悪役令嬢の考え
さて、お家に帰ってきてご飯も食べてお風呂にも入って寝るぜって状況なんだけどさ、うん。
……………もう一回何が起きてるのか考えてみようか。
今の私はレイザ・トーシェンド。私がやっていた乙ゲー【ときめき☆マジカル】、それに登場するレイザ・トーシェンドだ。
トーシェンド家は、東の国を治める一家であり、原作開始時には貿易とかその他諸々がとても栄えていて、東の国は国全体を治めるのでは？と言われる程に凄い。
そしてトーシェンド家の一人娘…それが私、レイザ・トーシェンドだ。
レイザは整った容姿、礼儀正しい振る舞いなど、良い噂がされているが、原作中ではヒロインを精神的にも物理的にも追い詰めたりして貶めていた。
…が、レイザは見事に死ぬEndしか無い。その上死に方が非常に酷い。アレは乙ゲーじゃない。グロゲーだ。
ときめき☆マジカルのヒロイン…ルメア、えぇと、ルメア・カルシェーヌ…だよね、たしか。
ルメア・カルシェーヌは田舎から西の国に越して来て、そこに来てから攻略対象と恋に落ちていく…みたいな感じだ。
そして攻略対象は、五人…
幼馴染 リヒト・シュレファン
北の国の王子 リカルド・ヴァイエルシュトラス
レイザ・トーシェンドの兄 アルバーン・トーシェンド
和の国の少年 セナ・エンジョウジ
盗賊の少年 ラギア・シンファル
この五人だ。
そしてルメアと攻略対象が結ばれたことに怒ったレイザはもう一度ルメアを絶望に落とそうと自身の全てを賭けたが、ルメアと攻略対象はそれを打ち破り、聖剣なり処刑なりで死んでしまう…。そしてそれによって攻略対象は抱えていた悩みが消え、ルメアとHappyEnd………。
レイザ・トーシェンドは死ぬ…。
…そう、とても非現実的な事だが、レイザ・トーシェンドは私なのだ。
転生成り代わりトリップなるものをしてしまった私は死ぬのだ…。
『うわぁ私報われなくない？？？？？？』
…いやいや、今のレイザの体の成長具合からしたらまだ原作前だし？悪役令嬢ルート回避して攻略対象に悩みを作らなさせなかったら生きるルートある…よね…？？
……うっ、眠くなってきた…。
口からあくびがでる。考えていたら疲れてしまった。なので寝ようと思う。
いい夢見ろよ、私！
