#20 薫
#20 薫
学校に帰ってすぐ、薫は祐輔に呼び出された。
薫が住んでいる家と祐輔の県営のマンションと団地は一緒なので、薫が祐輔のもとにいくのには、薫個人の身体の性能を無視しても、十分と掛からない。
そして、そこには見慣れたようで見慣れていない人物がいた。
「……なんでアンタがここにいる?」
ショートカットの茶髪の同級生を見る薫は、しかめっ面でそう言った。
「まぁ……色々」
照れくさそうに誤魔化す同級生から視線を外して、それを許容している部屋の主人に視線を送る。
「彼女の言った通りさ、僕が許可した、それだけだよ、君と同じさ……眼鏡ちゃん、薫くんにコーヒーでも淹れてやってくれ」
ソファに座っていた茶髪の眼鏡の少女は、淡々とした動作で立ち上がると、キッチンへと向かっていく。
「それで? なんで私を呼び出したんだ」
不機嫌な薫に、祐輔は返事をする。
「別に。大した用じゃないよ」
依頼者の真意の読み取れない笑みと、視界の端に知り合いのうずうずとした表情を収めて、薫は嘆く。
結局、私の周りでアレを機に変わった事といえば、面倒な知り合いが一人増えた事だけじゃないか、と。
これにて第1章終了です。
感想とか貰えると狂喜乱舞します。
次回からは第2章に入ります。




