を従えているようだ。


 「アシガ、アシガ、ウゴキマセン。」


 「ナンダト」


 「そろそろ17時になるんで、私はこれで帰らせてもらいますよ。

  これ以上、私に付きまとわないでくださいね。

  私に敵対的行為を働くと、皆さん方にとーっても不幸な出来事が起こってしまいますからね。

  これは警告です。」


 と二人に宣言して雲形池に向かって歩き出して日比谷公園霞門から出たところで18人の【念動力】を解除してやると、遠くの方からどたどたと走ってくる足音が聞こえてきた。

 そのまま霞門の交差点にある丸ノ内線霞ヶ関駅の階段を下った姿を奴らに見せてから【瞬間移動】で、アパートまで帰って来た。



 本当に胸糞が悪くなった。

 こんな時は俺の天使に癒してもらおう。


 丁度、17時になったので、博子の携帯に連絡を取ってみることにした。

 少し長めに呼び出し音が鳴った後、博子が出た。


 「どうしたの?」


、「少しイライラすることがあったんで、博子に癒してもらおうと思って電話した。」


 「私で良かったら、話を聞くよ。」


 「色々と込み入った話になるんで、金狐のところで待ち合わせで良いかな。」


 「わかった。

  10分位で行けると思うから待ってて。」


 博子に会えることになったので、早速、家から八幡神社に【瞬間移動】して金狐に挨拶しておこうと奥の館に向かって【念話】と飛ばすと


 「鬼神王殿か。

  どうされた。」


 「少し、博子と会って話をしたいので館の部屋を貸して欲しい。」


 「部屋を貸すくらい何の問題もないが、私はいま、原宿の特別避難所で作業しているので、何もしてやれぬぞ。

  いっそのこと、原宿避難所の家で話したらどうじゃ。

  おぬしたちが使えるように広めの家を用意してあるぞ。

  但し、電気設備が無いので、明かりなどは自前で用意してくれよ。」


 「そうか、この八幡神社にも避難用出入口を設置してあったよな。

  今日は、避難所の家を使うことにするよ。

  ありがとう。」


 境内で待っていると階段を駆け上っている気配と共に博子が現れた。


 「待った。」


 「今さっき来て、金狐と話しが終わったところ。

  金狐が、避難所に俺たちが使えるように家を用意してくれてると言うから、これから行ってみない。」


 「どんなところか行ってみたい。」


 と了解もとれたので、出入口に設定した奥の出世稲荷の脇を抜けたところに向かった。

 博子には金狐の加護が付いているが、避難所出入の為に俺の【加護(天)】を改めて付与して、目印となる縄文遺跡横にある灯篭を教えて前に立たせると博子が見えなくなった。

 俺も後に続いて出入口から避難所にはいると、博子が周囲を見回していた。


 「入れたね。

  これで何がっても安心だ。

  金狐が用意した家が、町中に流れる川の上流にある2階建ての大きな家だからすぐわかると言ってたから探しに行ってみようか。」


 「どんな家だろう。

  見るのが楽しみだから早くいってみましょう。」


 街中の川沿いを川上に向かって歩いていると、右側に庭に大き目の気が2本植わっている2階建ての1軒家が見つかった。

 門をくぐろうとすると金狐の【結界】を感じたので、ここで間違いないと確信できたので、博子に


 「この家みたいだよ。」


 と門の中に誘い入れた。

 庭から大きく屋根が張り出した家を時計回りに一周してみると、周り廊下になっている濡れ縁にガラス戸がはまって、その奥の部屋は雪見障子の和室が2間続きになっているのが見える。

 そのまま時計回りに進むと同じつくりの和室が奥にもう2部屋あり和室が合計4室あるようだ。

 裏手まで回ると水回りが集まっているようで、小窓が複数並んで見える。

 玄関右手まで回り込むと広々としてLDKが並んで見える。

 一緒に見ている博子のテンションが爆上がりだ。


 早く中が見たいというので、玄関の引戸から中に入ると土間に玄関ベンチが置かれ、玄関から奥まで吹き抜けになっているところに階段が付いている。

 右手のリビングに入るとダイニングキッチンと見通せるようになっていて窓も大きなサッシが使われているので、とても明るくなっている。

 キッチンの奥には、家事室と内廊下に出られる引戸があり洗面所、トイレ、脱衣所兼洗濯機置場、浴室と並んでいた。

 浴室を覗くと浴槽のさらに奥にガラスで仕切られた露天風呂が見えるではないか。

 内風呂と露天風呂で違った泉質の温泉が楽しめるとメモが残っていた。

 1階には8畳の和室が4室あり仕切のふすまを開けると16畳の大部屋が2部屋出来るつくりになっていた。

 16畳の部屋の間には、押入が背中合わせについているので、使い勝手も良さそうだ。


 階段で2階に上がると廊下になっており右に行くと書斎とサンルームとベランダになっていた。

 左に行くとベットルームになっており、専用のトイレと洗面所が付いていた。

 ベットルームの周りはベランダになっており、吹き抜け側の壁際がウォークインクローゼットになっていた。

 サンルームのベランダとベットルームのベランダは、周回できるようになっていた。


 画像をクリックすると拡大するので、見やすくなります。

  挿絵(By みてみん)


 二人でハウスツアーをしていたら楽しくなって、気が晴れてきた。

 これから什器を買いそろえるのがとても楽しみになった。

 気分が落ち着いてきたらお腹が空いていることに気が付いたが、ここには何の用意もないので、博子に何が食べたいか聞いたらハンバーガーにポテトとコーラが食べたいというので、八幡神社まで配達してもらうことにした。


 時間を見計らって八幡神社に【瞬間移動】して注文した品々を受取り家へ戻って、博子と二人で濡れ縁に腰かけて食べながら今日の出来事を話していたら大層びっくりして、途中の間抜けなスパイたちの話を始めたら、最初はすごく心配してくれたが、最後は二人して大笑いだった。


 今日あったことを話していたら気分もすっきりして少し眠気が来たので、博子に膝枕してもらって30分ほど寝らせてもらうことにした。

 たった30分であったが、気分爽快にリフレッシュが出来たので、家に【結界』を張り今日のところは家まで送って行くことにして八幡神社へ戻る出入口を教えて実際に戻ってみることにした。


 当然ながら何の問題も無く八幡神社の灯篭まで戻ってきたので、八幡駅まで戻ると人身事故がったようで全線運行停止中で復旧見込みも立たないとの事だった。


 今後のこともあるので、再び二人で八幡神社まで戻ってきて、博子は避難所の家で少しだけ待ってもらうことにした。

 急いで博子のアパートの門柱まで【瞬間移動】して、出入口用の【隔離結界】を施してから、原宿避難所の八幡神社出入口の横まで8.6kmほどの避難用通路を往復分通して、博子のところまで戻って来た。


 「ただいま。」


 「おかえり、早かったね。

  さっきから10分位しか経ってないよ。」 


 「帰る準備が出来たから帰ろう。」


 と言って二人で手を繋いで八幡神社出入口の横に作った門柱出入口用の避難用回廊を覚えてもらって、先に帰って貰って、後に続いて自分も門柱まで移動した。


 先に戻った博子が待っていてくれたので、おやすみのキスをしてから【瞬間移動】で自宅アパートまで帰って来た。

 考えてみたら、避難所の家が使えるならそっちの方が邪魔者の心配もないし都合が良いと気が付いたので、什器等生活用品の準備が出来たらこのアパートを引き払うことに決めた。


 博子に電話を架けてこれからしばらく避難所の家用の什器や生活用品等を買いそろえるので付き合って欲しいと話したら、明日は同期の集まりがあるので駄目だが、週末なら土日両方とも付き合ってくれることになったので、土曜の朝9時を目安に避難所の家で待ち合わせになった。



次話 ◇お買物ツアー開催◇ 08/31~

 

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挿絵(By みてみん)

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