エピローグ
人間を見に行くと言ったら、フレイは僕にこう言った。
「リュミエル、行けば必ず後悔するよ。なぜって君は彼と同じように人間に惹かれるから。君はきっと、苦しみの果てに枯れてしまう」
僕はそんな言葉信じなかった。だって、僕が人間を愛するなんてこと、あるわけないから。その筈だったのに……。
だけど、僕は後悔していない。君の好きだったトネリコの樹になって、君と、君の愛するこの世界を支えることができるから。
フィオナが戻るその日まで、僕はいつまでも、ここで待っている。
母が私にこう言った。
「誰かを愛してはいけない。その相手を心から愛せば、フィオナも母さんのように何も残さず塵になってしまう」
私は誰も愛することなんてないと誓った。愛を得ても、最後に残るもなんて何もないのだから。そう思っていたのに……。
でも、私は後悔していない。あなたと過ごしたかけがえのない日々が、消えることはないのだから。
いつかあの場所へ、いつものように笑うリュミエルに、必ず会いにいく。
私は二人を見守ると決めた。
エルフと人と、種族を超えて時を刻む二人を愛おしく想う。
どんな結末を迎えようとも、どんなに長い時が過ぎようとも。
いつか二人の魂が再びめぐり逢い、トネリコの樹が役目を終えるその日まで――エルフを司る神フレイの名にかけて、永遠に見守ると誓う。
最後までお付き合いいただき、本当にありがとうございました!
明日、『アリアドネの喪失』を【初回3話一挙投稿】する予定です。(時間差で順番に投稿します)
こちらも完結まで執筆済みとなっておりますので、よろしければぜひまたお付き合いいただけると嬉しいです!




