10_衣料防具専門店
次の日僕たちは城下のお店でこの世界にあう衣服を手に入れるためナベちゃんの竜車へ乗り込んだ
ナベちゃんは御者席で手綱をとりながらごきげんな様子で鼻歌を歌っている
ゴトゴトと進む竜車の客車の中祖母は僕たちにこの世界の衣料品について教えてくれた
「ラスト 梨花この世界で着る服は元いた世界の服とは違う特性があるのじゃが なにかわかるかの?」
「おばあちゃん この世界の服は・・・・・・水着」
「違うぞ 梨花 しかし良いところはついておる」
にこやかにはりきって答えた妹ににこやかに答える祖母
「むー 確かにこの世界の衣服は露出度が高いが水着というわけではないんじゃよ じつはのこの世界の服には戦いの際防御力が必要になるため素材に魔術付与がほどこしてあるのじゃ」
「魔術付与って?」
梨花は首をひねりながら祖母に聞く
「まぁ かんたんに説明すると物理攻撃をうけたときと魔法攻撃をうけたときに自動発動する魔法を付与しておくということじゃな まぁ防御力を削って攻撃力を上げるというような裏技もあるのじゃがの」
僕と妹は祖母の話にうなずいた
「魔力の付与の度合いは素材の良し悪しに関係するのじゃ ゆえに素材の魔法付与密度が高ければ高いほど高性能なものができるということじゃの しかし高性能な素材はドロップする触鬼が高レベルかつレアモンスターかつ
うまくドロップしても素材として使える部位が少ないなどで希少になってしまうのじゃ 梨花の言ったとおりこの世界の高レベル冒険者たちの服装が水着のようになってしまうのはそのような背景があるのじゃ
それを隠すかどうかは個人の判断ではあるがの まぁ冒険者たちにとっては衣服は一種のステータスゆえ隠すどころか見せたいもののほうが多いようじゃがの カッカッカ」
しばらくそんな祖母の話を聞いていると竜車がゆっくりと止まった
「ラミス様 梨花ちゃん ラストちゃんつきましたわよ ここで降おりになってくださいですわ 私は裏に竜車を止めてきますわ」
衣料雑貨ふらいぱんだの看板がかかっている
この世界の文字は見たことのない文字だ どういうわけか読めるし意味もわかる 書いてみろと言われれば書くこともできるだろう 不思議だ
ナベちゃんはこの衣料店の裏側にある竜車を3台ほど止めることの出来る駐竜車場に竜車を置き正面玄関に戻ってきた
「さ はいりますわよ」
僕たちはナベちゃんのあとに続きぞろぞろと店の中へ入っていった
「あっらぁ ナベちゃんじゃなーい おひさぁ 元気にしてたの んもう あんた死んじゃったのかとおもってたのよ」
ひげをはやし眼鏡をかけたおじさんがパタパタと内股で小指をたててこちらへやってくる
梨花はちょっと泣きそうだ 僕も実はちびりそうだ
「パレット ひさしぶりじゃの 元気にしておったか?」
パレットと呼ばれたその人物はナベちゃんの後ろからひょっこりと顔を出した祖母に唐突に顔色を変えた
「そ そんな まさか あわわわ」
ナベちゃんと祖母の顔を交互に見ながら言葉を失っているパレットさん
僕は人が本当にあわわわと言うところを始めて見た
「パレット そんなにあわあわするんじゃないのですわよ」
そういったナベちゃんであったが祖母に再会したときのナベちゃんもかなりの狼狽ぶりだったことを僕はしっている
「だってぇ ナベちゃん ラ ラ ラミス様ですのよ ねぇ どういうことなの ねぇ」
「パレット 落ち着くのでございますのよ ラミス様は帰って来られたの ラミス様だけではないのですよ らみもアスモ様もリストちゃんもこちらにいるのですよ」
「あわわわ」
ナベちゃんの話をきいたパレットはさらに挙動がおかしくなっている
数分後やっとのおもいで落ち着いたパレットは祖母に挨拶をおえようやく僕たちのほうへやってきた
「ラストちゃん 梨花ちゃん 紹介するわね こっちは私の従兄弟で仕立て屋のパレットですわ 魔王たちの特別な仕立てができる職人さんですのよ 最近では前魔王アガレス様のトレードマークにもなったフライパンダ模様の
パンツが有名ですのよ 腕は確かですわ」
「うむ 妾もよく世話になったものじゃ パレットまた世話になるの よろしく頼むのじゃ」
「あっらぁ ラミス様 もったいないお言葉ですわ お孫さんのお召しものしっかり作らせてもらいますわぁ」
パレットはひげの生えた白い顔を赤面させながらくねくねと体をよじらせながら祖母に笑顔を作った




