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106 祭り

お待たせしました。北海道に合宿に行ってまして……

気温が一度二度くらいしかなくて寒かったです。


「おい、お前が狩った鳥も一緒に調理するが、いいか?」

「調理する前に言えよ」

俺は不機嫌に返事を返した。

「アハハハハ、それもそうか」

エルフの村の中心には鶏が全部で十一匹が焚火、大きさ的にはキャンプファイヤー並に大きい火の上で焼かれていた。周りはパーティームードでお酒を飲み始めているエルフはすでに多数いる。俺に対して鳥の事を聞いた男もお酒に酔っていた。


俺が二人を救ったと言う事で話は納得できてもらえた。猫の姿だとご飯は食べにくいので俺は人化で人の姿になっていた。俺の服のストックは切れてしまったので、エルフの服を借りることになった。エルフの服は色々な色があり、エルフの服を見ると下着の上からその服を一枚を着ているだけで寒そうに見えたが……実はかなりぬくぬくな服だった。内側には綿が入った服があって、熱を逃がさないようになっていた。夏用はその綿の服が外せるようになっている。



取り敢えずそのセットの服を七つ貰った。これである程度は待つだろう。




鳥が十一匹も確保できたということで、村全員で食べることになったらしい。そして今の現状だ。俺としては色々調理法を試したかったが既に時遅し、肉は焚き火の上で焼かれていた。あ~あ、使えなくなっちゃった。




仕方ないから、肉を人一倍食ってやる!!



俺はそんな決意を胸にパーティーに参加したのだった。






俺は口いっぱいに肉を頬張りながら、片手にお酒を持って歩き回っていた。タレなどが無くても塩コショウと肉汁でそれなりの美味かった。


これなら一匹分ぐらいに肉は食えるかもな……


「ねえ、ちょっと」

「ん?」

「エリカに告白した奴って誰よ?と言うか何でエリカはあんたに相談したのよ、告白の事。と言うかあたしの妹に告白したのは誰よ、教えなさい!!あたしがふさわしい相手か確かめるから」

「おあいおとおいあいいっえう」

「何言ってるか分からないわ、口を空っぽにして喋って」

俺は口に入ってる肉を飲み込んだ。

「同じこと二回言ってる、エリカに告白した奴って所」

「そんなことはどうでも良いのよ!!どこのどいつよ、エリカに告白したのわ」

エリカがリリアナに相談しなかったか分かるな。

「そんな風になるから相談を受けなかったんだろう。ほっとけよ、お前。エリカだって自分の彼氏ぐらい自分で選べるだろう」

俺は若干呆れながら言った。

「うるさいわね、良いでしょう別に。でところで告白した奴はどこにいるのよ!!」

「たぶんそこら辺にいると……」

あたりに目を向けると端っこの方で肉も食わずに木の椅子に座っているクシアを見つけた。なんだか様子が落ち込んでいるように見える。


どうしたんだ……?



「ちょ、どこ行くの?」



俺はリリアナを放っておいてクシアの方に歩いて行くことにした。


「おい、どうした少年。悩みごとか?」

俺はそう言ってクシアの隣に座った。いつものなら面倒で首を突っ込まないが、酒に酔って、気分が良かったせいだろう。

「……はい」

「俺様が聞いてやろう、どんな悩みだ?」

俺が普段より陽気な分クシアは暗くなっているようだった。かなり深刻に悩んでいるようだ。

「僕は……リリアナさんを守れなかった。あなたが来てくれなければ僕たち二人は今頃は、肉の塊になっていました」

クシアの絞り出すような声を俺は黙って聞いていた。

「そうだな」

確かにそれは事実だ。俺は辺に誤魔化すのも悪いんではっきりと言った。

「……僕はエリカさんを守れなかった……そんな僕がエリカさんの恋人になる資格なんてあるのかと…」

まあ、悩んでいることは分かった。好きな女の子一人守れなかった自分が情けなくて、悔しいのだろう。





だけどな、お前はしっかりと好きな女を自分の手でしっかりと守ってるぞ。気づいていなようだがな。





「クシア、お前はしっかりと自分の好きな女をしっかりと守ったぞ」

「え?」

首が取れそうなほどの勢いで俺の方に顔を向けてきた。特にその反応を気にせず俺は肉を一口食べた。

「どういう事ですか?」

「二度も言わせるな」

「でも、僕はー」

「アイスシールドで守ったろ」

「でも僕は守り切れませんでした!!」


ポタ、ポタ。


クシアの瞳から涙がボロボロとこぼれ始めた。

「あんなの守ったと言えません」

「いいや、守ったさ。胸を張っていいほど」

「数秒しか守れませんでした!!」

「その数秒が生死を分けたんだぞ」

クシアの叫びとは正反対に俺は冷静に返事をした。

「俺が到着する数秒間をお前は命を懸けて稼いだんだ」

「たかが数秒間でしょう!!」

「そこから視点をずらせ。お前は自分の命を懸けて好きな女を守ろとした。それを誇れ!!」

俺に怒鳴られて涙を流していた瞳が点になった。

「お前は自分の命を懸けたんだ。それだけで彼氏の資格はあるんだよ、お前は」

「……」

「それにな、命を掛けてまで守りたいと思える女が現れるのは、一生に一度あるかないかだぞ、大切にしてやれ」

「そうなんですか?」

「そんなもんさ、だからそれでも納得できないんなら」

「どうするんですか?」

「強くなれるように努力しろ」


肉と酒が無くなった、お代りとって来よう。


    


俺がその場から移動した。クシアはその場に座り込んで何かを考えるように自分の手のひらを覗き込んでいた。




それから数年後、クシアはエルフの村で十本の指に入るほどの強さになっているが、それはまた別の話。





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