9_リストからの伝言
「おーい ラミス 聞こえてるかー 今 僕はタマちゃんと合流したところなんだけど 君たちはそろそろナベちゃんと合流したころかな」
祖父リストはミューを通じてこちら側へ語りかけるがこちらから祖父に語り返す術はないと思われた
「まぁ ラミス様 リストちゃんですの?」
祖父をリストちゃんと呼んだナベちゃんに祖父の今の姿を知っている僕は違和感を覚えたが祖母は少し意地悪な様子で
「ああ そうじゃの」
というとニヤと笑った
「ラミス様 リストちゃんがタマちゃんといっしょならいいものがあるんですのよ」
そう言ったナベちゃんは部屋のスミにあるタンスのようなものの中から青い石を取り出した
「魔力レシーバですわ 私の魔力ではこの王国内程度くらいしかレシーバをつなげることができませんがラミス様の魔力ならばあるいは
タマちゃんのいるところまでつなげることができるやもしれませんわ」
ナベちゃんは祖母に魔力レシーバの使い方を教えているようだ
「もしもーし 聞こえるかの もしもーし」
祖母は現実世界の電話の挨拶で魔力レシーバに語りかける
「おお ラミスにゃ ひさしぶりにゃあ リスト ラミスにゃ にゃはは 聞こえてるにゃよ」
魔力レシーバで祖母の声はうまく向こうへ伝わったようだ 向こうの声はミューを通じて聞こえてくる
「かっかっか これで双方意思が伝達できるのう」
「タマちゃん」
妹が魔力レシーバに向かい言葉を発した
「おお 梨花か? そこには梨花もいるのかにゃ? 梨花、リストから聞いたにゃ みんにゃを呼んできてくれてありがとうにゃ」
魔力レシーバの後ろからなにやら声がする
「リスト すまないが ラミス様に挨拶をさせてくれないか?」
コソコソと音がした後少女の声がミューから発せられた
「ラミス様 ラミス様 アルミでございます お元気でしたか 僕は僕は・・・・」
「おおアルミか?久しぶりじゃの 元気にしておったか?そんなに改まらなくてもよいぞ じきにあうことになるじゃろうて、一度我が臣下4天王を集めパーティでもひらきたいものじゃの」
「おい ラミス これからでもみんなを連れてそこに行こうか?だいぶ昔の感覚がもどってきたからな」
「リスト 転移ゲートを使うのじゃな ついでじゃ サキちゃんとカンナも頼めるかの?」
「もちろんそのつもりだよ ラミス まあ準備に2,3日かかりそうだが・・・・・・」
後で祖母に聞いた話だが祖父の使う転移ゲートは勇者独自のスキルでありその名の通り自分自身や人や物を任意の場所(一度行った場所)へ転移することができるものらしい
ナベちゃんの家まで僕たちをこのスキルで移動させなかったのは僕たちにこの世界のことを知ってもらいたかったのと同時に
祖父自身久しぶりのスキルで安定性を一人で確かめたかったということだった
その後祖父と祖母 ナベちゃんタマちゃんアルミちゃんは魔力レシーバとミューを使い大まかな予定を立て一度通信を終えた
「おじいちゃんいつくるの?」
どうやら妹は祖父の来る時を気にしているようだ なにかあるのだろうか
「そうじゃの リストは2,3日といったがサキちゃんのスケジュールにもよるな まぁ気長に待つとするかの 梨花 ラスト お主らその格好では少し目立ちすぎるゆえ明日でも服を仕立てにいくとしようかの」
「ラミス様、そういうことなら 私最近できた良い店を知っておりますのよ ぜひ そこで2人の服を仕立てることをおすすめしますわ うふ」
ナベちゃんはそういいながらメガネを怪しく光らせた